公表されている会計基準等の適用時期(2022年3月31日現在)

EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 廣瀬 由美子

1. 2022年3月期

1-1 2022年3月期から適用されるもの】

区分 会計基準等 適用時期 内容
「時価の算定に関する会計基準」等
  • 時価の算定に関する会計基準(企業会計基準第30号)
  • 棚卸資産の評価に関する会計基準(改正企業会計基準第9号)
  • 金融商品に関する会計基準(改正企業会計基準第10号)
  • 時価の算定に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第31号)
  • 四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針(改正企業会計基準適用指針第14号)
  • 金融商品の時価等の開示に関する適用指針(改正企業会計基準適用指針第19号)
  • 外貨建取引等の会計処理に関する実務指針(会計制度委員会報告第4号)
  • 金融商品会計に関する実務指針(会計制度委員会報告第14号)
  • 金融商品会計に関するQ&A
  • 2019年7月4日公表
  • 2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2020年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる
  • 上記に加え、2020年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用することができる
  • 投資信託の時価の算定に関しては、本会計基準等公表後概ね1年をかけて検討
  • (改正時価の算定に関する会計基準の適用指針2021年6月17日公表 詳細は「時価の算定に関する会計基準(投資信託等に関する取扱い)」参照)
  • 範囲
    • 金融商品会計基準における金融商品
    • 棚卸資産会計基準におけるトレーディング目的で保有する棚卸資産
  • 時価の定義
    • 算定日に市場参加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合の資産の売却によって受け取る価格又は負債の移転のために支払う価格
  • 時価の算定単位
    • それぞれの対象となる資産又は負債に適用される会計処理又は開示による
  • 時価の算定方法
    • 評価技法とインプットを用いて算定
    • インプットが属するレベルに応じて、レベル1、レベル2又はレベル3の時価に分類
  • 市場価格のない株式等の取扱い
    • 時価を把握することが極めて困難な有価証券の記載削除
    • 市場価格のない株式等については、引き続き取得原価をもって貸借対照表価額とする
  • 開示
    • 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項を注記する
収益認識(収益認識に関する会計基準等)
  • 収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)
  • 収益認識に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第30号)
  • 2018年3月30日公表(2021年3月26日改正)
  • 2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2018年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる
  • 上記に加え、2018年12月31日に終了する連結会計年度及び事業年度から2019年3月30日に終了する連結会計年度及び事業年度までにおける年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用することができる
  • 基本となる原則
    • 約束した財又はサービスの顧客への移転を、当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するように収益の認識を行う。基本となる原則に従って収益を認識するために、次の5つのステップを適用する
  • 収益の認識基準
    • ステップ1:契約の識別
    • ステップ2:履行義務の識別
    • ステップ3:取引価格の算定
    • ステップ4:履行義務に取引価格を配分
    • ステップ5:履行義務充足により収益を認識
収益認識(収益認識に関する会計基準等)‐ 開示部分に関する改正
  • 収益認識に関する会計基準(改正企業会計基準第29号)
  • 収益認識に関する会計基準の適用指針(改正企業会計基準適用指針第30号)
  • 2020年3月31日公表(2021年3月26日改正)
  • 2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2020年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる
  • 上記に加え、2020年4月1日に終了する連結会計年度及び事業年度から2021年3月30日に終了する連結会計年度及び事業年度までにおける年度末から適用することができる
  • 表示科目等
    • 顧客との契約から生じる収益の額を適切な科目で損益計算書に表示又は注記する
    • 契約資産、契約負債又は顧客との契約から生じた債権を適切な科目で貸借対照表に表示する。契約資産と顧客との契約から生じた債権について貸借対照表に区分して表示又は各残高を注記する
    • 顧客との契約から生じる収益と金融要素の影響(受取利息又は支払利息)は、損益計算書において区分して表示する
  • 注記
    • 収益の分解情報(例えば、製品別や地域別等の収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性に影響を及ぼす主要な要因に基づく区分に分解した情報)
    • 収益を理解するための基本となる情報(各ステップに関する情報、会計基準適用における重要な判断)
    • 当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報(契約資産及び契約負債の残高等・残存履行義務に配分した取引価格)
LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(改正実務対応報告第40号)
  • LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(改正実務対応報告第40号)
  • 2022年3月17日公表
  • 2022年3月17日以後適用することができる。
  • 適用期間
    • 金利指標置換後の会計処理に関する取扱いの適用期間を米ドル建 LIBOR とそれ以外の通貨建ての LIBOR を分けることなく、一律に 2024 年 3 月 31 日以前に終了する事業年度まで延長
  • 主な会計処理
    • 「金融商品会計に関する実務指針」第178項の⑤以外の要件が満たされている場合には、2024年3月31日以前に終了する事業年度の翌事業年度の期首以降も金利スワップの特例処理の適用を継続することができる
    • 上記の取扱いは、振当処理にも同様に適用することができる。

1-2 2022年3月期から適用することが可能なもの】

区分 会計基準等 適用時期 内容

時価の算定に関する会計基準(投資信託等に関する取扱い)

  • 時価の算定に関する会計基準の適用指針(改正企業会計基準適用指針第31号)
  • 2021年6月17日公表
  • 2022年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる
  • 2022年3月31 日以後終了する連結会計年度及び事業年度における年度末から適用することができる
  • 投資信託財産が金融商品である投資信託の時価
    • 市場における取引価格が存在する:当該価格
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がない:基準価額(ただし、会計基準における時価の定義を満たす、他の算定方法により算定された価格の利用を妨げるものではない)
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がある:時価算定会計基準と整合する評価基準が用いられている場合、基準価額を時価とみなすことができる
  • 投資信託財産が不動産である投資信託の時価
    • 市場における取引価格が存在する:当該価格
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がない:基準価額
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がある場合:基準価額を時価とみなすことができる
  • 基準価額を時価とみなす取扱いを適用した投資信託の注記
    • 基準価額を時価とみなす取扱いを適用しており、時価のレベルごとの内訳等に関する事項を注記していない旨
    • 貸借対照表計上額の合計額
    • 期首残高から期末残高への調整表
    • 解約等に関する制限の内容ごとの内訳(信託財産が金融商品である投資信託の場合)
  • 貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合等への出資の注記(時価の注記は要しない)
    • 時価の注記を要しないとする取扱いを適用しており、時価の注記を行っていない旨
    • 貸借対照表計上額の合計額

グループ通算制度

  • グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い(実務対応報告第42号)
  • 2021年8月12日公表
  • 2022年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2022年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の期末から適用することができる
  • 適用範囲
    • グループ通算制度を適用する企業の連結財務諸表及び個別財務諸表並びに連結納税制度から単体納税制度に移行する企業の連結財務諸表及び個別財務諸表
    • 通算税効果額の授受を行うことを前提としており、通算税効果額の授受を行わない場合の会計処理及び開示については取り扱っていない
  • 会計処理
    • 連結納税制度とグループ通算制度の相違点に起因する会計処理及び開示を除き、連結納税制度における実務対応報告第5号等の会計処理及び開示に関する取扱いを踏襲
    • 連結財務諸表においては、「通算グループ内のすべての納税申告書の作成主体を1つに束ねた単位」に対して税効果会計を適用する
    • 繰延税金資産の回収可能性の判断を行うにあたっての企業の分類についても、連結納税制度における取扱いを踏襲
    • 適用時、加入時及び離脱時の取扱いについても、連結納税制度における取扱いを踏襲
  • 表示
    • 通算税効果額は、法人税及び地方法人税を示す科目に含めて、損益計算書に表示する
    • 通算税効果額に係る債権及び債務は、未収入金や未払金などに含めて貸借対照表に表示する
    • 法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について、通算グループ全体の繰延税金資産の合計と繰延税金負債の合計を相殺して、連結貸借対照表の投資その他の資産の区分又は固定負債の区分に表示する

2. 2023年3月期

2-1 2023年3月期から適用されるもの】

区分 会計基準等 適用時期 内容
時価の算定に関する会計基準の適用指針(投資信託等に関する取扱い)
  • 時価の算定に関する会計基準の適用指針(改正企業会計基準適用指針第31号)
  • 2021年6月17日公表
  • 2022年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる
  • 2022年3月31 日以後終了する連結会計年度及び事業年度における年度末から適用することができる
  • 投資信託財産が金融商品である投資信託の時価
    • 市場における取引価格が存在する:当該価格
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がない:基準価額(ただし、会計基準における時価の定義を満たす、他の算定方法により算定された価格の利用を妨げるものではない)
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がある:時価算定会計基準と整合する評価基準が用いられている場合、基準価額を時価とみなすことができる
  • 投資信託財産が不動産である投資信託の時価
    • 市場における取引価格が存在する:当該価格
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がない:基準価額
    • 市場における取引価格が存在せず、解約等に関して重要な制限がある場合:基準価額を時価とみなすことができる
  • 基準価額を時価とみなす取扱いを適用した投資信託の注記
    • 基準価額を時価とみなす取扱いを適用しており、時価のレベルごとの内訳等に関する事項を注記していない旨
    • 貸借対照表計上額の合計額
    • 期首残高から期末残高への調整表
    • 解約等に関する制限の内容ごとの内訳(信託財産が金融商品である投資信託の場合)
  • 貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合等への出資の注記(時価の注記は要しない)
    • 時価の注記を要しないとする取扱いを適用しており、時価の注記を行っていない旨
  • 貸借対照表計上額の合計額
グループ通算制度
  • グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い(実務対応報告第42号)
  • 2021年8月12日公表
  • 2022年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2022年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の期末から適用することができる
  • 適用範囲
    • グループ通算制度を適用する企業の連結(個別)財務諸表及び連結納税制度から単体納税制度に移行する企業の連結(個別)財務諸表
    • 通算税効果額の授受を行うことを前提としており、通算税効果額の授受を行わない場合の会計処理及び開示については取り扱っていない
  • 会計処理
    • 連結納税制度とグループ通算制度の相違点に起因する会計処理及び開示を除き、連結納税制度における実務対応報告第5号等の会計処理及び開示に関する取扱いを踏襲
    • 連結財務諸表においては、「通算グループ内のすべての納税申告書の作成主体を1つに束ねた単位」に対して税効果会計を適用する
    • 繰延税金資産の回収可能性の判断に係る企業の分類について連結納税制度における取扱いを踏襲
    • 適用時、加入時及び離脱時の取扱いについて連結納税制度における取扱いを踏襲
  • 表示
    • 通算税効果額は、法人税及び地方法人税を示す科目に含めて、損益計算書に表示する
    • 通算税効果額に係る債権及び債務は、未収入金や未払金などに含めて貸借対照表に表示する
    • 法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について、通算グループ全体の繰延税金資産の合計と繰延税金負債の合計を相殺して、連結貸借対照表の投資その他の資産の区分又は固定負債の区分に表示する

3 2024年3月期以降に適用されるもの(公開草案)】

区分 会計基準等 適用時期 内容
電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(案)
  • 電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(案)(実務対応報告公開草案第 63 号)
  • 2022年3月15日公表
  • 2023年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用
  • 公表日以後終了する事業年度及び四半期会計期間から適用することができる
  • 適用範囲
    • 株式会社が、金融商品取引業等に関する内閣府令第1条第4項第17号に規定される「電子記録移転有価証券表示権利等」を発行又は保有する場合の会計処理及び開示を対象
  • 会計処理
    • 基本的に従来のみなし有価証券を発行及び保有する場合の会計処理と同様に取り扱う
  • 金融商品会計基準等上の有価証券に該当する場合の保有の会計処理
    • 発生及び消滅の認識は、金融商品会計基準第7項から第9項に従って行うこととするが、その売買契約について、契約を締結した時点から電子記録移転有価証券表示権利等が移転した時点までの期間が短期間である場合に限り、売買契約を締結した時点において認識する
    • 貸借対照表価額の算定及び評価差額に係る会計処理は金融商品会計基準第15項から第22項及び金融商品実務指針の定めに従って行う
  • 金融商品会計基準等上の有価証券に該当しない場合の保有の会計処理
    • 会計処理は、金融商品実務指針及び実務対応報告第23号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い」の定めに従う(ただし、金融商品実務指針等の定めに基づき、結果的に有価証券として又は有価証券に準じて取り扱うとされているものを除く)
法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)等
  • 法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)(企業会計基準公開草案第71号(企業会計基準第27号の改正案))
  • 包括利益の表示に関する会計基準(案)(企業会計基準公開草案第72号(企業会計基準第25号の改正案))
  • 税効果会計に係る会計基準の適用指針(案)(企業会計基準適用指針公開草案第72号(企業会計基準適用指針第28号の改正案))
  • 2022年3月30日公表
  • 2024年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用
  • 2023年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期末から適用することができる
  • 税金費用の計上区分(その他の包括利益に対する課税)
    • 当事業年度の所得に対する法人税等を、その発生源泉となる取引等に応じて、損益、株主資本及びその他の包括利益に区分して計上
  • グループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果
    • 連結会社間で子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べ、売却した企業の個別財務諸表において、売却損益に係る一時差異に対して繰延税金資産又は繰延税金負債が計上されているときは、連結決算手続上、当該一時差異に係る繰延税金資産又は繰延税金負債を消去する
    • 購入側の企業による当該子会社株式等の再売却等の意思決定がなされた時点において、当該消去額を戻し入れる
    • 子会社に対する投資に係る連結財務諸表固有の一時差異について、予測可能な将来の期間に子会社株式の売却(売却損益を繰り延べる場合)を行う意思決定又は実施計画が存在しても、当該一時差異に係る繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しない

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