わかりやすい解説シリーズ「連結」 第1回:総論

公認会計士 蟹澤啓輔

1. 連結財務諸表とは

連結財務諸表とは、複数の企業から構成される企業グループの財政状態、経営成績などを総合的に表示するために作成される財務諸表のことです。

図1-1

図1-1

大企業では親会社と子会社や孫会社など支配従属関係のある会社から構成される企業グループで事業活動を行っていることが一般的です。

2. 連結貸借対照表作成の基本

連結貸借対照表は企業グループの期末時点の資産、負債、純資産の状況を表示するために作成します。

図1-2

図1-2

投資と資本の消去に関しては、本解説シリーズの第2回で詳細に解説します。

3. 連結損益計算書作成の基本

連結損益計算書は企業グループの一定期間の売上や費用、損益の状況を表示するために作成します。

図1-3

図1-3

内部取引の消去に関しては、本解説シリーズの第3回で詳細に解説します。

4. 連結財務諸表作成の流れ

連結貸借対照表や連結損益計算書などの連結財務諸表作成の流れを整理すると、【図1-4】のようになります。

図1-4

図1-4

未実現利益の消去に関しては、本解説シリーズの第4回で詳細に解説します。

なお、連結財務諸表には、次のような種類があります。

連結財務諸表の種類

作成目的

連結貸借対照表

企業グループの期末日時点の財政状態を表す

連結損益計算書

企業グループの一会計期間(※1)の経営成績を表す

連結包括利益計算書※2

企業グループの一会計期間の資本取引以外の純資産の変動額である包括利益を表す

連結株主資本等変動計算書

企業グループの一会計期間の連結貸借対照表の純資産の増減を表す

連結キャッシュ・フロー計算書※3

企業グループの一会計期間のキャッシュ・フローの状況を表す

連結注記表

上記各連結財務諸表の注記事項を表す

※1 例えば一事業年度(1年)や四半期会計期間(3カ月)など

※2 連結包括利益計算書については包括利益の表示に関する会計基準の解説シリーズをご参照ください。

※3 連結キャッシュ・フロー計算書についてはキャッシュ・フロー計算書の解説シリーズをご参照ください。


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