EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
最高経営意思決定機関に対して報告されている業績報告資料では、各セグメント別に営業利益および経常利益が示されています。
このような場合でも、財務諸表利用者にとって営業利益の開示が適切であると判断される場合、または最高経営意思決定機関がその意思決定や業績評価に際して営業利益を最も重視している状況が認められるのであれば、セグメント情報の開示に際して、営業利益までの開示とすることはできるでしょうか。
会計基準で採用しているマネジメント・アプローチの基本的な考え方は、経営者がその意思決定や業績評価に用いている情報そのものを開示することで、財務諸表利用者に対して有用な情報が提供されることになるという点にあります。
上記の基本的な考え方を踏まえると、財務諸表利用者にとって適切なまたは有用な開示であるかどうか、という視点よりも、まずは最高経営意思決定機関が意思決定や業績評価に用いている情報そのものを開示するという点より判断することが必要と考えられます。
そのため、最高経営意思決定機関への報告資料を十分に分析し、どの区分の利益情報が経営者の意思決定や業績評価のために定期的に提供され、使用されているかという点に関して、継続的に確認していく必要があると考えられます。その結果、営業利益より下の損益情報が、意思決定等に利用されていない状況においては、セグメント情報として営業利益までを開示することも考えられます。