EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
YUKI:私はEYに入社したら海外で働きたいという希望を持っていました。上司からの後押しもあり赴任したロンドンでは、男性にも女性にも平等にチャンスが与えられていて、性差を感じることはまったくありませんでした。そのような環境だったからこそ、性差を理由にせず、責任や覚悟を持つ勇気が養われたように思います。何より、活躍している女性がたくさんいる環境に身を置くことは、自身にとってのロールモデルを見つける良い機会になりました。
YUMIKO:EYの米国チームで働いていた時に、DE&Iに関する活動を通して会社がネットワーキングを行うよう働きかけることとネットワーキングの場を設けることで、女性のキャリア構築に少なからず寄与していることを学びました。また、子どもを持った今、家事・育児・仕事で時間がない中、会食やイベントへの参加を通したネットワーキング活動を行うことが難しいと感じています。これらの経験を生かして、現在、女性のネットワーキングイベントを企画・リードし、キャリア構築やロールモデルを探す場の提供と共に、女性が働きやすい職場環境の構築や女性の離職率の低下を目指す活動を行ってしています。
YUMIKO:女性が働きやすい職場づくりには、女性社員間の縦と横の連携が重要であると考えています。そのため、社内に女性社員が何名くらい在籍しているかを把握するところから始め、ネットワーキングやキャリアビジョン、ライフワークバランスに関わる相談、マネジメントへの意見収集など、直接対話を重ねることで縦と横の連携を強めています。
YUKI:海外では子育てをしている女性管理職が多くいましたが、残念ながら日本ではまだ少ないのが現状です。この状況を変えていくには、男性管理職が積極的に休暇を取得したり、定時で帰ったり、QOLを意識した働き方の姿勢を見せる必要があると思います。また、女性側も周囲を巻き込んで働き方を変えようとするマインドシフトをしていかなければなりません。家計の主たる稼ぎ手は男性であり、家事育児の主たる担い手は女性であるという無自覚の思い込みを払拭(ふっしょく)していくことが求められます。
YUMIKO:女性に限らずいろいろな働き方をするメンバーがいる中で、さまざまな意見を受け入れ認め合うことも重要ですね。時に、それは今までやってきた慣習を否定することもあるかもしれません。しかし、新しい風を受け入れることで、これまでになかった新たな価値が創造できるのではないでしょうか。
YUKI:多様な人材が活躍する組織づくりをするためには、好奇心と広い心と寛容な価値観を持つこと。お互いに関心を持ち、お互いのバックグラウンドをきちんと理解して、それを認め合うことが大切ですね。
YUMIKO:人口減少が進んでいる日本では、今まで以上に日本人以外の方々や女性の活躍が必要となっていきます。女性の社会参画には、男性も女性と同じように家事・育児・仕事を両立することが必要です。その意識が共有され、会社も家事・育児のサポートを行い、社会全体で子供を育てながら経済活動を推進していくことが、EYのパーパス(存在意義)である「Building a better working world (より良い社会の構築を目指して)」につながると考えています。日本の女性は男性と同じ教育を受けているのですから、男女共に社会や経済活動の主体となっていくことが、人口減少の解決策となり得るのではないでしょうか。その土台として、ダイバーシティは切っても切れないものだと感じます。
YUKI:「自分の強みを持つ」というテーマの中でAYANAさんもお話しされていましたが、DE&I実現のためにも、ロールモデルとして参考にできる存在が必要だと私も考えています。ロールモデルというとスーパーキャリアウーマンのような方をイメージしてしまいがちですが、私自身は、もっと身近な、手の届きそうなところにいるロールモデルになれたらと願っています。
HANA:人生の過程でどういったステージにあるかによって必要なサポートは変わってくると思います。それは女性であっても男性であっても同じで、男性で育児休暇を取って積極的に育児に関わりたいタイミングだと思っている人もいれば、女性で今こそ自分のキャリアに注力したいと思っている人もいます。個々人の状況を理解した上で、その人に合わせたサポートをしていくことが大切ですね。
NATSUKO:そうですね。それぞれがどんなサポートを望んでいるのか考え、言い出しにくそうならこちらから声を掛けてあげることも必要ですね。
私は以前、プロジェクトリーダーになりたいと思いながらもそれを言えずにいた時、「彼女ならできます」と同僚に言ってもらえてとてもうれしかったことがあります。その頃はまだ女性のプロジェクトリーダーがいなかったのですが、今は状況も変わりつつあります。遠慮せず、自分から手を挙げてみる。女性側にもそんな勇気を持ってほしいと思います。
HANA:私は、女性はもっと欲張りになっていいと思っています。私自身もキャリアを積んでいく中で、家庭を持ち、出産もしました。その中で、自分から「こうしてほしい」と言い出せないこともありました。今振り返ってみて思うのは、当時、自分が声を上げていれば周りはきっともっとサポートしてくれていたのではないかということです。つい「迷惑ではないか」、「わがままかも」と遠慮してしまいがちですが、周りは案外、もっと協力したいと思っているかもしれません。ですから、女性の皆さんにはもっと遠慮せずに声を上げてほしいですね。
HANA:女性が遠慮して必要なサポートを言い出せずにいる状況は、チームにとってもプラスにはなりません。何を求めているかが明確でないと、相手がステレオタイプなサポートを提供しようとしてかみ合わない事態になってしまうかもしれません。それではせっかくのサポートも残念な結果になってしまいます。お互いが歩み寄り、コミュニケーションをしっかりとって、どちらからも声を上げていくこと、そしてお互い遠慮せずに話し合える環境づくりが重要だと思います。
NATSUKO:私も、これまで以上に女性社員の方々との対話を増やしていきたいと考えています。皆さんが何を幸せだと思っているのか。どんなふうにキャリアを積んでいきたいのか。そんな話をたくさん聞きたいですね。
HANA:そうですね。「今はこんなキャリアを積みたい」、もしくは逆に「今は仕事をセーブしたい」など、欲張りになるためのコミュニケーションをどんどん取ってきてほしいです。その欲張りに、できる限り応えていきたいと思っています。
NATSUKO:私は現在、クライアント向けのDE&I勉強会を開き、その講師をしています。女性のキャリアについて話をした時、クライアントの男性社員から「多様性のメリットが見えてくるまでに時間がかかるけれど、それに持ちこたえられる組織かどうかが重要なんだね」という感想をいただきました。EYはすでに多様性を重視していますが、これから多様性に向けて踏み出す企業には、ここにためらいがあるのだという気付きがありました。
また、WABN(Women Athletes Business Network)という女性アスリートのセカンドキャリアを支援するプロボノ活動も行っているのですが、スポーツで素晴らしい実績を出してきたにもかかわらず、ビジネスの世界では自己効力感が低い人もいます。彼女たちがその素質を新たにビジネスの世界で生かせるよう、しっかりと寄り添っていこうと思っています。
HANA:人口の約半分を女性が占めているわけですから、女性が活躍して働ける世界というのは、誰にとっても良い世界であるはず。それは、EYのパーパス(存在意義)である「Building a better working world (より良い社会の構築を目指して)」にも共鳴するものだと感じています。
NATSUKO:そうですね。私のマイパーパスは「人間力を鍛える」なのですが、自らの人間力を鍛えることによってお客さまに貢献し、それがより良い社会を構築することにつながっていけばと思っています。
HANA:自分がキャリアをスタートした時よりも、キャリアが終わる頃にはより良い世界にしておきたいですよね。私には娘がひとりいるのですが、彼女が成長して働き出す頃には、女性としてより働きやすく、より理解が進み、誰もが自分が望むキャリアを歩んでいける社会になっていてほしいと願っています。
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