メキシコ議会が2022年度税制改正案を承認

Japan tax alert 2021年11月5日号

メキシコ連邦議会の両院は、2022年度経済政策案を迅速な手続きで承認しました。経済政策案には、納税者が悪用していると思われる税法の抜け穴を防ぐことに重点を置いた税制改制が盛り込まれています。本税制改正の最終化に伴い、企業は、既存の取引形態の修正を行う必要があるか再評価をする必要があります。

2021年10月26日、メキシコ上院は下院の承認後、アンドレス・マニュエル大統領の2022年の経済政策案を速やかに承認しました。この経済政策案には歳入法と税制改正が含まれていますが、議会は原案に大きな変更を加えませんでした。同法案の注釈によると、税制改正は、納税者による悪用が指摘されている税法の抜け穴を防ぐことに重点を置いています。また、メキシコ税務当局(スペイン語での略称SAT)に追加の徴収手段を与え、税務調査プロセスにおいて取引実体や事業目的について遡及して異議を唱える権限を付与することになります。

本税制改正は、近く大統領により署名・公表され、2022年1月1日より施行される予定です。

本税制改正には、主に以下の点が盛り込まれています。

  • マキラドーラ企業が恒久的施設として適用を受けられるための移転価格税制の改正
  • 過少資本税制の改正
  • バック・ツー・バック(Back-to-Back)・ローンの定義拡大。事業目的を欠く取引を当該ローンの対象とする
  • 規制外特別目的金融機関(通称「Non-Regulated SOFOM」)に対する恩恵の制限
  • 国内での再編、スピンオフ、合併について納税者に適切な事業目的の証明を要求し、それら取引に関する追加申告を義務化

本アラートに関するお問い合わせは、下記担当者までご連絡ください。

Latin America Tax Desk, Japan & Asia Pacific

Raúl Moreno
Partner, International Tax and Transaction Services

Ernst & Young United States, Latin American Business Center

Tak Morimoto
Senior Manager, International Tax and Transaction Services


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