EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
2022年10月1日以降、企業が英国への輸入申告を行う際、輸出入貨物通関処理システム(CHIEF)を使用することができなくなります。代わりに、税関申告サービス(CDS)と呼ばれる新しい通関システムを利用する必要があります。
CDSはすでに利用可能ですが、多くの企業がまだCDS利用に移行していません。英国歳入関税庁(HMRC)は、8月初めの時点で、CDSへの移行を済ませていない企業が約3,500社あると指摘しています。CHIEFは輸出申告でも利用できなくなりますが、その終了時期は2023年3月31日となっています。CHIEFの終了日はここ数年にわたって何度も変更されてきましたが、今後日付が変更される可能性はないと思われます。
英国に物品を輸入しているすべての企業がこのシステム変更の影響を受けるため、2022年10月1日以降に英国への物品輸入を継続するための手続きを行う必要があります。手続き完了までに数週間かかる可能性があり、輸入者の広範なサプライチェーンおよび第三者の関与が必要になります。手続きが期限内に完了しない場合、企業は英国に物品を輸入することができなくなります。したがって、システム移行に十分な時間を確保するために、今すぐCDSへの利用に向けた準備を開始する必要があります。
なお、企業が税関申告のために通関業者を利用している場合も、以下の手続きを行う必要があります。
関税繰延口座を利用している場合、2022年9月30日までに、CDS利用のための新しい口座引落指示を設定する必要があります。この設定がない場合、輸入者は関税繰延口座を利用することができず、輸入申告を行うたびに即時支払わなくてはなりません。
さらに、従来のCHIEFでは68項目のデータ入力欄があり、自由にテキスト入力できる欄が複数ありましたが、今後運用されるCDSでは91項目のデータ入力欄があり、住所や貨物名称などの一部の情報以外は、コードで入力する必要があります。そのため、企業や通関業者は、CDSで輸入申告を行うために必要な追加データを特定する必要があります。
EYグローバルトレードの専門家は、企業が新システムへの移行を準備し、2022年10月1日以降も英国への物品輸入を継続するための支援を行っています。
大平 洋一 パートナー
EY税理士法人 UK Tax Desk
Richard Johnston アソシエートパートナー
Rebecca McKavanagh シニアマネージャー
メールで受け取る
メールマガジンで最新情報をご覧ください。