香港、国外源泉所得非課税制度(FSIE税制)の最新動向について

1)香港政府、国外源泉所得非課税制度の修正に関するコンサルテーション・ペーパーを公表

香港政府の財經事務及庫務局(以下、「FSTB」)が、「香港の国外源泉所得非課税制度の修正」を表題とするコンサルテーション・ペーパーを2023年4月6日に公表し、コンサルテーション・ペーパーの提案に対する利害関係者からの意見を求めました。

香港が現行FSIE税制(2023年1月1日から施行)を導入する直前の2022年12月、欧州連合(以下、「EU」)はFSIEガイダンスを更新して公表しました。このことは、香港がEUの新しい要件を現行FSIE税制に組み込む時間がなかったことを意味します。

そのため、香港は、EUの新しいFSIEガイダンスに準拠するため、2023年末までに現行のFSIE税制をさらに修正し、2024年1月1日から施行する必要があります。それまで、香港は引き続きEUのウォッチリストに掲載されます。

新しいFSIEガイダンスでは、現行のFSIE税制のように、国外源泉の譲渡益の範囲を株式持分の譲渡に限定することは認められず、網羅的ではないリストの資産の譲渡益が、金融資産か非金融資産かにかかわらず、FSIE税制の対象となります。

 

詳しくは下記PDFからご覧ください。

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2)IRD、特定の国外源泉所得非課税制度に関する設例を更新し、「香港にて受領」の定義に新たな立場を示す

5月5日、内国歳入局(以下、「IRD」)は、内国歳入法(以下、「IRO」)のセクション15H(5)に基づき、多国籍企業(以下、「MNE」)事業体が、未送金の特定の国外源泉所得を香港で受領する場合の解釈について、IRDのウェブサイトの設例を更新しました。

IRDの新しい見解及び、明らかにされた過去の見解は、更新後の設例6と新設の設例9に含まれています。

これら2つの設例は、IROのセクション15H(5)の正確な文言とともに、本タックスアラートの別添に掲載しています。

MNE事業体は、FSIE税制の下で、香港へ未送金の特定の国外源泉所得を、税務上有利に取り扱う場合には、潜在的な影響についてより慎重な検討が必要になります。

 

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