病院建て替えプロジェクトを支援するコンサルティング

日本の医療は少子高齢化などの社会情勢の変化により転換期を迎えており、病院に期待される役割も大きく変化しています。また多くの病院が老朽化により、建て替えの必要性に迫られています。健全な収益性を考慮した建て替えプロジェクトには将来を的確に見越した規模や医療機能を十分に検討することが重要となっています。われわれは将来構想から開院まで一気通貫した伴走型コンサルティングにより再整備事業をご支援してまいります。

関連トピック

建物の老朽化により建て替えを検討していきたいという思いがある一方で、近年の建築費の高騰を受け、どのように検討を進めていくべきなのか、課題を抱える病院は少なくありません。また日本の医療は医療保険制度により制約を受ける収入構造となっており、大幅な収益改善が容易ではないものとなっています。建て替え後も健全な病院経営を続けていくためには、数十年先の医療需給や地域内における自院の役割を適正に捉え、病床規模や医療機能を検討することが重要です。

EYでは、詳細な医療需給調査や経営分析などから長期的な経営戦略や事業計画を立案、関係者との十分な協議を重ね、長期的に持続可能な経営を目指した建て替え事業の推進を支援します。建て替え事業の支援内容としては開院後の運用計画や人員配置、委託計画の見直しなどのソフト面にかかる方針協議のほか、建築事業にかかるマーケット調査や医療機器・医療情報システム、医療DXなどのハード面の整備計画の協議支援など、建て替えにかかる全ての工程、全ての検討項目に対してアプローチします。

Challenge
建て替えに取り組む病院が直面する課題


規模・機能の判断に高度な専門性が必要

地域医療需要・競合状況を踏まえた適切な病床数・診療科の方向性が見えない。


建て替え費用と収支の見通しが立たない

補助金・起債・借入の組み合わせと返済見通しが複雑で意思決定できない。


新地域医療構想への対応が不透明

2026年度開始の都道府県策定プロセスへの対応と自院の機能定位が不明確。


設計折衝で医療機能が後回しになる

建築・設備専門家と院内スタッフの間で医療視点の調整者がいない。


DX・人員運用を踏まえた設計は専門領域が複雑

AI・ロボット・タスクシフト・医師働き方改革を見据えた施設設計方針が固まっていない。


移転・開院準備の全体像がつかめない

届出・患者移送・システム切り替え・スタッフ訓練など膨大なタスク管理が不明確。

Policy
単独最適から地域最適へ

— 医療提供体制を覆う大きな潮流
診療報酬改定は「お金」の面から、地域医療構想は「制度」の面から、同じ方向——機能の選択と集中——を病院に求めている。

2026年4月施行
規模・機能の判断に高度な専門性が必要

  • 急性期評価体系が大きく変わる
    旧「総合入院体制加算」「急性期充実体制加算」が統合・5段階再編。救急搬送・手術件数の実績で評価される新体系へ。
  • 急性期病院A・Bの新区分
    年間救急搬送2,000件以上かつ全身麻酔手術1,200件以上が「急性期病院A」の目安。施設基準達成に向けた機能集約が必要。
  • 賃上げ対応:全職員へ拡大
    ベースアップ評価料の対象が事務職員を含む全職員に拡大。新体制整備と合わせた精緻な算定設計と収支シミュレーションが重要。



2040年を見据えた再編
新たな地域医療構想

  • 療機関機能報告制度(2026年度〜)
    全病院が「急性期拠点・高齢者救急・在宅医療等連携・専門等機能」から自院の機能を選択し報告することが義務化される。
  • 都道府県による構想策定(2026年度)
    都道府県が新たな必要病床数・提供体制を策定。自院の機能維持や病床確保には、行政の構想との整合性が必須となる。
  • 連携・再編・集約化の圧力
    診療実績の低い急性期病院は統合・機能分担が強力に促される方針。建て替えを機に自院の機能を明確化し、持続可能な運営体制を検討する必要がある。
     

Service overview
4フェーズ、一気通貫の支援サービス

01
着手〜約1年
基本構想

  • 地域医療需要・動向分析
  • 周辺医療機関・医療圏把握
  • 現状経営分析(収支等)
  • 建て替え事業費の概算
  • コンセプト・敷地条件整理
  • 新地域医療構想との整合


02
1〜2年
基本計画

  • 部門規模・配置検討
  • 外来・救急・手術室設計
  • 補助金・病院債・借入検討
  • 詳細収支計画の作成
  • 必要人員数・採用計画
  • 組織体制・指揮系統見直し
  • 物流・SPD計画の検討
  • 業務委託範囲の整理


03
2〜4年
設計支援・DX

  • 清潔・汚染ゾーニング確認
  • 大型機器の搬入経路確保
  • 電子カルテ・データ基盤
  • サイバーセキュリティ対策
  • 医療DX推進体制の整備
  • 夜間・休日の当直体制
  • 物流・搬送システムの設計
  • 委託業者との運用調整


04
開院前後1年
開院支援

  • 重症患者の移送優先順位
  • 部門別移転手順書の作成
  • 病院開設許可・指定申請
  • 施設基準の届出整理
  • 稼働・収益のモニタリング
  • 診療報酬算定の適正化


Phase 01
基本構想

地域医療分析・経営分析をもとに、建て替えの目的・規模・スケジュールの方向性を確定します。

1. 医療機能分析

  • 地域医療需要・患者動向の分析
  • 周辺医療機関・医療圏の現状把握
  • 診療科・病床機能の方向性検討
  • 人口動態・将来需要の予測
  • 二次医療圏の患者流出入率を把握し、DPCデータで疾患別入院需要を予測
  • 救急応需率・搬送受入れ実績から救急機能強化の余地を評価
  • 人口減少地域では需要を過大評価しないよう保守的シナリオも併用


2. 経営・財務分析

  • 現状経営分析(収支・生産性)
  • 建て替え事業費の概算
  • 資金調達方向性・収支シミュレーション
  • 投資回収期間・収益性評価
  • DPC機能評価係数Ⅱの現状水準と改善余地を確認し収益増を計画に反映
  • 建て替え工事期間中の収益ダウンリスクを事前試算
  • 投資回収期間は地域医療構想による病床再編リスクも踏まえ複数シナリオで検証


3. 整備方針・関係機関との調整

  • 建て替えコンセプト・敷地条件整理
  • 地域医療構想との整合確認
  • ステークホルダー説明資料作成
  • 近隣医療機関との機能分担協議
  • 【新地域医療構想】
    構想調整会議への早期参加と自院の機能ポジション明確化
  • 【2026年度改定】
    新加算要件を新病院目標に組み込む
  • 近隣病院との機能分担協議は早期着手し交渉の主導権を確保


Phase 02
基本計画

部門規模・配置・事業費を具体化し、資金調達のめどを立てる意思決定フェーズ。

1. 施設・医療機能計画

  • 部門別規模算定・配置検討
  • 外来・救急・手術室等の機能設計
  • 患者・スタッフ動線の方針策定
  • 物流・SPD(院内搬送)計画の検討
  • 手術室・ICU数は「実績稼働率+将来需要増」を根拠に算定し過大投資を防ぐ
  • 将来の増床・部門改修を見越したスケルトン設計を条件化
  • 院内物流ルートは将来のロボット搬送導入も見据えて余裕を持たせる


2. 事業計画・資金計画

  • 補助金・病院債・借入の組み合わせ検討
  • 詳細収支計画の作成
  • 資金調達手法のリスク比較検討
  • 建設コスト・工期スケジュールの精査
  • 工事費単価(㎡単価)が類似規模の病院と比較して適正かを独自に検証
  • 各種基金・過疎債等の適用条件と申請スケジュールを早期確認
  • PPP/PFIは事業特性やリスク分担を慎重に見極め、従来型の資金調達手法との比較検討を行う


3. 人員・組織計画

  • 必要人員数の算定・採用計画
  • 組織体制・指揮命令系統の見直し
  • 業務委託範囲の整理(清掃・給食等)
  • 委託先選定・契約方針の検討
  • 看護配置基準の維持要件を新病院の病床規模で確認
  • 医師時間外労働規制を踏まえた体制と人員数を明示的に計画し設計に反映
  • 委託範囲の決定は人件費シミュレーションと合わせて精査し過度な外部依存を回避


Phase 03
設計支援・DX・運用設計

設計図の医療機能面レビューに加え、医療DX・スマート病院設計、人員配置・運用設計まで一体で支援。

1. 設計監修・レビュー

  • 清潔・汚染ゾーニングと交差感染防止を設計図上で確認
  • 陰圧室・陽圧室の配置数・換気回数が施設基準を満たすか検証
  • 自家発電設備とUPS容量が停電時稼働すべき医療機器に対応しているか確認
  • 搬送経路・物流動線の確保

2. 機器・情報システム計画

  • MRI・CT等大型機器の搬入経路を設計段階で確保
  • 電子カルテ移行のデータクレンジングに早期着手
  • サイバーセキュリティガイドラインに基づく対策を組み込む
  • 医療機器の調達・保守計画の策定
     

3. 医療DX・スマート病院設計

  • 医療DX推進体制整備加算の要件(マイナ保険証等)をインフラ整備
  • AI導入を想定した電子カルテとのAPI連携・データ基盤を設計段階で構築
  • 受発注・物流データとのシステム連携
  • AI問診・遠隔診療等の将来拡張性を確保

4. 人員配置・運用設計

  • 医師上限規制を踏まえた夜間・休日の当直体制と動線を設計に反映
  • ナースステーションからの視認性・動線を最小化
  • 委託業者との業務範囲・連携体制の調整
  • 緊急時・災害時の人員体制計画
     

Phase 04
開院支援

移転実行・届出・スタッフ訓練・開院後モニタリングまで一貫してサポート。

1. 移転計画・実行支援

  • 引越し・患者移送の安全管理
  • 部門別移転手順書の作成
  • 引越し業者・委託先との運用調整
  • 新旧施設の並行稼働期間の計画
  • 重症患者(ICU・透析等)の移送優先順位プロトコルを策定
  • 薬品・血液製剤の温度管理と移送時間を厳守するための事前手配
  • 委託業者の作業スケジュールは病院の診療スケジュールと事前に同期


2. 届出・手続き支援

  • 病院開設許可・保険機関指定申請
  • 診療報酬施設基準の届出整理
  • 地方厚生局・保健所との事前協議
  • 各種許認可の進行管理
  • 地方厚生局への施設基準届出期限(開院月月初)からの逆算スケジュール管理
  • 【2026度改定】
    新加算の届出要件を実績ベースで事前確認
  • 保険医療機関指定申請は開設許可後速やかに行い請求開始の遅延を防止


3. 開院後モニタリング

  • 新施設オリエンテーション
  • 稼働・収益状況のモニタリング
  • 診療報酬算定の適正化支援
  • 職員定着支援・フォローアップ
  • 開院後節目でKPI(稼働率・収益)を計画値と比較レビュー
  • 職員離職率をモニタリングし、新施設移行に伴う負荷や定着課題を早期に把握・対応
  • 新施設特有の不具合・クレームは開院後3カ月に重点収集し迅速に改善


Why us
私たちを選ぶ4つの理由

01 医療・経営・施設・DXの4軸統合

医療機能・収益性・施設品質・デジタル化を一つのチームが担当。
部分最適ではなく全体最適を追求し、経営改善につながる検討を支援します。

02 構想から開院後まで一貫伴走

フェーズごとにコンサルタントが入れ替わると情報が断絶します。私たちは一貫して同じチームが担当し、プロジェクトの継続性のある推進体制づくりを支援します。

03 最新政策への即応力

2026度診療報酬改定や新たな地域医療構想など、刻々と変わる政策動向を常にキャッチアップし、建設計画・収支計画に即時反映します。

04 最新政策への即応力

2026度診療報酬改定や新たな地域医療構想など、刻々と変わる政策動向を常にキャッチアップし、建設計画・収支計画に即時反映します。

EYを選ぶ4つの理由
  図: EY作成


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