規制のサンドボックス制度

イノベーションを促進するレグテック・エコシステムの形成

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規制のサンドボックス制度は、期間や参加者などを限定し、新しい技術などの実証を行うことができる環境を提供する制度です。2015年の英国に端を発した、この取り組みは今では世界各国に広がっています。

日本においても、2018年6月に生産性向上特別措置法に基づく同様の制度が創設され、2021年7月に産業競争力強化法に移管され、恒久化することとなりました。

イノベーションを試みた際に、既存の規制が想定していないことが多くありますが、法律改正には数年を要したりすることもあり、イノベーション推進の足かせになることがあります。「規制のサンドボックス制度」を活用することで、実証実験を規制当局の了解のもとで実施し、そのプルーフをもって早期に社会実装することが期待されています。

日本における取り組み

日本においては、アベノミクスの第三の矢「民間投資を喚起する成長戦略」を担うべく2018年6月に閣議決定された『未来投資戦略2018─ 「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革─』の中で、「サンドボックス」が国家としてイノベーションを推進すべく大胆な規制・制度改革のための重要な施策として挙げられ、2018年6月に施行された「生産性向上特別措置法」により、日本版の「規制のサンドボックス制度」が始まりました。「まずやってみる」ことを許容し、2018年6月から2021年4月までに、Fintech、ヘルスケア、モビリティ、IoT、不動産等の分野で、20件139者が認定を受け、その後の法令の見直し、特例措置の整備、解釈の明確化、円滑な事業化等につながっています。

生産性向上特別措置法が2021年6月に廃止期限を迎えるところ、同法に措置されている規制改革のための実証制度(規制のサンドボックス制度)を産業競争力強化法に移管し、恒久化されることとなりました。

規制のサンドボックス制度の詳細は、成長戦略ポータルサイトでも紹介されています。

規制のサンドボックス制度|成長戦略ポータルサイト (kantei.go.jp)

対談・インタビュー

EY Japanは、「規制のサンドボックス制度」について、イノベーションを促進するレグテック・エコシステムの形成に寄与する取り組みであると考え、その普及を応援しています。この度、規制のサンドボックス制度が恒久化する節目に、規制のサンドボックス制度の実態に迫るため、関係者との対談とインタビューを行いました。

※ 本動画内における発言内容は各発言者の見解であり、EYの正式な見解を表すものではありません。
※ 所属・役職名はインタビュー時点のものです。

 

対談

EY Japan RegTechリーダー 小川 恵子 × 中原 裕彦氏(経済産業省 大臣官房審議官)

EY Japan RegTechリーダーの小川は、「規制のサンドボックス制度」について、レグテック・エコシステムの形成に寄与するものとして、2018年6月の閣議決定以前から注目してきました。経済産業省 大臣官房審議官中原氏は、これまで日本における規制のサンドボックス制度の創設に尽力されてきました。規制のサンドボックスが恒久化する節目に、制度の狙いや、これから新しい技術やビジネスモデルの社会実装を目指す方への想いについて語っていただきました。

申請者インタビュー

※動画を閲覧する際は、画面を最大化してご覧ください。

glafit株式会社
代表取締役 CEO 鳴海 禎造 氏

「規制のサンドボックス制度は、地方のベンチャーでもチャレンジでき、新しいサービスや製品を生み出すチャンスだと感じています」

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サスメド株式会社
代表取締役 上野 太郎 氏

「新しい取り組みで試行錯誤されている方々が、本制度を活用することでアジャイルガバナンスを実現し、持続可能な社会に繋がっていくことを願っています」

※動画を閲覧する際は、画面を最大化してご覧ください。


株式会社justInCase
代表取締役 畑 加寿也 氏

「真にユーザーのためになり、法律の解釈が難しい新たな技術やビジネスモデルであれば、規制のサンドボックス制度は、非常にマッチする仕組みだと感じています」

※動画を閲覧する際は、画面を最大化してご覧ください。


大正製薬株式会社
奥山 貴則 氏

「実証計画や関連法令の理解が不十分な状態で走り始めましたが、内閣官房事務局の皆さんにサポートしていただき、無事に認定を得ることができました」


Fintech協会では国際連携全般を統括しており、日ごろから海外の金融規制当局とのコミュニケーションを取っていることもあって、規制のサンドボックス制度には個別プロジェクトの認定だけでなく、制度自体の国際展開・連携にも携わってきました。

そして、海外のサンドボックス制度と比較した際の日本の制度の特徴の1つに、金融だけでなく全ての産業を対象としている点が挙げられますが、金融機能・サービスが個人のライフスタイルやさまざまな業界の事業活動に溶け込み、業界の垣根が取り払われようとしている中、この特徴は非常に重要な意味を持っていると思っています。

これから先、日本で実証を行ったさまざまなプロジェクトが、事業としてだけではなく規制の枠組みとしても、国際的な競争優位性を持ってグローバルに展開され、大きなインパクトにつながっていくことを期待しております。

一般社団法人Fintech協会 代表理事副会長
内閣府革新的事業活動評価委員会委員
鬼頭 武嗣氏

関連書籍のご紹介

レグテック・イノベーション 
ダイナミックに新たなるDX社会を創造する

EY Japan/日本経済新聞社SUM事務局著 
(日経BP 日本経済新聞出版本部、2021年6月)

「規制のサンドボックス制度」については、「レグテック・イノベーション ダイナミックに新たなるDX社会を創造する」においても触れています。

本書では、レグテック・エコシステムのリーダーの声も交えながら、レグテックの具体的な市場セグメントと国内外の市場規模を取り上げ、日本が大きく欧米に出遅れる背景を考察することで、そこから読み取れるビジネスオポチュニティを探っています。さらに広義に規制とテクノロジーに関係を紐解き、DX推進における、新たなレグテック・エコシステムの形成が何を社会にもたらしていくのか、当局はどのように動き出しているのか、官民連携含めイノベーションを実現する企業戦略について取り上げています。

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レグテック・イノベーション ダイナミックに新たなるDX社会を創造する

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