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適用対象企業と日本企業への影響
本DD指令は、従業員数や売上高などについて一定規模以上の企業に、人権および環境への悪影響に対するデューデリジェンス(Due Diligence/DD)の実施を義務付けるものです。企業のデューデリジェンス義務の対象となる人権と環境への悪影響は、企業およびその子会社の操業が発生させているものにとどまらず、企業の供給網などを含むバリューチェーン(Chain of Activities、以下「バリューチェーン」という) 上で発生する悪影響を含みます。また、本DD指令は、EU企業にとどまらず、EU域外の第三国に本社を置き、EU域内に子会社を置くなどして事業を展開する一定の第三国企業に対しても適用されることになっています(表1参照)。欧州委員会は、対象企業は、EU企業は約6,000社、非EU企業は約900社と推計しています。本DD指令上の義務に関し、EU企業・非EU企業の対象企業間で差異はありません。
例えば、連結ベースで、EU域内での年間純売上高4億5,000万ユーロ超となる企業グループの最終親会社に適用されるとされているため、当該要件を充足する企業グループの日本の最終親会社は、本DD指令上のDD義務を履行することが求められることになります。適用対象になる日本企業は、本DD指令の順守体制を構築することが必要ですが、本DD指令が直接適用されない場合でも、適用対象企業のバリューチェーンに含まれる日本企業は、自社の事業活動と関連する人権と環境への悪影響の適正管理を適用対象企業から求められる可能性があります。このように、本DD指令は、日本企業に大きな影響を与えることが見込まれます。