EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
要点
2015年12月のパリ協定採択から5年がたち、気候変動を巡る潮流がますます加速しています。この気候変動というアジェンダは社会のみならず、企業にも極めて重要な意味を持ちます。一歩かじ取りを誤れば、企業の競争力にも影響が出るでしょう。逆に自社をうまく適合させることができれば、企業価値が向上し、持続可能性にも寄与するものと考えられます。先ごろ開催されたオンラインセミナー「カーボンZERO気候変動経営~気候変動の潮流を踏まえた企業変革~」では、4名のエキスパートが登壇し、カーボンZEROに向けたトレンドと、今後求められる戦略や具体的な方策について解説しました。
Section 1
近年、脱炭素社会が一気に加速し、気候変動問題は企業の重要なアジェンダになっています。ポスト炭素経営によって、企業は難しい変革を迫られる一方で、この機会を新たなビジネスチャンスとして捉えることもできます。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
ストラテジック インパクト パートナー/EY Japan SDGsカーボンニュートラル支援オフィス メンバー
尾山 耕一
気候変動を巡る将来は不確実性が高く、企業にとっても判断が難しい問題です。まずセミナーの冒頭において、主催のEYストラテジー・アンド・コンサルティングの尾山耕一が、気候変動を巡る動向を俯瞰し、企業経営と各部門に求められる変革や、具体的に取るべきアクションについて説明しました。
2015年12月にCOP21でパリ協定が採択され、脱炭素化に向けた流れが一気に加速しました。わずか5年で、気候変動問題は企業にとって重要な経営アジェンダになり、その間に「TCFD最終報告」と「IPCC1.5℃特別報告書」が提出され、2050年のカーボンZEROに向け、平均気温を1.5℃まで下げる目標が国際的なコンセンサスとなりました。
2015年のパリ協定から現在までの流れ。気候変動は、パリ協定以降わずか5年あまりで重要な経営アジェンダになった
さらにビジネスに対する影響に関して、パリ協定採択前後から多くの国際的なイニシアチブが立ち上がり、CO2削減や気候変動対策を企業に強く求めています。その流れの中で、各国政府もカーボンZEROに関して具体的な目標を示しているところです。
代表的なイニシアチブとしては、気候関連財務情報開示タスクフォース・TCFDが有名です。2021年7月現在、協賛数は全世界で2330団体あり、日本では445団体と最多。このような企業の自発的な取り組みの裏で、世界各国でTCFDの義務化の兆しもあります。英国ではTCFDの情報開示が2021年から順次義務化されています。日本でもコーポレートガバナンスコードの改訂によってTCFDか、それに準ずる情報開示が求められているのです。企業の情報開示に加えて、社会がカーボンZEROに向かうには、産業の変革が必要です。
尾山は次のように説明しました。「エネルギー、運輸、製造業、建築物、農業、資源循環・CO2除去などのアプローチについて整理しました。各セクターで多くの方策がありますが、完全な脱炭素化が難しいなら、CO2を回収・蓄積するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)や、分離したCO2を再利用するCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)、循環型産業の創出も必要になるでしょう。また脱炭素に向けたライフスタイルや行動変容も求められます」
具体的な方策を社会全体で推進する中で、炭素排出が前提の時代から、ポスト炭素経営によって、経済成長と炭素を切り離して考える時代になりました。尾山はポスト炭素経営の実現に向けたポイントを挙げました。
脱炭素の潮流を乗り越える「ポスト炭素経営」。あるべきカーボンニュートラルの社会を実現するための押さえたい4つのポイント
さらに尾山は、カーボンZEROに向けた企業の取り組みの具体的な流れも示しました。「重要な点はトランスフォーメーションを推進することです。現在を把握し、中間・最終ゴールを定め、自社のビジョンに照らした目標がどう位置付けられるのかを明確にします。それらに基づいて戦略を立案し、実行できる体制整備や制度設計を行った上で、PDCAサイクルを回しながら、進捗について適宜分かりやすく情報を開示していきます」
実は、このような取り組みは、地球環境への貢献のみならず、新たなビジネス機会にもなります。この点について尾山は「例えば、排出したCO2を回収し再利用するCCSやCCUSを社会実装する際に、企業としてチャンスになるでしょう。またサプライチェーン全体でどのくらいCO2やエネルギーが出ているのか高精度に可視化するために『環境SCMブロックチェーン』と呼ぶプラットフォームの構想を練っています」と語ります。
環境SCMブロックチェーンプラットフォームで、サプライヤーから消費者までのCO2バリューチェーンを可視化し、高精度化を図る
また少し見方を変えて、2050年のカーボンZEROを見据え、今の新入社員が定年退職するまで企業存続を目指す「50年経営」の思想も浸透させる必要があります。尾山は「それが企業を盤石にするだけでなく、不安を抱えるステークホルダーへの答えにもなるでしょう。望ましい未来に向けて、各企業がビジョンを描き、自社の経営に反映する方策の1つが気候変動であるという認識が大切になります」と説明しました。
Section 2
TCFD最終提言が義務化の流れになりつつあり、科学ベースでネットゼロ目標を認定するSBTイニシアチブへのコミットが急増しています。真の豊かな社会基盤に向け、企業の貢献度が問われる時代になってきました
一般社団法人 CDP Worldwide-Japan シニアマネージャー 高瀬 香絵 氏
CDP Worldwide-Japanの高瀬香絵氏は「環境=コストの時代は終焉し、次なる時代で企業の生存・成長をかけた戦いが始まる」と語り、その新時代の基本原則として、科学・透明性・SDGsの重要性を説きました。
CDPは2000年に英国で発足し、グローバルな環境課題に関する開示とエンゲージメントの進展に努めてきました。同法人は、投資家・企業・国家・地域・都市が自ら環境の影響を管理するグローバルな情報開示システムを運営しています。気候変動の仕事に長年携わる高瀬氏は、CDPの活動を通じ、科学・透明性・SDGsという3つの基本原則について説明しました。
まず科学という点で、同氏は「恣意的な目標や計画でなく、科学に基づいた合理的な説明ができるかを自問自答し、企業が意思決定することが重要です」と強調しました。
産業革命前より気温上昇を2℃未満に抑えるというパリ協定の後、IPCC1.5℃特別報告書が提出され、科学ベースとして2℃の場合よりも1.5℃に抑えた方が、海面上昇が10センチほど少なくなり、リスクにさらされる人は最大1000万人も減るなど、さまざまな影響の差があることが示されました。
1.5℃という努力目標は難しくても実現可能であり、そのためのトランジション(移行)が重要で、莫大な投資が鍵となります。裏を返せば大きなビジネスチャンスともいえるでしょう。
CDPは他組織と共に、企業目標が科学ベースなのかを審査・認定するSBT(Science Based Targets)イニシアチブを立ち上げました。現在1640社がコミットし、そのうちSBTの中間目標が認定された企業は813社あります(日本企業は121社)。
さらにGHG排出量を差し引きゼロとするネットゼロ目標についても、SBTイニシアチブによる認定の条件がCOP26で発表されます。ここでは、前出のようにCO2削減を1.5℃の軌道に沿って行い、間のSBT中間目標を設定し、ネットゼロ時点では残ってしまったGHG排出量を中和(吸収)するというところまで含まれています。
高瀬氏は「他企業が減らした(バリューチェーン外の)CO2をクレジットとして購入することは良いことでも、削減としては認められません」と注意も促しました。
2つ目に透明性を高める基本原則も重要になります。規制の代わりに衆人評価を新規範とし、前出のTCFD最終提言が義務化の流れになりつつあります。TCFDは金融機関に対して投融資先企業のCO2排出量の開示も求めています。CDPもTCFDに準拠したデータを集め、今年は1万社以上から回答を得ているとのことです。
3つ目のSDGsのグランドルールは、科学的合理性に基づき、誰も取り残さない幸せの基盤を構築すること。ネットゼロを何が何でも達成すればいいというわけではありません。地域の景観や土砂災害リスク、人権、生態系などを考慮し、他のSDGsを棄損しないことも問われています。SBTでも「SBTs for Nature」として、科学ベースの目標設定を自然全体に拡大し、淡水・海洋・陸域・生物多様性など、多くの企業が基準策定に参加しているのです。自然に根ざす解決策のNbS(Nature-based Solutions)も注目されています。
このような観点から高瀬氏は「真の豊かな社会基盤に向け、企業がどれだけ本業で貢献できるのか問われる時代になっています」と力説し、CDPを通じたグローバルな取り組みへの参加を要請しました。
Section 3
気候変動の解決に向けて、ESG投資も活発になってきました。サステナブルボンド市場が急拡大する中で、まだ日本企業への投資は少ないため、積極的に情報を開示し、資金調達がしやすい状況をつくる必要があります。
BNPパリバ証券
グローバルマーケット統括本部 副会長 チーフ クレジットストラテジスト/チーフ ESGストラテジスト
中空 麻奈 氏
ここ数年、ESG(Environment Social Governance)投資が活発になってきました。そのような中で、BNPパリバ証券の中空麻奈氏は、金融側のスタンスから投資家が企業に期待するサステナブル経営や、情報開示についての状況などを浮き彫りにしました。
2020年は象徴的な年でした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によるコロナ債の影響もあり、社会的課題解決の資金調達で発行されるソーシャルボンドが増えたからです。
「ただ今後はソーシャルボンドだけでなく、COP26に向けたグリーンボンドやサステブナルボンド、トランジションボンドなども増えていくでしょう。欧州市場を中心に、ボンド市場のほかローン市場も広がり、長期から短期まで多くの商品設計でサステブナルファイナンスが成り立っています」と中空氏は説明します。
このような急速な流れによって、ますますESG投資の動きも活発になっています。とはいえ、投資家がESG投資にフルスロットルを踏めなかったのは、ESGやSDGsが理念として崇高過ぎて、利益には結び付きそうにないと感じていたから、という理由があります。
しかし利益を前提とする前に、世の中の動きに合わせて生き残りをかけてESG経営をする必要が出てきています。実際に株式ファンドへの資金流入も急増中で、それなりにリターンが確保できることも分かってきました。一方、債券市場についてはリターンが出てはいない状況で、一部利益が出るものも登場してきている、といったところです。こうした投資が進むことになれば、サステナブル投資の開示規制もさらに重要になるでしょう。
中空氏は「欧州ではSFDR(Sustainable Finance Disclosure Regulation)によって、投資家がESGアセットを売る際に、完全にそう分類できるものしかESGラベルを貼ることができない、という厳しい規制を受けることになります。そのため、企業に対しても情報開示を求めることになるのです」と説明しました。
今後もSFDRのタイムラインでは、より厳しい企業への開示規制が入る予定です。さらに国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)、欧州中央銀行(ECB)、日銀、司法、株主などから、さまざまなプレッシャーを受ける状況にもあります。
では今後、どのくらいサステナブル投資が必要になるのでしょうか。まだ明確ではありませんが、パリ協定の目標を達成するには、次の10年に1.75~2.9兆ユーロ(230~280兆円)の投資が必要だといわれています。2020年時点でのサステナブルファイナンス世界市場は4940億ドル(約53.8兆円)ですが、まだ日本は2.3兆円にすぎません。
中空氏は「もっと日本企業は情報を開示していただきたいです。サステナブル投資を行いながら、資金調達できる状況になるように、みなさまと一丸となって取り組んでいきたいです」とアピールしました。
Section 4
企業価値の向上を図る手段として、再生エネルギーの直接購入が拡大する中で、顔が見える生産者とつながることで経済圏を構築していこうとする「みんなの電力」のような新しいモデルが注目されています。
みんな電力 専務取締役事業本部長 三宅 成也 氏
企業やサプライチェーンの脱炭素の実現には、再生可能エネルギーの導入が重要なアクションとなります。RE100への参加企業も増加する中、みんな電力の三宅成也氏は、日本の再生可能エネルギー事情や、その導入の在り方と方策について紹介しました。
近年、CO2排出削減の手段としてエネルギーの脱炭素化が注目され、サステナブル経営は企業にとって必須課題になっています。再生エネルギー(以下、再エネ)の選択は単なるCO2削減でなく、企業価値の向上を図るための手段としてコミットされる認識です。
三宅氏は「再エネ導入が増える理由の1つは、前セッションのCDP、SBT、RE100といったグローバルな脱炭素イニシアチブが形成され、関心が高まっているからです。また再エネによって、ステークホルダーに対して評価を得られ、株主や顧客や社員などへの良イメージにもつながります」と説明します。
実際に2018年から一歩進んだRE100の取り組みをしている丸井グループでは、ステークホルダーやCDP気候変動でも最高評価を獲得し、株価も高くなったそうです。では、企業価値を高める再エネをどのように選べばよいのでしょうか。その選択肢には3つのアプローチがあります。実質再エネやCO2排出クレジットで削減量を購入する方法、電源を再エネに切り替える方法、自家消費など再エネ電源に投資したり、コーポレートPPA(Power Purchase Agreement)を取り入れる方法が挙げられます。
三宅氏は「コーポレートPPAは、欧州や北米で伸びている再エネ調達手法です。発電プロジェクトに企業が直接契約し、再エネを一定期間にわたり直接購入することでファイナンスされる仕組みです。企業にとって経済的にリスクヘッジにもなり、これから日本ではやりそうです」と期待を寄せます。
世界ではFIT(Feed-in Tariff)に頼らない再エネ電気の直接購入が拡大していますが、三宅氏が所属するみんな電力では日本で唯一、生産者の「顔が見える」電力小売りサービスを提供中とのことです。同氏は「サステナブル経営を進める企業を中心に需要が拡大しており、単なる再エネ電力調達でなく、生産者とつながることで顔が見える経済圏を構築していこうとしています」と自社モデルについて説明しました。
同社では、ブロックチェーン技術によって、電源を特定して電力購入ができるトラッキングシステムを開発しています。需要家ごとに希望の電源からどれだけ供給されたかを30分単位で可視化し、発電量と需要量をマッチングさせます。これにより電気の個別取引化を実現し、「CDP認定再エネプロバイダー」にも認定(国内3社のみ)されているそうです。
Section 5
気候変動の課題解決は世代を超えた責務であり、世界的なトレンドになっています。投資家からの注目も集まる中で、現状を認識しながら、経営トップが自ら意識を変えて、コストを価値に変える判断が求められています。
主催のEYストラテジー・アンド・コンサルティング 尾山が司会を務め、昨今の気候変動や、企業に立ちはだかるハードルと課題、社会や政府に対する期待、気候変動問題を解決するために企業がなすべきことなどについて、活発な議論が交わされました。
まず尾山は、昨今の気候変動の潮流をどのように捉えているのか、各パネリストに尋ねました。CDPの高瀬氏は「気候変動に向き合わないのは地球を壊すのと同じ。ただしCO2を排出するから悪ではなく、いかに将来を考えているかという点が問われています。気候変動はコストでなく、チャンスという捉え方にして、まずSBTの旗を立てて、社内を活性化させましょう」と所感を述べました。
BNPパリバ証券の中空氏は「もはや気候変動の潮流は後戻りできず、拡大の一途をたどると確信しています。ただ海外と日本の認識の違いは明らかです。ビジネスに乗るかどうかという話でなく、欧米では理念で整理し、その方向での押し出しをしています。いずれ日本企業もキャッチアップせざるを得ないでしょう」と語りました。
みんなの電力の三宅氏は「若い世代では地球環境を壊して未来はどうなる、という心配があります。企業が生き残るには、彼らの支持が必要なので、サステナブル経営を中心に据えるのは当然でしょう。気候変動の解決は世代間を超えた責務です」と力説しました。
2つ目のテーマは「今、企業が直面する課題とハードル」です。高瀬氏は「トップの意識によって(問題解決の)スピード感も変わります。海外に工場があるグローバル企業は意識も高いようです。日本では再エネが少ないという課題もあります」と指摘しました。
続いて中空氏は「企業の情報開示が課題です。たとえ開示のガイドや基準があっても、共通のひな形がないため、情報から企業価値を読み解くことが難しいです」と、アナリスト視点での課題を挙げました。
一方、三宅氏は「再エネのようにコストをかけなければ脱炭素化が難しいと、社内への説明も難しくなります。経営者がコストを価値に変える判断ができるかどうかで状況も変わります。ステークホルダーに対する価値も企業に有利に働くでしょう。ただ本業でCO2を出す産業は、ビジネスモデル変革に悩む経営者も多いと思います」という認識を示しました。
3つ目のテーマは「気候変動に対して、社会や政府に対して期待すること」。高瀬氏は「NGOの力も取り入れながら、情報開示の義務化や方針を示せればと思います。またカーボン・プライシングがないと、再エネもコストが高い状態で、企業がボランタリーでやることになります。国としてしっかり施策を検討していただければ」と要望しました。
中空氏は「サステナブルファイナンス市場はレッセフェールで放置したとした場合、国が適宜規制を入れる必要があるでしょう。アセットマネジメント会社の保有資産の半分をESGにするという国もあるが、その場合投資家からの需要も伸びています。ただ市場は規制を潔しとしないので、市場が成長したら規制を外すなど、柔軟性を持っていただきたい」と政府に対応を求めました。
三宅氏も「行動する人がコストを負担するのではなく、ベネフィットが得られる状態にすることが重要です。場合によってはCO2を排出するところに税をかけることも必要でしょう。ただ既存事業にマイナスインパクトを与えるので、政府がしっかりリードして方向性を示していただきたいです」と要望しました。
最後に尾山は「気候変動の問題を乗り越えるために、企業に対してアドバイスをお願いします」とゲストスピーカーに投げかけました。高瀬氏は「気候変動の問題は、自分事として考えるべきこと。しかし1人では解決できません。みなさんと一緒に乗り越えていくことが大切です」と助言しました。
中空氏は「まず気候変動対応の流れについて知る必要があります。世界の動きを知って初めて戦略も立てられます。やるべきことにギャップがあっても抱え込まず、政府にも働きかけましょう」と現状認識の重要性を説きました。
三宅氏は「われわれのお客さまはサステナブル経営を目指していますが、社員が元気な企業ばかり。気候変動の問題は、最終的に個人の生き方によるため、社内で真剣に話し合うことが必要です。それにより企業が活力になり、新サービスにつながると思います。義務やコストという話とは別軸で考えると、企業がトランスフォーメーションに向かう契機にもなるでしょう」とまとめました。
本セミナーでは、カーボンニュートラルに向けた企業経営のトレンドを概観しました。気候変動の解決に向けて投資も活発になる中で、新たなビジネスの萌芽を見極めながら、ポスト炭素経営を軸としたサステナブルな変革が求められています。そのために生き残りをかけた戦略上の意思決定を下す必要があるでしょう。
EYの最新の見解
2015年のパリ協定採択以降、気候変動というアジェンダは、社会貢献の枠を超え、企業経営にも極めて重要な意味を持つようになっています。かじ取りを誤れば、事業の競争力がそがれ、企業の存続が危ぶまれるリスクとなる一方、適切に自社を適合できれば、企業価値の向上と持続可能性の実現に寄与する機会にもなり得ます。