EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
減損、債務の分類、継続企業の前提 —— インフレと⾼⾦利、不安定な商品市場、変動する外国為替レート、その他のマクロ経済要因が、多くの国で景気後退を引き起こしています。その結果、資産の減損がより頻繁に⽣じることになるでしょう。IFRSに基づく⼀般的な減損モデルとは別に、⾦融商品、棚卸資産、関連会社や合弁事業への投資などの⼀部の資産は、減損損失の特定の認識および測定要件の対象となります。また不利な契約に関連する追加負債の認識が必要となる可能性もあります。
景気低迷の影響は⻑期借⼊金の財務制限条項に対する企業の順守を左右する場合があるため、負債の流動・⾮流動の評価にも影響する可能性があります。企業が期末⽇または期末⽇前に財務制限条項に抵触し、負債が要求払債務となった場合は、期末⽇前に返済猶予を受けて抵触を効果的に是正し、期末⽇から12カ⽉以内に返済する必要がないように対処しない限り、当該負債は流動負債と分類されます。
現在の経済状況は企業の財政状態と業績に重⼤な悪影響を及ぼす可能性があることから、継続企業の前提の妥当性にも影響しかねません。継続企業の前提が使⽤されていない場合、あるいは経営管理者が評価に際して、継続企業としての存続能⼒に重⼤な疑義を⽣じさせるような事象または状況に関する重要性がある不確実性を認識していた場合には、開⽰が求められます。また、重要性がある不確実性の有無の評価に重⼤な判断が⽤いられた場合にも、開⽰が必要となります。
気候変動事項への配慮 —— 近年、環境負荷の低減に向けた明確な取り組みの情報提供を、企業に促す圧⼒がますます⾼まっています。こうした開⽰は年次報告書内で⾏われることが多く、投資家、規制当局、その他の利害関係者の⼤きな注⽬を集める傾向にあります。
気候関連の開⽰はIFRSの必須事項ではないとの考えは、企業が避けなければならない落とし⽳です。IFRSは現在のところ、気候関連事項に関する個別の明確な基準を定めていませんが、気候関連リスクやその他の類似の不確実性は、多くの会計分野に影響を与える可能性があります。またIFRSは企業に、気候変動に関連する可能性がある重要な仮定、⾒積り、判断の開⽰も求めています。