ニュースリリース

2022年12月20日 東京, JP

EY調査、アカデミアとの共同研究によって、早期に成果を出せるマネージャーの条件を特定

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡)は、世界で約13,000人超の組織・人材領域専門家を有するEYピープル・アドバイザリー・サービスが立教大学 田中 聡 助教と共同で実施した「管理職のマネジメントに関する調査」の結果を発表します。

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鍵は「何をするか」よりも「いつするか」

  • EYは、立教大学経営学部  田中 聡 助教との共同研究により、異動や転職といったトランジションに際して困難な課題に直面したマネージャーが早期に成果を上げるための主要ドライバーを新たに特定した
  • マネージャーが成果を上げるには、マネジメント行動の内容それ自体よりも、着任前か着任後かなど、どのタイミングで行動するかが重要である
  • タイムリーなマネジメント行動を実践できるリーダーシップ開発、成果を後押しするインクルーシブな組織(連帯感があり組織間連携なされている組織)カルチャーへの変革が、企業の持続的成長の梃子(てこ)となる


EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡、以下EYSC)は、世界で約13,000人超の組織・人材領域専門家を有するEYピープル・アドバイザリー・サービスが立教大学 田中 聡 助教と共同で実施した「管理職のマネジメントに関する調査」の結果を発表します。

本調査は、日本の企業9社の管理職層16名に対するインタビュー(実施期間:2021年9月29日~21年10月27日)と日本の企業・NPOなどに所属する1,040名の管理職層に対するインターネットでのアンケート(実施期間:2022年3月9日~22年3月11日)を通じ、個々のマネジメント行動や所属組織の環境・支援と当該管理職の成果との関係を明らかにするために実施されました。

回答結果を定量・定性的に分析し、トランジションに際して困難な課題に直面したマネージャーが成果を上げるための行動・組織面の主要ドライバーを新たに特定しました。また、主要ドライバー一つ一つが成果に寄与するだけでなく、着任前後といったタイミングに応じて実施することで、より効果的に成果を上げられることが明らかになりました。加えて、マネージャーが短期的な成果にとどまらず、中長期的に成果を上げ続け、組織の持続的成長を実現するには、メンバーの育成を通じて組織力を強化することにより、マネージャー自身のキャリア充実を図ることが重要であることが示唆されました。
 

トランジションに際して困難な課題に直面したマネージャーが成果を上げるための主要ドライバー
  • 成果を上げているマネージャーに共通したマネジメント行動
  1. スタート前ダッシュ:着任前に組織のビジョンを描き、将来の上司から合意を得る
  2. 臨機不変:周囲の意見を聞きすぎず、たとえ反対されても自らの方針を曲げない姿勢を貫く
  3. 人知れる努力:着任直後は、マネジメント業務以外の現場業務も積極的に引き受け、周囲からの信頼を獲得する
     
  • 成果を上げている組織カルチャー
  1. 連帯感のある組織:仲間意識が強く、方向性が決まればトップスピードでものごとが進む
  2. 周到な準備を重んじる組織:アジャイルに進めるよりも、周到に準備し、組織間で連携しながら進めていく
  3. 情報の透明性:情報の透明性が十分に担保され、個々のメンバーが自ら意思決定できる


詳細は以下をご参照ください
早期に成果を出せるマネージャーの条件~着任後ではもう遅い? 鍵は「何をするか」よりも「いつするか」~
 

世界情勢が一層不透明感を増し、デジタルトランスフォーメーションの加速的な進行や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより、マーケットや人々の価値観、働き方が急激に変化している状況下で、企業が持続的に成長していくには、内外の環境変化に絶えず適応していく必要があります。とりわけ、企業においてビジネスの中核を担い、組織をけん引する存在であるマネージャーが、従来のマネジメントに対する思考・行動様式のままでは、この変化の荒波を乗り切るのは困難です。今回の調査では、渦中のマネージャーが成果を創出するには、最も効果的なタイミングでマネジメント行動を発揮することが重要であると解明されました。一方で、マネージャーの多くは、成果を上げながらもキャリアの充実感を感じておらず、燃え尽き症候群に陥り、企業の持続的成長を損ないかねない懸念が浮き彫りになりました。マネージャーが短期的に成果を上げることにとどまらず、キャリアに対する充実感を持ち、持続的に活躍できるようにするための要素について検証したところ、メンバーをおもんばかる姿勢やアプローチがマネージャー自身のキャリア充実を向上させることが明らかになり、マネージャー自身の行動のみならず、メンバーを巻き込んだ上でのチームとしての行動が有効であることが確認できました。
 

EYとの共同調査をリードした立教大学経営学部 田中 聡 助教のコメント:

本研究の最大の眼目は「When」(いつやるか?)の観点からマネージャーの行動を科学した点です。従来のマネジメント研究では、どのようなマネジメント行動が有効かという「What」(何をやるか?)に関する議論が中心でした。しかし、実際の現場では、いくら有効なマネジメント行動を実践しても成果を実感できないという問題にしばしば悩まされます。そこに必要なのは「何をやるか?」ではなく「いつやるか?」の視点です。そこで今回、定性・定量調査を実施し、早期に成果を出す優れたマネージャーが「いつ、どのようなマネジメント行動を実践しているのか?」を明らかにしました。今回の結果は、マネージャーの皆さまはもちろんその活躍を支える経営層や人事関係者にとっても有用な内容ですので、どうぞ結果をお楽しみください。
 

EYピープル・アドバイザリー・サービス ディレクター 桑原 由紀子のコメント:

常に変化する状況下でも、早期に成果を上げるマネージャーの要件(コンピテンシー)を明らかにし、そういったマネージャーを数多く輩出することは、企業内の戦略的な異動を促進し組織力を高めるだけでなく、産業を超えての人材流動性を高めることにも寄与します。また、マネージャーの成果創出行動を後押しする組織カルチャーのキーワードが「連帯感」「組織間連携」であることは、組織のインクルーシブネス(相互尊重の環境づくり)の重要性を裏付けました。EYは今回の調査により導出されたコンピテンシー開発およびインクルーシブネス推進のコンサルティングを通じ、社会全体の適材適所の実現を支援していきます。

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