EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
・2018年のライフサイエンス企業によるM&A取引は、2014-2016年の平均から約900億米ドル減少
・疾患領域特化型ビジネス確立のためのボルトオン型買収と事業再編・売却が最優先事項
・デジタル戦略上の提携も引き続きライフサイエンス企業にとっての優先事項
EYは、1月6日に最新のEY M&A Firepower レポートを発表しました。本レポートによると、ライフサイエンス企業が、優位性のある疾患領域での規模拡大とポートフォリオ最適化に注力する中、ライフサイエンス企業による2018年のM&Aの総額は1,980億米ドルでした。さらに、投資リターンは不確実で、テクノロジーも急速に変化していることから、ライフサイエンス企業は2019年、M&Aよりもデジタル提携を優先して進めていく可能性があると予測しています。
また、2018年のライフサイエンス企業のM&A活動は、買収価格が高騰したというマーケット事情により、大型合併を避けたボルトオン型買収(既存事業の補完的買収)および事業再編・売却が主流であったことを伝えています。
ライフサイエンス企業は、より知識が豊富になってきたヘルスケアの顧客を満足させる新たなイノベーションの開発に取り組んでいます。そうした中で、優位性のある疾患領域に特化したビジネスモデルの創出、ディスラプティブをもたらしデータを活用するケイパビリティの獲得、という二つの局面からM&Aに向けた検討を加速させていく必要があります。デジタルに精通した新規参入企業が広範囲にヘルスケアエコシステムやライフサイエンス企業のビジネスモデルにディスラプションをもたらす状況下で、そのようなデジタルケイパビリティの獲得はさらに重要になると見られています。
EY Global Health Sciences and Wellness Industryリーダーであるパメラ・スペンスは次のように述べています。
「新たな規制・税制環境がディール活動を加速させると期待されていたにも関わらず、2018年M&A活動が低調に終わったことは、予想外でした。しかし、ライフサイエンス企業が、変貌する情勢についていくためには、M&Aを利用して新しいケイパビリティを獲得することが不可欠です。デジタルテクノロジーが当たり前となっている現状において、優位性のある疾患領域に舵を切った企業やディスラプティブテクノロジーへの投資をすでに行っている企業は、成長を加速するための有利な位置につくことができるでしょう。」
EY Firepower Index(Firepower指標)は、企業のバランスシートと株式時価総額を指標とした財務体質の強さに基づいて、バイオ医薬品企業がM&Aを実行できる資金調達能力を測定したものです。企業のFirepowerは、その企業の株式時価総額、もしくは現金および現金同等物が増加した場合、または負債が減少した場合に、高くなります。EY Firepower Indexは今年で7年目を迎えます。
本レポートでの主要な調査結果は以下の通りです。
本レポートでは、次のような業界の重要トレンドが、2019年およびそれ以降、M&Aを加速させる可能性があると予測しています。
EY Global Life Sciences Transactions Leaderのピーター・ベーナーは次のように述べています。
「2019年、ライフサイエンス企業は、重点疾患領域で引き続き規模拡大を目指す必要があります。そのためには、特化したM&Aや提携を活用するだけでなく、ヘルスケアのステークホルダーおよび新規参入のデジタル企業と提携してデータを収集し、それを活用して患者のアウトカムを向上させることが大切です。圧倒的な優位性を確立している疾患領域において、M&Aを活用してエンドツーエンドのケイパビリティを確立した企業こそ、最も大きな成功を収めるライフサイエンス企業となるでしょう。」
※本プレスリリースは、2019年1月6日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版プレスリリース(pdf: 66kb)
EYについて
EYは、アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバイザリーなどの分野における世界的なリーダーです。私たちの深い洞察と高品質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動に信頼をもたらします。私たちはさまざまなステークホルダーの期待に応えるチームを率いるリーダーを生み出していきます。そうすることで、構成員、クライアント、そして地域社会のために、より良い社会の構築に貢献します。
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバル・ネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。詳しくは、ey.comをご覧ください。
本ニュースリリースは、EYのグローバル組織のメンバーファームであるアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド(EYGM)によって発行されています。EYGMは顧客サービスを提供していません。
EY Firepower指数について
EY Firepower指数は、企業がトランザクションを実行するための資金調達能力を、貸借対照表の健全性に基づいて測定します。Firepower指数が考慮する4つの主要データは、1)現金および現金同等物、2)既存債務、3)債務負担能力(貸付限度額を含む)、4)時価総額です。Firepowerモデルの前提として1)買収企業の現在の時価総額の50%を上回る企業は買収のターゲットとしない、2)結合後の企業の負債資本率は30%を超えないという2点が設定されています。一部の医薬品企業ではこの上限を超えた買収も行なわれていますが、Firepower指数は一つの水準に基づいた手法を適用して、数値の相対的な変動を測定することを目的としています。また、Firepower指数は現金もしくは借入を資金源としたM&Aの実行能力を測定するためのものであり、株式交換による取引能力の測定は行いません。ただし、Firepower指数の公式上、株価の上昇は数値の上昇につながります。これは株式価値の上昇によって資金調達の際の借入能力が高まるためです。本報告書では、医薬品企業を企業規模、地理的範囲、製品ラインアップに基づいて、大手製薬会社(ビッグファーマ)、スペシャルティファーマ/ジェネリック医薬品企業および大手バイオテクノロジー企業(ビッグバイオテック)に分類しています。
EYのグローバル・ライフサイエンス・セクターが提供するサービスについて
人口の高齢化や慢性疾患がますます身近になるにつれ、GDPに占めるヘルスケアの割合はさらに増えていくでしょう。科学の進歩、AI(人工知能)、患者の持つ力が医療提供にますます変化をもたらし、健康上の成果が重要な測定基準だとする、パーソナライズされた経験へと変わりつつあります。これは、従来のステークホルダーの間にパワーシフトを引き起こし、新規参入者(利益追求だけを目的としていない場合が多い)が、多くの業界の既存企業に混乱をもたらしています。 イノベーション、生産性、患者へのアクセスは依然として業界最大の課題となっています。こうしたトレンドは、R&Dや製品供給から、製品発売や患者中心のビジネスモデルに至る、ライフサイエンスのバリューチェーンのあらゆる段階で、資本戦略に大きな影響を与えています。私たちのグローバル・ライフサイエンス・セクターは、セクターに特化した15,000人のプロフェッショナルによる世界規模のネットワークを結集し、トレンド予測や影響の特定、クライアントの競争力創造をサポートしています。私たちは、健康上の成果をベースにした新しい生態系の中で、医療機器企業の皆さまがビジネスを舵取りし、持続的成功を達成するようサポートいたします。
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