ニュースリリース
2025年11月19日  | 東京, Japan

EYストラテジー・アンド・コンサルティング、移住・二拠点調査から地域との関係性構築に向けた考察を発表

プレス窓口

  • 二拠点居住への関心は3割、最も高い傾向にあるのは若年層
  • 観光体験が定住意向につながる、住民票移転の可能性は5割弱
  • 移住、二拠点居住政策の実現に向けてはツーリズム政策としての一貫性が重要

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡、以下 EYSC)は、移住、二拠点居住促進に関する調査レポート「地域との関係性を深めるにはどうしたらよいのか?~移住、二拠点居住促進に向けた考え方」を発表しました。

本レポートは、全国47都道府県の18~69歳、約1万人を対象に実施したウェブアンケート結果をもとに、観光をきっかけとした人の流れが、地域との継続的な関わりや定住につながる可能性を分析し、地域政策の再構築に向けた視点を提示するものです。観光などを通じて地域を訪れる「交流人口」、地域活動や仕事などを通じて継続的に関わる「関係人口」、そして最終的に「二拠点居住」や「移住」といった定住に至るプロセスを分析しています。

本分析を担当したEYSC ストラテジック インパクト パートナー 平林 知高のコメント:
「人口減少が続く地方においては、減少速度を緩め、経済を維持していくために、移住や二拠点居住の促進も進められています。しかしながらこうした施策は、自治体等の各部署がバラバラに進められていることが多くなっているのが現状です。今回の1万人へのアンケート調査を通じて、移住や二拠点居住も交流人口、関係人口の文脈、つまりツーリズムの文脈で一気通貫に考えていかない限り政策の効果は限定的ということが明らかになりました。入口からその出口まで、いかにツーリズムの文脈で考えるかが、成功のカギといえます」

レポートの全文は下記からダウンロードください。
地域との関係性を深めるにはどうしたらよいのか?~移住、二拠点居住促進に向けた考え方【PDFレポート】

レポートの抜粋 ※レポートから一部図表を抜粋して掲載しているため、図表番号は連番ではありません。

二拠点居住への関心は3割、若年層が最も高い傾向

調査では、主たる居住地以外に生活拠点を持つ「二拠点居住」について、既に実施・経験者が8.7%、関心層が25.8%と、全体の約3割が関心を示す結果となりました。特に18~29歳の若年層は、過去の実施経験も含めて最も高い関心を示しており、ライフスタイルの変化が地域との新たな関係性を生み出す可能性を示唆しています。

Q4.主たる居住場所以外に生活拠点を構え、複数拠点で生活することに関心がありますか?
Q4.主たる居住場所以外に生活拠点を構え、複数拠点で生活することに関心がありますか?

観光体験が定住意向につながる

移住・二拠点居住先の選定理由として、「旅行先でとてもよかった場所」が最も多く挙げられました。観光体験が地域への愛着形成に寄与し、定住意向へとつながる傾向が見られ、観光政策と定住促進施策の連携が求められます。実際に、二拠点居住・移住の候補地として「何度も訪問した場所」「行ったことがないが興味のある場所」も一定数挙げられており、観光の質と頻度が地域との関係性を左右することが示されています。

Q5.二拠点・他拠点生活を検討する際、どのような場所を想定しますか?(1位回答)

住民票移転の可能性は5割弱、地域経済への波及も

二拠点居住関心層のうち、約5割弱が住民票を移す可能性があると回答。住民票の移転は納税の観点から地域収入の増加につながり、定住と同様の経済的な波及が見込まれる可能性があります。特に若年層ほど移転意向が高く、地域の魅力や利便性が比較優位に働けば、主たる居住地の変更も視野に入ることが示唆されています。

Q8SQ.複数拠点で生活するとなった場合、住民票を自宅以外の拠点へ移しますか?

働き方の柔軟性が交流人口拡大のカギ

旅先でリモートワークができる人は1割程度にとどまり、特に40~59歳の管理職層ではその割合が低い傾向が見られました。企業の理解や環境整備が進むことで、働き方の柔軟性が高まり、観光をきっかけとした地域との関わりが深まる可能性があります。Wi-Fi環境やコワーキングスペースの充実に加え、地域での「場づくり」が求められます。

デジタルノマド誘致に向けた制度設計の課題

世界には約3,500万人のデジタルノマドが存在し、年間支出額は約118兆円に上るとされています。日本でもビザ制度は存在するものの、利用は限定的であり、制度的な魅力や地域での受け入れ体制の整備が求められています。地域資源や人とのつながりを重視する傾向が強く、単なるコワーキングスペース等の施設整備ではなく、コミュニティ形成を支える人材の存在がカギとなります。

移住、二拠点居住政策の実現に向けてはツーリズム政策としての一貫性が重要

移住・二拠点居住に至る過程は、観光としての訪問先や頻度の高い訪問先が多い状況であったことを踏まえ、移住や二拠点居住をそれぞれバラバラに考えるのではなく、ツーリズム政策として一気通貫に考え、政策検討、施策を実行していく必要性があります。

地域との関係性を深める考え方


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