ニュースリリース
2025年12月16日  | 東京, Japan

EY調査、企業のエネルギー需要の急増は、新たな課題と大きなチャンスをエネルギー事業者にもたらす

プレス窓口

  • 70%以上の企業が電化、CO2排出量、エネルギーコストへの対応を今後3年間で強化する意向を示す
  • 66%の企業が成長に必要なエネルギーの安定供給の確保に懸念を表明
  • 64%の企業がエネルギーコストの高騰と不安定化が収益性と競争力に影響を及ぼしていると回答

EYが実施した最新の調査によると、世界的に企業のエネルギー需要が急増し、エネルギー事業者はどのように需要家の経済的成長を支えていくかという、価値提供の在り方を見直す局面を迎えています。企業の3分の2が成長に必要な安定的なエネルギーの調達に不安を感じ、64%がエネルギーコストの高騰と不安定化が収益性と競争力に対して、すでに影響を及ぼしていると回答しました。エネルギーが単なるコストではなく、成長に不可欠な要素と位置づけられるようになっており、こうした不確実性が業界を問わず、あらゆる企業にとって大きな経営課題となっています。

本調査は、「EY Navigating the Energy Transition」という調査プログラムの一環で実施されたもので、今年は世界8か国の中堅・大企業の意思決定者2,400名以上を対象に行われました。調査によると、2050年までに世界の電力需要は倍増し、その4分の3を企業需要が占めると予測される中、事業者には企業需要家向けのエネルギー供給構造を再構築することが急務であることが浮き彫りとなりました。

EY グローバルインダストリアル&エネルギー カスタマーエクスペリエンス トランスフォーメーション リーダーのGreg Guthridgeは次のように述べています。
「単に電力を供給し続ければいいという話ではありません。拡大する企業のエネルギー需要に的確に対応することが、エネルギーの繁栄を後押しし、将来のインテリジェントな社会を支える原動力となるのです。」

企業が望むのは成長とグリーン化の両立– 二者択一ではない

今回の調査の結果から、企業の70%強が今後3年間で電化とCO2排出量の削減、エネルギーコストの管理に注力する計画を示しています。その一方で、従来型の技術や汎用的なデジタルツール、縦割り的な業務運営、産業・業務セクター特有の専門知識の不足が原因で、需要家はエネルギー事業者に対して不満を抱き、代わりとなるエネルギーの調達方法を模索しています。
持続可能なエネルギーの供給を求める圧力も強まってきました。企業の70%がエネルギーの自給自足と制御・管理の強化を目的に、オンサイト発電や蓄電システムへの投資を計画しています。一方、サステナビリティは依然として優先課題ですが、企業の発展を犠牲にすることはありません。成長とグリーン化を両立できる、自社のニーズに合うようにカスタマイズされたソリューションを求めており、現在利用しているエネルギー事業者からそれが実現できない場合は、他の事業者を探すか、自社で対応しようと考えています。

EY グローバル 電力・ユーティリティ リーダーのSerge Colleは次のように指摘します。
「エネルギーはもはや単なるコモディティではなく、戦略的な資産であり、産業競争力の源泉となっています。専門性・洞察力・協働の最適な組み合わせを提供できる事業者こそ、企業の長期的な価値創造を支えられる存在となります。」

エネルギー戦略は企業の経営戦略へ

71%の企業が独自のエネルギー戦略を策定しています。多くの需要家はエネルギーの専門知識を強く求めており、その獲得に向けて、自社構築や買収、提携など、あらゆる手段を積極的に検討しています。一方で、42%の企業が、エネルギー事業者には単にエネルギーを供給するだけでなく、クリーンなエネルギーソリューションの理解と導入を促進する「エネルギー転換の推進者」としての役割を果たすことを望んでいると回答しました。一方で、その他のより高度な役割をエネルギー事業者が担うことに前向きな企業は3分の1にとどまり、需要家とエネルギー事業者の間に大きなギャップがあることが伺えます。
エネルギー需要が高まり、需要家からのニーズが変化するなか、企業が発するメッセージは明確です。
「エネルギー事業者はエネルギー供給構造の変革に迅速に取り組むことが求められています」
その1つが、よりインテリジェントで、個々のニーズに合わせたソリューション提供です。特にAIを始めとするデジタルツールの活用については、71%の企業がエネルギーマネジメントを担う自社システムへの統合を望んでいます。

Guthridgeは次のように述べています。
「リスクは大きいものの、大きなチャンスでもあります。今すぐ行動を起こし、需要家と新たな形で向き合い、エネルギー・エコシステムにおける自らの役割を見直すことができるエネルギー事業者こそ、需要家の成長を後押しするだけでなく、持続可能かつ繁栄していくエネルギーの未来を共に築いていくことができるでしょう。」
EYのレポートでは、エネルギー需要の急増を長期的な繁栄につなげるために必要な6つのアクションについて紹介しています。


調査に関するレポートの全文はこちらをご覧ください。
エネルギー需要の急増を長期的な「繁栄」につなげるための6つの対策


※本ニュースリリースは、2025年5月1日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版ニュースリリース:
Rising business energy demand creates new challenges — and a major opportunity — for providers, says EY research
 


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