義務的開示制度(MDR)

EUは、国境を越えて展開される積極的な租税回避の可能性のあるタックスプランニングを検出するために透明性を高めることを目的として、義務的開示規則に関する指令を導入しました。EYは自らのグローバルネットワークや最新のツールを活用し、クライアントと連携してクロスボーダー報告義務を把握・管理します。

関連トピック 税務係争 税の透明性

EYができること

欧州連合(EU)の義務的開示制度(MDR)により、最低金額基準といった免除規定の無い、幅広いタックスアレンジメントに関する広範囲な報告義務が生じることとなります。納税者や仲介者は、開示義務に該当する取引の詳細を認識、把握するためにポリシー、手順及び手続を実施しなければなりません。複雑なアレンジメントがある場合は、納税者はアドバイザーに相談する必要があります。重大な罰則が課されることが予想されます。

EYは世界中で、納税者や仲介者がMDRの義務を認識し、管理することを手助けすることができます。具体的には以下のとおりです:

  • 欧州・世界の税務戦略に対するMDRの影響を議論、認識するための戦略セッションの実施
  • 日々の報告すべきアレンジメントの識別から税務当局へのデータ提出までの、MDR報告に向けたプロセスガイドラインやポリシーの制定支援
  • 幹部レベルチームへ向けたMDRワークショップの実施(税務、M&A、内部コンプライアンス、移転価格、人事、法務など)
  • 実務担当者に向けたMDRトレーニングプログラムの提供
  • 進行中の個別取引についての評価に関するアドバイスの提供

また、MDR・Web—ビデオで説明しているEYのクロスボーダー評価ツール—は、国境を越えたアレンジメントを評価、記録及び報告するために設計されました。ツールを使って、租税分野の行政協力に関する欧州改正指令6(DAC 6)や各国の法制度の解釈に関するEYのテクニカルガイダンスへアクセスすることもできます。

今すぐ、MDRコンプライアンスに関する議論を始めましょう—注意深く計画を立て、初日の準備を整えてください。 

法制度の概要

EU全体にわたって税務の透明性を高めるため、DAC 6は2018年6月25日に発効しました特定の基準(受取人レベルでの課税を免除される控除可能な支払いなど)に基づいて、仲介者—EUを拠点とする税務コンサルタント、銀行、弁護士など—に対し、EUが潜在的に租税回避に積極的であると見なす、国境を越えた取引やアレンジメントを報告するよう求めています。報告可能な仲介者がいない場合には、報告義務は納税者へと移ります。

MDRの下では、2018年6月25日から2020年7月1日の間にファーストステップが取られたクロスボーダー・アレンジメントは2020年8月31日までに報告が必要となり、対象となるアレンジメントの情報が加盟国間で自動的に交換されます。2020年7月1日以降、仲介者と納税者は、タックスアレンジメントに関し発端となった事象から30日以内に報告することが求められます。

加盟国は、2019年12月31日までにDAC6に準拠する国内法を採択し、公表しなければなりません。加盟国の中には、指令よりさらに早期の報告や国内法による対象の範囲を広げる国もあります—例えばVATや国内におけるアレンジメントを対象に加えることや、追加の判断基準の導入があり得ます。

  • 納税者における課題

    指令の対象となるEUで活動を行う納税者は、以下の場合に開示義務を負います:

    • アドバイザーがEU外にいる、または
    • アドバイザーの全員が、法務専門職の秘匿特権のために開示を免除されている、または
    • 社内にてアレンジメントを実施した場合

    納税者はポリシーや手順、手続を策定して、開示が必要な取引の詳細を特定し把握しなくてはならなくなります。

    納税者のアドバイザーは、利用可能な情報に基づいて開示を行います。MDRのタイトな報告期限のため、報告結果が不整合なものとなり、予期しない税務調査につながってしまう可能性があります。複雑なアレンジメントの場合には、整合性のある報告結果が得られるように、納税者は問題を認識し、アドバイザーに相談する必要が出てくるでしょう。

    EU加盟国は、2019年12月31日までにDAC6を実行する必要があります。現状、いくつかの国では、国内法の適用範囲を拡大したことで、VATや国内アレンジメント、その他の判定基準が広範囲となり、あるいは報告のタイミングが早くなる、といった動きが出ています。DAC6で規定されている最小基準の範囲を超える追加情報は、加盟国間での情報交換要件の対象外となる、ということは注目に値します。一部の国ではコンプライアンス違反に対して重大な罰則を適用することが決定されているため、現地国の報告要件を満たせるよう、各国の最新の動向を把握することが必要となります。

  • 仲介者における課題

    一定の組織は仲介者とみなされる基準を満たしています。金融機関や税務アドバイスの提供者などです。仲介者は、クライアントへの助言や支援を行った対象アレンジメントを報告するためのシステムと管理プロセスを開発する必要があります。それは例えば以下のような内容です:

    • 自分たちのグループ内におけるDAC6および国内法の下で報告義務がある企業体の把握
    • クライアントのために自分たちの組織が行っているDAC6および国内法の対象となる可能性が活動の種類の把握及び理解
    • MDRのガバナンス・ポリシーと、コンプライアンス状況のモニタリング手順の策定と実行
    • アレンジメントを評価、記録、報告するためのシステムやツールの導入
    • 税務部門内外のステークホルダーの教育と、EUの義務的開示規則に対する意識及びコンプライアンスの強化
Local Perspective IconEY Japanの視点

欧州連合(EU)の義務的開示規則は広範囲なタックス・アレンジメントの報告を仲介者と納税者に求め、当該情報を各国税務当局間で交換するためのものです。各国で規則実施のための法令が定められています。義務的開示規則を着実に実施するためには、どのような情報がどこに提供されているのかグループとして把握することは不可欠です。日系企業にとっては、欧州に存するグループ企業のみならず、本社におけるグループ税務管理の面からも対応が求められています。

 

現地の窓口

須藤 一郎
EY Japan International Tax and Transaction Services Leader

ラテンアメリカにおけるMDRの最新情報

DAC 6の最新情報

2020年7月1日から適用されるDAC 6の洞察や技術情報について、ニュースレターと以下の一覧で紹介しています。

DAC6 deferral and reporting details (pdf) (last updated 14 September 2020)

DAC6 local country status and reporting trends (pdf) (May2020)

Designing and implementing your long-term compliance program for the EU mandatory disclosure rules (MDR) (pdf) (January 2020)

 

MDRについてのアラート

MDR関連の分析の最新情報を掲載しています。以下より最新の動向や国別の情報をご確認ください。

 

ウェブキャスト:EU指令DAC 6に基づく義務的開示制度(MDR)

各国における進展、実際に報告する上での懸念事項、新型コロナウイルス感染症の影響など、最新の状況についてパネリストが議論します。

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ウェブキャスト: EU MDRの改正と実務的な洞察

MDRの要求を管理するための内部統制と手続きの実施のために納税者がなすべきことをパネリストが議論。

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