香港、IRDがHKICPAとの年次総会にて事業所得税・印紙税に関するさまざまな税務上の取扱いについて明確化


内国歳入局(以下、「IRD」)が明確化した税務上の取扱いには以下が含まれます。

(i)外国企業の香港支店が関与する包括承継による外国企業の合併は、内国歳入法(以下、「IRO」)のセクション61Aおよび61Bに規定される租税回避防止条項が適用されない場合、香港会社法に基づいて行われる適格合併と同様に扱われます。

(ii)強制積立基金(MPF)またはその他の退職金制度への事業主拠出金と長期勤続金(以下、「LSP」)との相殺制度廃止に伴うLSP引当金の計上については、香港公認会計士協会(HKICPA)が推奨する2つの会計処理方法のいずれを採用した場合でも、税務上損金算入が認められます。

(iii)一部の限定的な状況における片務的な税額控除を除き、香港での外国税額控除(以下、「FTC」)は、納税者が包括的二重課税回避協定(以下、「CDTA」)に基づいて国外で課税される場合にのみ認められます。そのため、納税者がCDTA締結国・地域に恒久的施設(以下、「PE」)を有していない場合、香港で課税対象となるサービス所得について当該CDTA締結国・地域で支払った税額は、香港での外国税額控除の対象とはなりません。PEが存在する場合、FTCの控除限度額は推定所得ではなく、実際の所得に基づいて算定する必要があります。

(iv)税務上の確実性向上スキーム(以下、「TCES」)の「税務上計上された(brought into account for tax purposes)」という用語は、売買目的の株式持分はTCESの対象外であることを示しています。

(v)香港財務報告基準第16号(HKFRS第16号)におけるセール・アンド・リースバック取引の会計処理は複雑であるものの、税務上の判断は、損益計算書に計上された収益または費用が、非課税/損金不算入となる資本的項目か、課税/損金算入となる収益的項目かという点に基づいて行われます。

(vi)ゼネラル・パートナーシップ(合名会社)またはリミテッド・パートナーシップ(有限責任組合)が解散する際に、当該パートナーシップが保有する香港株式または不動産を、各パートナーの出資比率に応じて分配する場合、香港において印紙税は課されません。

IRDがこれらの問題に関して表明した見解は、IRDがIROの諸条項をどのように解釈するかを示したものにすぎません。

こうした見解は、これらの規定が一般的にどのように解釈されるかについて、一定のガイダンスになりますが、他の特定の事実状況に応じて条項の適用は異なる可能性があります。

これらの規定がご自身の会社にどのように適用されるかについて質問がございましたら、ご担当の税務専門家にご相談ください。


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