米国、10万件以上のビザ取り消し公表、75カ国のビザ手続き一時保留、ESTA申請者への新データ収集要件と入出国時の顔認証義務化提案

米国国務省、10万件以上のビザ取消を公表

日本時間2026年1月13日、米国国務省はX(旧Twitter)上で、トランプ政権下において10万件以上のビザを取り消していたことを明らかにしました。

取り消されたビザには、約8,000件の学生ビザや、犯罪歴があるとして法執行機関から摘発を受けた約2,500件のビザが含まれています。

なお、米国国務省は従来、ビザ取消件数を公表してこなかったため、今回発表された「10万件超」という数値の位置付けや評価については判断が難しい状況です。

一方、米国においては法執行機関による取り締まりが近年強化されていることは確かであり、日系企業は以下の点について、引き続き周知徹底することを推奨します。

  • 赴任者・出張者および帯同家族が職務質問や取り調べを受けた際の対応方法の事前共有
  • 飲酒運転防止の徹底
  • I-94の携帯など、米国内で求められる各種法令遵守の再確認

米国滞在者が不測のトラブルに巻き込まれないよう、企業としてより一層のコンプライアンス意識を徹底していくことが求められています。


米国国務省、75カ国のビザ手続きを一時保留へ

日本時間2026年1月15日、米国国務省はX(旧Twitter)上で、以下表の75カ国からのビザ手続きを保留にすると発表しました。

これらの国からの移民は「米国の公的負担(public charges)となる可能性がある」と判断されたためです。

  • 今後、米国の負担にならないと確認できた国から保留を解除する方針ですが、解除時期は未定です。
  • 発表に明確な開始日はありませんが、1月21日頃から開始される可能性が高いと推測されています。

75カ国は以下のとおりです。
 

地域

国名

アメリカ 17カ国

アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、ベリーズ、ブラジル、コロンビア、キューバ、ドミニカ国、グレナダ、グアテマラ、ハイチ、ジャマイカ、ニカラグア、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、ウルグアイ

ヨーロッパ 7カ国

アルバニア、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、モルドバ、モンテネグロ、北マケドニア

アジア太平洋 25カ国

アフガニスタン、アルメニア、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、フィジー、ジョージア、イラン、イラク、ヨルダン、カザフスタン、クウェート、キルギス、ラオス、レバノン、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、ロシア、シリア、タイ、ウズベキスタン、イエメン

アフリカ 26カ国

アルジェリア、カメルーン、カーボベルデ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、エジプト、エリトリア、エチオピア、ガーナ、ギニア、リベリア、リビア、モロッコ、ナイジェリア、コンゴ共和国、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、ソマリア、南スーダン、スーダン、タンザニア、ガンビア、トーゴ、チュニジア、ウガンダ


CBP、ESTA申請者への新データ収集要件と入出国時の顔認証義務化を提案

1. 概要

米国税関国境警備局(CBP)は、ESTA申請に関する情報収集を拡大し、モバイルアプリへの完全移行や追加データの収集を提案しています。また、国土安全保障省(DHS)は、全ての外国人に対し入国・出国時の顔写真撮影を義務化する最終規則を公布する予定です。


2. 影響

ESTA関連の主な変更点

  • ライブ顔写真の必須化(ウェブ・モバイル双方)
  • ESTAウェブサイト廃止 ※新規申請はモバイルアプリのみ
  • ソーシャルメディア情報(過去5年)、連絡先、バイオメトリクス(顔・指紋・DNA・虹彩)などの追加収集

入出国時の顔認証義務化

  • 空港・陸路・海路全てで顔写真撮影を実施
  • 年齢免除(14歳未満・79歳以上)を廃止
  • 将来的に虹彩など追加バイオメトリクス導入の可能性あり


3. 必要な対応

  • ESTA申請者は、追加情報(SNS履歴、顔写真など)を準備する。
  • ESTA拒否時はB-1/B-2ビザ面接が必要となり、SNS履歴に関する質問に備える。
  • 公聴コメントは2026年2月9日まで受付中。


4. 今後の動向

現時点では提案段階であり、最終決定は未定です。導入スケジュールや追加要件については、追って最新情報をお知らせします。


本件に関しては、下記のPDFもご参照ください(英文のみ)。

Global Immigration alert - United States - CBP announces new data collection requirements for ESTA travelers(英語)をダウンロード


お問い合わせ先

EY 行政書士法人

木島 祥登 パートナー

※所属・役職は記事公開当時のものです