EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EYではサステナビリティ開示・保証等に関連したグローバル動向の最新情報を公表しています。
今月号では、カリフォルニア州大気資源局(CARB)SB 261およびSB 253に関する最新情報や、米国SECの気候関連開示規則を巡る訴訟の状況などを取り上げています。EYによるフォーカスでは、EFRAGによる簡素化された欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の公開草案について取り上げています。
8月14日、国際監査・保証基準審議会(IAASB)は、2026年12月に発効予定の「国際サステナビリティ保証基準(ISSA)5000」の採用・適用を支援する2つの新たな資料(*1)を公開しました。1つ目の資料は、限定的保証及び合理的保証に関する保証業務に特化したISSA 5000の抜粋を含み、ステークホルダーが関連要件を識別するのを支援します。2つ目の資料は、ISSA 5000が採用されると、ISAE 3000(改訂版)及びISAE 3410がサステナビリティ保証エンゲージメントに適用されなくなることを明確にしたFAQとなります。さらに、IAASBはISSA 5000に関するウェビナー(*2)を開催し、保証業務契約の受嘱、リスク評価、手続の立案・実施、報告など、ISSA 5000について多面的な議論をする予定です。
7月30日、国際会計士倫理基準審議会(IESBA)は、サステナビリティ保証業務に関する国際倫理基準(IESSA)に関する2つのガイダンス文書(*3)を発行しました。1つ目の文書(*4)は、サステナビリティ保証基準と財務諸表監査に関するIESBA規範の対応規定との主な相違点を明示しています。2つ目の文書(*5)は、サステナビリティ報告における倫理基準の強化に向けたIESBAの取り組みの一環として、サステナビリティ保証業務実施者に対する禁止事項を規定しています。
7月24日、IFRS財団は、企業が財務諸表における不確実性、特に気候関連に関する事実パターンを用いた不確実性の報告を支援するために、ほぼ確定版となる設例集 (*6)を公開しました。これらの設例は、不確実性(特に気候関連の不確実性)に関する一貫した情報が不足しており、報告の明確性と一貫性の向上を求めるステークホルダーからのフィードバックに対応したものとなっています。ISSB基準とのシームレスな整合性を確保するために国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)と連携の下、本公開資料は2025年10月に最終版が公表される予定となっています。
カリフォルニア州大気資源局(CARB)は9月2日、SB 261に基づく気候関連リスクの必要最低限の報告基準を定めた5項目のチェックリスト(*7)を発表しました。同法は、カリフォルニア州で事業を展開し、全世界の年間売上高が5億ドル以上の企業に対し、2026年1月1日までに、隔年ごとの気候関連リスク報告書の提出を義務付けています。 チェックリストでは、企業が隔年の報告書で対応すべき、報告枠組み、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標という5つの主要カテゴリーを明示しています。これとは別に、8月21日にCARBは第2回公開ワークショップ(*8)を開催し、SB 261及び別の気候関連開示法であるSB 253の施行の一環として、10月14日に気候リスク開示規制案を提案する計画(*9)を発表しました。SB 253は、全世界年間売上高が10億ドルを超える企業に対し、2026年6月30日までにスコープ1及び2の温室効果ガス(GHG)排出量を報告し、それらの開示内容について限定的保証を取得することが義務付けられています。2026年からはスコープ1及び2のGHG排出量について限定的保証が要求され、2030年からはこれが合理的保証に移行することとなります。スコープ3のGHG排出量に対する限定的保証は2030年から義務付けられます。CARB当局者は、SB 253及びSB 261の両方に該当する企業のリストを公表する意向であると述べています。当局の推計では、SB 253の対象となる企業は2,596社、SB 261の対象となる企業は4,160社となる見込みですが、CARBが最終的に企業の報告要件をどのように定義するかによって、これらの数値は変更される可能性があります。CARBは、また、両法を施行するための規則案について45日間の意見募集期間を設ける方針を示しており、CARB理事会は12月11日~12日に規則案を審議する見込みです。さらに8月13日、カリフォルニア中央地区連邦地方裁判所は、SB253及びSB261に対する訴訟が係属中の両法の施行停止を求める原告側の申し立てを却下しました。裁判所は、原告がSB253及びSB261に対する修正第1条(言論の自由)に基づく異議申し立てにおいて勝訴の可能性を立証できなかったと判断しました。8月20日、原告側は地方裁判所の8月13日付決定に対して、控訴しました。本案審理は2026年10月に予定されています。
7月23日、米国証券取引委員会(SEC)は、2024年の気候関連開示規則に対する異議申し立てに関する状況報告書(*10)を第8連邦巡回区控訴裁判所に提出しました。2025年4月24日付の裁判所による気候関連開示規則に関する見解の照会に対し、SECは「現時点では」規則の見直しや再検討を行わないものとした上で、第8連邦巡回区に対し訴訟停止を解除し、本件を審理するよう要請しました。SECは、仮に裁判所が規則を支持した場合、将来的な再検討にはSEC委員による審議と投票が必要であり、SECがその結果を事前決定することはない、と表明しました。さらにSECは、裁判所の判断が今後の対応範囲や必要性を左右し、訴訟の効果的解決に寄与すると指摘しました。SECはさらに、国家政策と経済的影響に関する実質的な意見の相違が継続していることから、裁判所の判断は単なる助言的性質に留まらず、気候リスクに関する義務的開示を規則で定める権限がSECに存在するのかどうかに関わると主張しています。SECは本件から撤退したものの、他の当事者が引き続きSEC規則を法廷で擁護しているため、裁判所の今後の対応次第では訴訟が継続する可能性があります。
欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)による簡素化された欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の公開草案の詳細については、下記の「EYによるフォーカス」セクションを参照してください。
8月6日、英国金融行為規制機構(FCA)は、資産運用会社、生命保険会社、FCA規制対象年金運用機関による気候関連報告のレビュー結果(*11)を公表しました。全体として、FCAは気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に準拠した気候開示規則が、FCAの環境・社会・ガバナンス(ESG)ソースブックに盛り込まれることで、企業の気候リスクへの配慮が高まり、それらのリスクを企業の意思決定に統合するのに役立つと結論付けました。しかし、一部の企業は、「より広範なサステナビリティ開示義務を考慮し、報告を簡素化する余地がある」などと指摘しました。FCAは、この調査結果を踏まえ、サステナビリティ報告枠組みを「合理化と強化」する方法を検討中であると述べました。この取り組みでは、英国サステナビリティ開示要件(SDR)制度(金融商品向けの消費者重視型グリーウォッシュ防止枠組み)、ISSB基準と整合する基準(英国サステナビリティ報告基準:UK SRS)の承認プロセス、移行計画関連の開発など、「サステナビリティ報告全体」を検討対象としています。FCAは、開示要件の簡素化、報告の意思決定有用性の向上、グリーンウォッシュの削減、英国報告基準と他法域の基準との相互運用可能性の促進などを目指しています。
7月30日、欧州委員会(EC)は中小企業(SME)向けの任意のサステナビリティ報告基準(VSME基準)の採択を発表(*12)しました。この新たな基準は、大企業や金融機関からのサステナビリティ情報への需要の高まりに応え、中小企業がESG課題について簡素化された方法で報告できるようにすることを目的としています。本基準は2つのモジュールで構成され、主要なサステナビリティ指標と、銀行や投資家から頻繁に要求される追加開示事項に焦点を当てています。この取り組みは、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の適用対象企業数を削減するECのオムニバス簡素化パッケージに沿ったものとなっています。
7月23日、南アフリカの金融セクター行動監督機構(FSCA)は国際金融公社(IFC)との提携を発表(*13)し、ISSB基準と整合するサステナビリティ報告規制の策定を進めています。この協力関係は、南アフリカ向けの規制枠組み設計と適用ガイダンスの提供を目的としています。
8月25日、シンガポール会計企業規制庁(ACRA)とシンガポール証券取引所規制局(SGX RegCo)は、上場企業及び大規模非上場企業(Large NLCos)に対する気候関連報告要件(外部保証を含む)の適用開始時期の延期を発表(*14)しました。それによるとスコープ1及び2の温室効果ガス(GHG)排出報告については、全ての上場企業において、2025年1月1日以降に開始する会計年度(FY)から義務付けられます。加えて、ストレーツ・タイムス指数(STI)構成銘柄においては、他に先駆けて2025年度からISSBに基づくその他の気候関連開示(CRD)の導入が求められ、スコープ3 のGHG排出報告は2026年度より義務化されます。今回、上場企業には、時価総額に基づく報告義務の3段階構造が新たに導入されました。スコープ1及び2のGHG排出報告は2025年度より全上場企業に義務付けられる一方、スコープ3のGHG排出報告は2026年度よりSTI構成企業に義務化される一方、その他の非STI構成企業では今後の決定までの当面間任意報告が継続されることになりました。
また、大規模非上場企業については、スコープ1及び2のGHG排出を含むISSB基準に基づくCRD報告は2030年度まで延期され、スコープ3のGHG排出報告も任意となります。さらに、スコープ1及び2のGHG排出に対する外部限定的保証が2032年度まで延期されます。
7月30日、フィリピン証券取引委員会(フィリピンSEC)は、サステナビリティ関連財務情報と気候関連開示に焦点を当てたISSB基準と整合するフィリピン財務報告基準S1号及びS2号の導入に向けたロードマップと、提案されたサステナビリティ報告ガイドラインを概説する規則の草案(*15)を公表しました。提案されたガイドラインは、上場企業及び大規模非上場(LNL)企業にサステナビリティ報告を義務付けるものです。草案は企業開示を国際基準に整合させることで、ESG重視の投資家誘致と企業の非財務的業績評価の向上を目指します。段階的導入は2026年に大規模上場企業から開始され、中小企業及び大規模非上場企業は2029年までに報告が義務付けられることとなります。移行支援としてフィリピンSECは、開示要件の緩和や温室効果ガス算定方法の柔軟性などの救済措置を提供しています。順守できない場合、既存のフィリピンSEC決議に基づく罰則が適用されることとなります。
ニュージーランド外部報告審議会(XRB)は7月30日、ISSA 5000、倫理と独立性(IESSA)に関する国際基準との整合性について意見募集のため、協議文書と関連公開草案を発表しました。意見募集は10月10日まで継続されます。
8月19日、COP30議長アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴは、ブラジル・ベレンで開催予定の会議に向けた準備を概説する第6回目の書簡(*16)を発信しました。書簡では国連気候変動枠組条約(UNFCCC)補助機関の第62回会合の結果を踏まえ、国が決定する貢献(NDC)がもたらす課題に対処するために共に行動する必要性を強調しました。パリ協定加盟国の約80%が新たな2035年NDCを未提出である現状を受け、議長国は10月提出予定の統合報告書作成に向け、期限厳守での提出が重要だと訴えました。書簡はさらに、気候に関する野心の強化の緊急性と、各国間の見解の相違を埋めるための協議の必要性を強調しています。この対話を促進するため、COP30議長国は会期間を通じて一連の協議を開始し、加盟国がNDCへの優先事項と対応策を議論する場を提供することを予定しています。議長国は、適応、気候資金、パリ協定の実施といった重要課題に焦点を当て、COP30に向けた包括的な対話を促進することを目指しています。
7月23日、国連の主要な司法機関である国際司法裁判所(ICJ)は、各国がGHG排出の抑制と気候保護に法的義務を負うとする画期的な勧告的意見(*17)を発表しました。この見解は、各国がパリ協定などの国際協定に基づき、地球温暖化を1.5℃に抑えるために相当の注意を払うと共に、協力して行動する義務があることを明確にしています。これを怠った場合、法的責任が生じ、環境被害の是正が求められるリスクがあると指摘されています。
8月13日、米国エネルギー省は重要な鉱物及び材料の国内サプライチェーン強化に向け、約10億ドルの資金供与機会(*18)を発表しました。本施策は外国産資源への依存度を減らし、米国のエネルギー安全保障を強化することを目的としています。主な提案には「重要鉱物・材料アクセラレーター」への資金提供、副産物鉱物の回収を支援する産業施設への支援、廃水から鉱物を回収する技術開発プログラムが含まれています。
7月29日、米国環境保護庁(EPA)は、GHGが公衆の健康と福祉に脅威をもたらすことを認定した2009年の「危険性認定」の廃止(*19)を提案しました。この措置が確定すれば、発電所、油井、自動車からの排出を制限するさまざまな規制が廃止されることになります。EPA長官のリー・ゼルディンは、この廃止措置を米国史上最大の規制緩和措置となる可能性があると述べました。
7月17日、オレゴン州知事のティナ・コテックは、地域独立系統(主系統から独立して稼働できる小規模な電力網)に関する先駆的な規制の枠組みを確立する2つの法案(HB 2065及びHB 2066)に署名し、これを法制化しました。これらの法律は、特に異常気象や停電の影響を受けやすい地方において、系統の信頼性とレジリエンスを強化することを目的としています。この新しい枠組みは、同様のエネルギー課題に直面している他の州にとってのモデルとなることが期待されています。
8月18日、英国政府が共同設立した英国移行金融評議会(UK Transition Finance Council) は、移行金融(トランジションファイナンス)を支援する事業体レベルの移行金融ガイドライン(*20)草案に関する予備協議を公表しました。このガイドライン案は移行への整合過程にある企業を対象としており、任意のガイドラインとして策定されています。本ガイドラインは、既存の国際的・国内的枠組みを補完する設計となっており、企業、資産所有者・管理者、信用機関、保険会社、規制当局、政府などが利用することを想定しています。本ガイドラインは、正式な移行計画の有無にかかわらず、「企業の目標の信頼性、及び短期的な移行計画と進捗状況」の評価に焦点を当てています。今回の意見募集では、特に新興市場における適用に関して、ガイドラインの構造と実用性に関するフィードバックを求めています。本ガイドライン案に対する意見募集は9月19日まで実施されます。改訂版ガイドラインに関する第2回意見募集は2025年後半に実施され、最新版ガイドラインは2026年3月に公表される予定です。
8月14日、英国金融行為監視機構(FCA)は、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)市場で活動する企業との継続的対話から得た知見を共有するため、サステナブル・ファイナンスの責任者宛てに書簡(*21)を送付したと発表しました。規制当局は、市場の健全性と信頼性、インセンティブおよび利益相反に関する複数の弱点を指摘した2023年の書簡(*22)以降、SLL市場が成熟し、より優れた実践と堅牢な商品構造が確立されたと強調しています。しかしながら、SLL市場の拡大には依然として障壁が存在し、FCAはインセンティブに関する懸念を抱いています。本書簡は、SLL市場におけるより広範な企業グループが、他社の経験とFCAの観察結果の両方から学ぶことを支援することを目的としています。FCAは、トランジションファイナンスに関する広範な取り組みの一環としてSLL市場を引き続き監視し、書簡で提起された事項に関するさらなる建設的な対話を歓迎すると述べています。
8月14日、欧州証券市場監督機構(ESMA)は登録プロセス(*23)に関する新たなガイダンスを発表しました。この登録プロセスは、ESMAの監督下にある金融機関がEU金融市場でサービスを提供するために不可欠なものとなります。新たな監督責任に伴い、ESMAはEUグリーンボンドの外部審査機関やESG評価機関を含む欧州金融エコシステム内の様々な企業に対する追加的な権限を有することとなりました。ESMAの管轄下にあるその他の申請対象には、市場透明性インフラ、ベンチマーク管理者、信用格付機関が含まれます。
7月29日、欧州中央銀行(ECB)は、「気候変動関連移行リスク」に対処するため、担保制度内に「気候要因」を導入すると発表(*24)しました。この措置は、気候ショックによる潜在的な金融損失を示したストレステストを受け、気候関連の不確実性に基づいて担保価値を調整することを目的としています。ECBは2026年後半に本施策を実施する予定です。
7月24日、EUと中国の指導者は共同声明(*25)を発表し、気候変動への対応における対策における政策の継続性の重要性を強調するとともに、パリ協定へのコミットメントを再確認しました。両者は気候変動分野での協力を強化し、COP30に先立ち、パリ協定の長期的な気温目標に沿った2035年版気候計画の更新を約束するとともに、再生可能エネルギー導入の加速、グリーンパートナーシップの強化に向けた協働努力を明記し、エネルギー転換とメタン排出削減における協力を強調しました。
7月21日、ECは、欧州気候法の改正に向けた意見募集(*26)を開始したと発表しました。これは、2050年までに気候中立を達成するというEUのコミットメントの一環として、2040年の気候目標を設定することを目的としています。意見募集は9月15日まで実施されました。
8月15日、オーストラリア政府は気候関連移行計画に関するガイダンスの協議文書(*27)を発表しました。本イニシアチブは、組織が気候関連のリスクと機会に対処する戦略を識別・策定することを支援し、潜在的な投資家や貸し手に情報を提供することを目的としています。意見募集は9月24日まで実施されます。これとは別に、7月18日、オーストラリア政府は持続可能な金融商品への投資家の信頼向上を目的とした、持続可能な投資商品の表示に関する協議(*28)を開始しました。本協議では特に、「持続可能」及び「グリーン」の定義を明確化し、グリーンウォッシュへの懸念に対処するための表示枠組みについて意見を求め、協議は8月29日に終了しました。両イニシアチブは、オーストラリアの再生可能エネルギー移行に向けた資本動員を目指す「オーストラリア持続可能な金融市場のロードマップ」の一環です。
7月31日、EFRAGはECが2023年7月に採択した12のESRSを簡素化したセットを提案する公開草案(ED)(*29)を公表しました。この「ESRS セット2」と称される取り組みは、CSRDの対象となる欧州企業の報告負担を大幅に軽減することを目的としています。提案された改訂は、コンプライアンス要件の緩和を目的として、2025年2月に発表されたECの第1弾オムニバス簡素化パッケージへ対応するものとなっています。
公開草案では、基準全体における必須データポイント数の57%削減が提案されており、EFRAGはこの改訂にあたり、以下の6つの主要な方策を特定しています:
主な変更案は以下の通り:
さらに、本改訂はISSB基準との相互運用可能性の向上を目的として、基準の文言をより整合させ主要原則の調和を図っています。一方で、一部の簡素化や新たな救済措置により、両方の基準への準拠を目指す企業には追加的な検討が必要となる可能性があります。
次のステップ:
意見募集は9月29日まで実施され、 寄せられた意見は、EFRAGが2025年11月30日までにECへテクニカルアドバイスを提出する前に、EDを修正する上で考慮されます。その後、ECは委任法を通じて改訂版ESRSを採択することとなります。当初のテクニカルアドバイスとは異なる可能性があります。
さらに8月8日、EFRAGはESRS簡素化の潜在的影響を評価する費用対効果の分析(*30)を開始しました。CSRD対象企業を含むステークホルダーは、9月12日まで実施されるオンライン調査(*31)に参加し、提案変更に対する意見を提出するよう招請されていました。また、7月23日、EFRAGは2025年に企業が発行した656件のESRS準拠サステナビリティ報告書の開示内容に関する統計・分析を掲載したインタラクティブダッシュボード(*32)を公開しました。付随する「State of Play 2025」報告書(*33)では、10のESRSトピック全てについて重要性があると識別した企業は10%のみ、生物多様性指標を報告した企業は3分の1未満であるなど、主要な調査結果が示されています。本ダッシュボードは、EU域内のサステナビリティ報告実務に関する透明性と理解の向上を目的としています。
提案されたEDの詳細と、提案が企業に与える影響についてはこちらをクリックしてください。
現在予定されている、注目すべき今後のサステナビリティ関連協議・規制動向に関する主な日程は以下です。:
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