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米国大統領選挙が世界貿易と関税に与える影響は、今や世界中の経済議論の最前線にあります。
共和党候補のドナルド・トランプ前大統領は、アメリカ大統領になるために必要な選挙人票を確保し、2025年1月20日、正式に第47代大統領に就任しました。
米国は国際貿易のダイナミクスを形成する上で極めて重要な役割を果たしており、今回の選挙結果は、貿易政策、グローバルパートナーシップ、関税構造、そして内外の経済情勢全体に大きな影響を与えることになります。
米国政府の行政部門は、1962年の通商拡大法第232条、1974年の通商法第201条および第301条、国際緊急経済権限法などに基づき、国家安全保障または経済的損害に基づいて関税率を変更し、貿易救済措置を課すことのできる広範な権限を有しています。
これまで、貿易政策に関する議会の権限を再強化するための法案が提出されて来ましたが、議会が貿易と関税に関する大統領権限を大幅に後退させる可能性は低く、その結果、トランプ大統領は、重要な貿易・関税政策の優先事項を実行する広範な権限を持つ可能性が高いと言えます。
その最初の任期期間中(2017年1月20日から2021年1月20日)、トランプ政権の貿易政策と関税の活用は、国際貿易に対する米国のアプローチに大きな変化をもたらしました。
トランプ氏は、2024年の大統領選でも引き続き関税を重要な部分に据えました。トランプ氏は選挙運動中、米国に輸入されるすべての物品に少なくとも10%の関税を課す意向を表明し、中国やメキシコなどの国には追加関税を課す計画であると述べました1。トランプ氏はまた、多角的貿易体制を批判し、世界貿易機関(WTO)からの脱退の可能性も検討しています2。
トランプ氏の次期大統領就任は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を再構築する機会となるでしょう。USMCAは、トランプ大統領の最初の任期中の2020年に署名され、2026年以降の見直しプロセスを通じて延長されない限り、2036年に失効する予定です。USMCAは、延長を決定するために6年ごとにレビューを義務付けるサンセット条項メカニズムを導入しています。
延長されない場合、年次レビューは失効期限まで継続されます。トランプ大統領は、6年ごとの再交渉条項を発動したい意向を表明しています3。自動車の原産地規則、メキシコのエネルギー政策、遺伝子組換え農産物の取り扱いをめぐる意見の相違など、進行中の紛争が予想される見直しの過程で議論される可能性が高いと考えられます。さらに、トランプ大統領は、中国製品がメキシコを流通して間接的に市場にアクセスし、USMCA協定の恩恵を受けていることについて懸念を表明する可能性が高いでしょう4。
米国へ輸入する企業が検討すべき対策は次のとおりです。
巻末注
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