ベトナム、法人税(CIT)において損金不算入となる可能性のある、サポートを行う企業への間接的な費用他

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ベトナムJBSタックスアップデート 2023年5月

いくつかの地方税務局が最近発表したガイダンスに関する最新情報は以下のとおりです。

  • 修正・差し替えインボイスの申告
  • 2022年12月31日以前に請求されたVAT軽減対象商品の返品、値引き、修正インボイスに適用される付加価値税(VAT)率
  • 投資登録情報の変更に伴い、新規投資プロジェクトに適用される法人所得税(CIT)の優遇措置
  • サービス契約を行う個人が得る報酬に関する税務上の影響
  • 海外のサプライヤーとの契約における供給部材の外国契約者税(FCT)
  • 法人税(CIT)において損金不算入となる可能性のある、サポートを行う企業への間接的な費用

その他の税務・法律に関する最新情報はこちらからご覧ください。

修正・差し替えインボイスの申告

最近、複数の地方税務当局から、インボイス及び証憑書類に関する2020年10月19日付の政府令123/2020/ND-CPの規定に従って行われる修正/差し替えインボイスは、誤ったインボイスを申告した課税期間において追加申告すべきとの指示がありました。

ハノイ税務局はオフィシャルレター第62542号で、修正/差し換えインボイスが誤った税務申告となる可能性がある旨を明らかにしています。したがって、企業は、国会の2019年6月13日付税務管理に関する法律第38/2019/QH14号の第47条及び政府の2020年10月19日付政令第126/2020/ND-CP号の第7条第4項の指針に従って、誤った税務申告を行う都度、追加申告を行う必要があります。(1)

(1)バクニン省税務局発行の2022年11月29日付オフィシャルレターNo.3884/CTBNI-TTHT、ハノイ市税務局発行の2022年12月16日付オフィシャルレターNo.62542/CTHN-TTHT

2022年1月18日付政令第15/2022/ND-CP号(政令15号)に基づき、付加価値税(VAT)の軽減対象となった商品の返品、期末割引、誤請求の修正のための請求書に対するVAT

政令15号によりVAT削減の対象となった商品で、2022年2月から12月までの期間に販売されたものについては、以下の通りに規定されます。

  • 2023年に売主に商品が返品された場合、返品された商品のインボイスは、売主が以前に作成した購入インボイスに適用されたVAT税率で作成する必要があります。
  • 2022年から2023年まで販売割引プログラムがあり、2023年に割引部分に対応する修正インボイスを発行した場合、2023年1月1日以前に発行した購入インボイスに対応する割引部分についてVAT8%の軽減税率が適用されます。
  • 政令15号によるVAT軽減対象商品について、2023年1月1日以前に発行されたインボイスを修正する必要がある場合、これらの発行インボイスに対する修正インボイスは軽減税率の適用対象となります。(2)

(2)参照

  • ホーチミン市税務局発行の2023年1月11日付オフィシャルレターNo.313/CTTPHCM-TTHT
  • バクニン省税務局発行の2023年1月13日付オフィシャルレターNo.168/CTBNI-TTHT
  • ビンズン省税務局発行の2023年1月31日付オフィシャルレターNo.1635/CTBDU-TTHT
  • ハイズオン省税務局発行の2023年2月1日付オフィシャルレターNo.1652/CTHDU-TTHT
  • ロンアン省税務局発行の2023年2月3日付オフィシャルレターNo.348/CTLAN-TTHT
  • ハノイ税務局発行の2023年2月27日付オフィシャルレターNo.7972/CTHN-TTHT、2023年3月6日付オフィシャルレターNo.9301/CTHN-TTHT

工業団地における新規投資プロジェクトで、事業活動の追加を伴う投資登録情報の更新があった場合に適用される優遇措置

2023年1月18日付のバクニン省税務局のオフィシャルレター第206/CTBNI-TTHTのガイダンスによると、工業団地(IZ)(特級市、中央直轄1級市、省1級市の都市部に位置するものを除く)で実施される新規投資プロジェクトで、事業活動の追加のため、投資登録情報に変更がある場合に税制優遇や減税期間に関する法人税優遇措置は以下の通りとなります。

  • プロジェクトが投資段階にあり、まだ操業しておらず、企業がそのプロジェクトからの売上が発生していない場合、追加した事業活動は、初期投資プロジェクトの事業活動と見なすことができます。したがって、奨励地域で実施される当該追加した事業活動によって生じた所得は、法人税優遇措置の適用対象となります。
  • 投資プロジェクトがすでに稼働しており、企業が追加資本を調達しておらず、資産を増やすための拡張投資も行っていない場合、追加した事業活動による所得は、法人税優遇措置の適用を受けることができません。

サービス契約を行う個人が得る報酬に関する税務上の影響

サービス契約を行う個人が得る報酬に係る納税義務は、その個人の個人事業主としての事業登録の状況に基づいて決定されます。特に、

  • 個人が事業登録をしていない場合、その報酬は、給与の性質を持つものと見なされます。したがって、報酬支払機関は、2013年8月15日付の財務省の通達111/2013/TT-BTCを参照し、個人とのサービス契約の期間が3カ月を超える場合は累進税率で、サービス契約の期間が3カ月未満の場合は200万VND以上の各支払いについて一律10%所得税を源泉徴収する必要があります。
  • 個人が事業登録をしている場合、サービス契約の履行による報酬は、事業からの所得と見なされます。当該個人は、2021年6月1日付財務省の通達40/2021/TT-BTC号のガイダンスに従って、納税額を自身で決定し、申告・納税する義務が生じます。(3)

(3)ハノイ税務署発行の2023年2月28日付オフィシャルレターNo.8205/CTHN-TTHT参照。

契約における原材料や設備の供給に関する外国契約者税の影響

2014年8月6日付財務省の通達103/2014/TT-BTCによると、海外のサプライヤーとの契約において、各事業活動の契約金額を個別に決定できる場合、契約上の各事業活動の金額には、その事業活動に対応して適用される法人税率を適用することができるとされています。

上記に関連して、2022年11月15日、税務総局(GDT)はオフィシャルレター第4223/TCT-CSを発行し、契約書、請求書、支払書類において、建築物に付随する各種材料、機械、設備の数量、単価、価額が明記されていない場合、原材料や設備の供給による収益に対する法人税の計算に1%の税率を適用する根拠はないとのさらなるガイダンスを発表しました。この場合、異なる税率が適用される可能性があります。

したがって、企業は、海外のサプライヤーとの契約がさまざまな事業活動を含んでいる場合、供給される材料や機器の数量や価値を詳細に規定することを検討する必要があります。具体的な規定は、関連する外国契約者税(FCT)を計算する際に適用される法人税率を決定するための基礎となる可能性があります。

企業の法人税の計算上、損金不算入となる間接的なサポート費用

間接的なサポート費用は、支援を提供する企業の法人税(CIT)の計算において、損金算入できない場合があります。

税務総局(GDT)は、2023年3月20日付オフィシャルレターNo.786/TCT-Cにおいて、法人税の計算上、特定の間接的なサポート費用の損金算入を認める根拠はないとの見解を示しています。

本オフィシャルレターで言及された間接的なサポート費用は以下の通りです。

  • 販売代理店を通じて、企業が直接商品を販売していない販売代理店の顧客に対して支払われる販売目標達成のための支援金。
  • 企業の従業員ではない販売代理店の販売チームに支払われるインセンティブ。

企業は、これらのタイプの間接的なサポート費用の損金算入を判断する際に、当該ガイダンスに留意する必要があります。
さらに、販売代理店の従業員に直接支払われる販売奨励金に関する個人所得税(PIT)の源泉徴収義務についても、該当する企業に注意を喚起しています。

 

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China Business Services (CBS)
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※所属・役職は記事公開当時のものです

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