EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
VUCA時代に求められる「集団経営」とCFOの役割
地政学リスクや気候変動、急速なテクノロジーの進化など、企業を取り巻く環境は予測困難なVUCAの時代へと突入しています。
予測不可能な時代における「経営の質」の転換
吉川は冒頭、多くの経営トップとの対話を通じて見えてきた経営環境の劇的な変化に言及しました。かつては精緻な中長期計画を立て、それを計画通りに実行する「予測して当てる経営」が主流でした。しかし、前提条件が次々と崩れる現代の環境下においては、当初の計画に固執するよりも「計画修正の早さ」や「完璧主義よりスピード」が重視されるようになっています。こうした経営の難易度上昇に伴い、もはやCEO単独のカリスマ性のみで意思決定を下すことは困難です。複雑化する経営課題に対応するためには、CEOを支え、CFOをはじめとするCXOチームが強固に連携してかじ取りを行う「集団経営」へのシフトが不可避の潮流といえるでしょう。
次世代CFOに求められる「3つの進化」
この集団経営において、中心的な軸となるべき存在がCFOに他なりません。全事業や全投資、全リスク、そして全ステークホルダーを横断的に俯瞰できる唯一の役員として、CFOへの期待はかつてなく高まっています。吉川は、次世代CFOが備えるべき要件として、「可視化するCFO」「意思決定を加速させるCFO」「資本市場と経営をつなぐCFO」という3つの進化を提示しました。複雑化する事業構造のブラックボックスを残さず、数字によって経営を可視化すること。そして、リスクを恐れて投資を止めるブレーキ役ではなく、成長に向けた「ハンドルとナビ」を握る存在になることが求められていると述べました。