EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
(注)本記事は、Forbes Japan 2025年11月オンライン版に掲載された記事内容を、許諾を得て転載・再構成したものです。
総合系コンサルティングファームの「Big 4」の一角として、世界150以上の国と地域でサービスを展開するEYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)。
そのなかでもテクノロジー部門は、AI活用やDX推進など、従来のコンサルティングの枠を超えた領域で存在感を発揮している。テクノロジーとデジタルの力を駆使し、課題設定を含む戦略策定からシステム導入までワンストップで支援することで、クライアントの変革を加速させているのだ。
この部門には、多様なバックグラウンドをもつプロフェッショナルが集う。保険会社のDX推進、商社でのERP導入、グローバル企業のシステム刷新──その活躍の舞台は実に幅広い。彼らはどのようにして、企業のテクノロジー変革を支えているのか。現場のコンサルタントたちに話を聞いた。
EYSCシニアマネージャーの山本恒は、SIerのエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、コンサルタントへの転身を経て保険会社でDX推進に携わってきた。テクノロジーとコンサルティング、双方の現場を熟知する山本がEYSCにジョインしたのは、その経験を融合させ、より本質的な変革支援を実現したいという想いからだ。
現在は保険・金融分野を中心にDX推進をリードしている。最初に担当したのは大手保険会社のDX人材育成プロジェクト。クライアントのオフィスに常駐し、現場に深く入り込んで企画から運営まで伴走支援した。
「お客様に『DX人材を育てたい』という大きな目標はあったものの、具体的な進め方が定まっていませんでした。そこで私たちが運営の枠組みを提案し、ひとつずつ形にしていったのです。クライアントの現場に深くかかわることで初めて見えてくる課題や文化があります。その現場で“何に困っているのか”“本当に実現したいことは何か”を理解できたことは、非常に貴重な経験になりました」(山本)
この経験を通じて、事業会社が抱える構造的な課題への理解が一段と深まったという。現在は別の保険会社で、データ基盤構築やデータガバナンス整備を支援。データドリブン経営の実現に向け、プロジェクトを主導している。
「お客様はデータを活用した意思決定を目指されています。基盤を整えるだけでなく、ルールや仕組みを整備して初めて、真のデータドリブン経営は可能になります。基盤づくりをSIerに委託するだけでは“使える仕組み”にはなりません。将来のあるべき姿を描き、そこから逆算して“今なすべきこと”を明確にする――その検証と構想こそ、私たちコンサルタントの存在価値だと考えています」(山本)
シニアコンサルタントの塚田真悠は、かつてマイクロソフト製品を扱うエンジニアとしてキャリアを歩んでいた。しかし、「特定製品しか提案できない」ことにもどかしさを感じ、顧客にとってさまざまな選択肢から本当に最適なソリューションを届けたいという思いから、コンサルタントへの転身を決意した。現在はマイクロソフト製品を中心に据えつつも、それにとらわれずERP導入など幅広い領域を支援している。とはいえ、入社当初は、“コンサルタント未経験”ゆえの壁にも直面したという。
「仕事の進め方や考え方を理解している前提でタスクが飛んでくるので、最初は右も左も分からず戸惑いました。サポートしてもらうばかりで申し訳なく、上司の話も理解できない時期は正直つらかったです。でも、結局は真剣に向き合い続け経験を積み重ねていくことでしか乗り越えることはできません。4年経った今では、急な依頼にも暗黙の了解で動けるようになりました」(塚田)
さまざまな経験を経て、塚田は、もともとの技術力に加え、課題を構造的に捉える“提案力”を身につけたコンサルタントとして活躍している。
特に印象に残っているのが、ある食品商社へのERP導入プロジェクトだ。紙ベースの管理体制と縦割りの組織構造を抱える同社では、新しいシステム導入への不安の声も少なくなかったという。
「業務が変わることに不安を感じられていたようでした。要件定義前だったこともあり“導入後にどう変わるか”を理解いただくことが難しく、根気強く丁寧に説明し続けました。すると次第に、『その機能は便利だね』といった声が増え、理解してもらえることが徐々に増えていったのです」(塚田)
技術と人、論理と情熱。その両輪を駆使して、顧客とともに課題解決に挑む姿勢こそ、塚田の最大の強みとなっている。
米国の大学を卒業後、一橋大学大学院で学びを深めたシニアコンサルタントの常悠然は、異なる文化や価値観を行き来しながら、自らのキャリアを形成してきた。母国・中国ではテクノロジーの進化が社会の隅々まで浸透し、産業構造そのものを塗り替えつつある。そんな変化のうねりを間近に感じ、「テクノロジーが社会をどう変えるのか、その現場で自らの力を試したい」と強く思ったことが、EYSCに飛び込むきっかけとなった。
ERPシステム導入のプロジェクトでは企画立案から構想策定、要件定義に至るまでの上流工程を中心に支援。中国語・日本語・英語の三カ国語を自在に操り、グローバル本社と海外拠点の間に立ってプロジェクトを推進した。文化の違い、価値観の違い、業務プロセスの違い──それらを乗り越え、共通の目標に向かって歩むために、常は“翻訳者”であり、“橋渡し役”でもある。
「私たちは単なるシステム導入を目的にしているわけではありません。導入の先にある“持続可能な変革”を見据え、クライアントのビジネスをどう進化させるかを共に考えることを重視しています。投資額の算出、DX戦略の策定、業務プロセスの再設計など、支援の範囲は多岐にわたります」(常)
印象に残っている案件のひとつが、大手スポーツメーカーのグローバルERP刷新プロジェクトだ。世界各地の拠点で使用するコードマスターを統一する必要があり、共通基盤を整えることが急務だった。しかし現地からは「手間が増える」「自分たちの業務に合わない」といった戸惑いや懸念があがっていた。
「当初はメールでのやりとりでは理解が得られず、直接対話することにしました。現地メンバーと一人ひとり向き合い、ヘッドクォーターが目指す方針の意図や、統一がもたらす将来的な価値を丁寧に説明しました。その積み重ねによって、ようやく信頼が生まれ、プロジェクトが動き始めたのです」(常)
単なるシステム導入ではなく、組織の意識や文化までも変えていく──。常の仕事には、そうした「変革のプロセス」に寄り添う誠実さがある。グローバルとローカルをつなぐその姿勢は、EYSCが掲げる「テクノロジーによって、人と組織を前進させる」という理念を体現している。
日本企業が厳しい競争環境のなかで持続的な成長を遂げていくために、EYSCのプロフェッショナルには、国内外の先進事例に敏感に学び、常に新たな価値を創出しながら、未来を見据えた取り組みを提案していくことが求められる。そうした高い期待に応え続けられるのは、高い志と専門性を共有する仲間の存在、幅広い業界や領域のプロジェクトに携わり自らの関心や強みを生かして挑戦できる環境、そして何より、自らの仕事が社会の発展につながっているという確かな実感があるからだろう。
「お客様をご支援することで、エンドユーザーにより良いサービスが行き渡るようになる。その先に社会全体の豊かさが広がっていくことを実感できるのが、この仕事の醍醐味です」
そう語る山本は、近年生成AIの実装支援にも力を注いでいる。
「まだ過渡期ではありますが、お客様自身も驚くほどのスピードで生成AIの活用を模索されています。そのなかで私たちは、単に技術を導入するのではなく、“何のためにAIを使うのか”という本質を共に考える立場にあります。お客様の目指す方向性と、私たちが提供できる価値を的確に重ね合わせること。それが次のフェーズの課題であり、やりがいでもあります」(山本)
一方、公共案件など新たな領域に挑戦している塚田は、さらなる成長への意欲を見せる。
「最終的には、お客様にとって最適なソリューションを提案できるようになることが目標です。そのためには多様なソリューションに触れ、現場での経験を積み重ねることが欠かせません。座学だけでは得られない“実践知”を積みながら、ゆくゆくはシステム開発のフェーズにも関わっていきたいです」(塚田)
そして、常は、今後の展望をこう語る。
「生産性向上のご支援を通して、企業の効率化や組織変革に貢献できたことが何よりのやりがいです。大手企業の変革は社会全体にも波及します。これからもグローバルとローカルをつなぐ存在として、より広い視野で価値を届けていきたいです」(常)
EYSCには、専門性も経験も異なる多様な人材が集まり、それぞれの強みを生かして輝いている。多様なプロジェクト、多様な学び、多様な挑戦。そのすべてが、コンサルタント一人ひとりの成長を後押しし、企業の未来、そして社会の進化へとつながっている。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング テクノロジー部門
https://www.ey.com/ja_jp/services/consulting/technology-consulting
やまもと・ひとし◎金融サービステクノロジーコンサルティング(AI&データ)シニアマネージャー。保険会社のデータ基盤構築やDX推進、金融機関のデータガバナンス体制構築支援などに従事。
つかだ・まゆ◎マイクロソフトソリューション シニアコンサルタント。マイクロソフト製品を中心としたERPシステム導入支援のほか、公共案件のシステム刷新や総合食品商社におけるBPR支援などに従事。
チャン・ヨーラン◎デジタル・プラットフォーム シニアコンサルタント。日本語、英語、中国語の3カ国語を駆使し、国を跨いだグローバルでのERPシステム導入などに従事。
EYSCテクノロジー部門で、多様な背景を持ち、それぞれの領域で強みを磨きながら活躍しているコンサルタントたちに話を聞いた。
多彩な経験を力に変え、一人一人が価値を生み出し、企業変革と社会の進化に貢献している。
EYの関連サービス
テクノロジーコンサルティングでは、最高デジタル責任者(CDO)や最高情報責任者(CIO)など、企業で重要な役割を担うCxOにとって最も信頼のおけるパートナーであり続けることを目標に、CxO目線で中長期的な価値創出につながるコンサルティングサービスを提供します。
続きを読む規制対応、DXの本格的推進、AI活用最大化という過去にない変化が求められている金融業界において、私たちはテクノロジーを駆使してクライアント変革、ビジネス成長を実現するためのコンサルティングサービスを提供します。
続きを読むマイクロソフト社のクラウド技術とEYの社会・経営上の課題解決力を生かした強力なアライアンスにより、真の変革を求めるクライアントと共にサステナビリティに対する社会的要請に取り組み、生成AI「Copilot」等の先端テクノロジーとデータの利活用を通じて、共に高いビジネス成長の実現を目指します。
続きを読むデジタル・プラットフォームは、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組み、大きな変革を進める企業を支援しています。戦略やアーキテクチャーの構築から本番での稼働に⾄る⼀連のソリューション導⼊サービスに対応しています。各企業に向けて、独⾃の課題に応じたテクノロジー活⽤型プログラムをご提案します。
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