EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
要点
2025 年7月 23 日に金融庁より公布された改正保険業法施行規則等の公布により、2026年3月31日より経済価値ベースのソルベンシー規制が保険会社に適用され、経済価値ベースのソルベンシー・マージン比率(以下、「ESR」)の算定が求められることになりました。
経済価値バランスシートに関する監査について、保険業法施行規則別紙様式及び保険会社向けの総合的な監督指針等に規定されました。これにより、監査人が独立の立場から、経済価値バランスシートに対する意見を表明することとなります。
そこで、経済価値バランスシートに関する監査において関連する監査基準報告書の要求事項を適切に適用するための指針が必要となり、公布同日にJICPAより実務指針第75号が公表されました。
経済価値ベースのバランスシート監査において、監査人が監査基準報告書等の要求事項を遵守するにあたり、当該要求事項及び適用指針と併せて適用するための指針を示すものであり、新たな要求事項は設けられていません。
保険業法施行規則別紙様式第7号第13の3(記載上の注意)2等において規定された個別及び連結の経済価値ベースのバランスシートおよびその注記が監査対象となります。
想定利用者である監督当局によるESR規制への対応のために設定され(特別目的の財務報告の枠組み)、当該バランスシート作成基準への準拠性を検証するものです(準拠性の枠組み)。
2026年3月末の経済価値ベースのソルベンシー規制等の適用に向けて、保険会社は自社の態勢整備を進めることに加え、監査への対応が求められます。初回報告に向けて、監査人とのコミュニケーション含め、本規制に関する算出方針の検討、ガバナンスの態勢整備などを進めていくことが重要となるでしょう。
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