EY Startupインサイト 「防衛×スタートアップ」で民間主導の加速的なイノベーションを促進

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「防衛×スタートアップ」の新たな可能性とは

民間主導の加速的なイノベーションの第一歩


防衛産業の未来を切り開く挑戦者であるスタートアップ、ベンチャーキャピタル(VC)、大企業、行政が集結して、民間主導で進む「防衛×イノベーション」の最前線を体感し、その可能性を探りました。


要点
  • 「防衛×スタートアップ」の可能性を探る特別ピッチイベントを官民連携で開催。
  • AIやセキュリティなど多様な分野に所属する10社が防衛との接点についてピッチを行った。
  • 大企業や行政関係者とスタートアップが直接対話し、協業の芽を育む場に。

「防衛×スタートアップ」の新たな可能性の拡大に向けた「EY×CAC Monthly Pitch Special Edition 2025」を開催

2025年6月16日、EY新日本有限責任監査法人(以下、EY新日本)と株式会社サイバーエージェント・キャピタル(以下、CAC)は、EY Japanのオフィスにて「EY×CAC Monthly Pitch Special Edition 2025」を共同開催しました。

本イベントはCACが毎月主催するスタートアップピッチイベント「Monthly Pitch」のEY新日本コラボレーション版として、防衛・安全保障領域におけるスタートアップの成長と参入促進を目的に開催されました。

EY新日本有限責任監査法人 前理事長 片倉 正美(左)と株式会社サイバーエージェント・キャピタル 代表取締役社長CEO 近藤 裕文 氏(右)
EY新日本有限責任監査法人 前理事長 片倉 正美(左)と株式会社サイバーエージェント・キャピタル 代表取締役社長CEO 近藤 裕文 氏(右)

1.開催に当たって

日本では安全保障環境の変化を受け、防衛領域でスタートアップとの連携が政策課題として浮上しています。戦略3文書の策定、国策としての防衛生産・技術基盤の強化に加えて、防衛装備庁内に「防衛イノベーション科学技術研究所(DISTI)」が新設され、産学官とスタートアップの知見を集約する技術開発拠点の整備も進んでいます。防衛産業におけるスタートアップ連携は今後、さらに加速される見込みです。
そのような状況を踏まえ、EY新日本のIPO・スタートアップ支援の統括部隊である企業成長サポートセンターは、スタートアップへの豊富な投資実績やネットワークを有するサイバーエージェント・キャピタルと連携し、防衛・安全保障産業におけるスタートアップの発展と市場参入の契機を創出すべく、官民のキープレイヤーを招き、ピッチイベントを開催しました。
本イベントにはクローズドなイベントであったにもかかわらず、総勢70人を超えるプレーヤー(スタートアップ16社、事業会社13社、VC 6社)が参加し、防衛産業に対する注目度やスタートアップ連携への関心の高さがうかがえました。
防衛産業領域におけるイノベーション推進には、スタートアップの技術力と大企業・行政の連携が不可欠です。EY新日本は、IPO・スタートアップ支援の豊富な知見を生かし、官民連携による新たな市場創出や、AI・サイバーセキュリティ分野の成長を後押ししています。今後もグローバルネットワークを活用し、民間主導による防衛産業の発展と社会課題解決に貢献していきます。

2.防衛産業と親和性の高いスタートアップ10社によるピッチ

登壇スタートアップ一覧(50音順)

  •  Aladdin Security株式会社
    最先端のセキュリティ技術とAIを活用し、包括的なサイバーセキュリティソリューションを提供。
  • 株式会社cosmobloom
    ゴッサマー構造を用いた宇宙構造物に係る解析・設計・開発を行う現JAXA 宇宙構造物システム研究室を前身とするスタートアップ。
  • シンクロア株式会社
    革新的な位相偏光技術と医療照明技術を融合した「PHASERAY®」を活用した品質管理用、外観検査ソリューション装置の開発・製造販売。
  • 株式会社SliceCheese
    AIやオートメーションを実装し、セキュリティ業務や実行戦略の最適解を提示することで、最低限のコストで適切な施策実行可能な未来創造をミッションとする。
  • セレンディクス株式会社
    建用3Dプリンター技術により「30年の住宅ローンを0にする」をミッションに掲げる日本初の3Dプリンター住宅メーカー。
  • 株式会社 ChillStack
    世界トップレベルの AI セキュリティ技術を駆使し、リスク対策の高度化を推進するサービスを提供。
  • 株式会社 TDAI Lab
    世界最先端の AI 研究活動を迅速かつ広範に提供し、人の持つ能力を飛躍的に高め、豊かな社会の実現に貢献する、東大鳥海研発ベンチャー。
  • Nishika株式会社
    カスタマイズしたローカルLLMを、セキュアにオンプレミスで利用できるプライベートAIプロダクトの開発・提供。
  • 株式会社 Humanity Brain
    個人、企業、国家を横断して認知戦の脅威から認知機能を「守り」「活かし」、学習や意思決定をアップデートするAI 技術を開発。
  • Bulwark Dynamics, Inc.
    自律型の無人上陸舟艇によって海上輸送を再定義し、インド太平洋地域の安全保障を支える米国発の防衛テック企業。
  • 株式会社リチェルカセキュリティ
    脆弱性診断/ペネトレーションテスト、コンサルティング、トレーニングといったセキュリティサービスの提供。

ピッチセッションでは、防衛産業と親和性の高いスタートアップ10社が登壇。ハードウェアからAI、サイバーセキュリティなど幅広い分野から集結し、事業内容と防衛領域との接続可能性について発表しました。

株式会社SliceCheese 代表取締役  岩城 拓海 氏
株式会社SliceCheese 代表取締役  岩城 拓海 氏
株式会社cosmobloom 代表取締役社長 福永 桃子 氏
株式会社cosmobloom 代表取締役社長 福永 桃子 氏

3.参加者によるネットワーキング

ネットワーキング

ピッチ終了後のネットワーキングではIHIエアロスペース、NEC、富士通などの大手企業や防衛装備庁など防衛産業におけるキーパーソンがスタートアップと密に対話を行いました。

4.最後に

これまで「防衛」というテーマは閉ざされた領域とされてきましたが、イノベーションと社会課題の複雑化を受けて、今後はより開かれた、・分散型の防衛産業構造への移行が求められています。
その第一歩として、スタートアップ、VC、大企業、行政、そして監査法人をはじめとする士業が同じ空間で未来を語り合い、連携を深める機会を設けることが重要であると考えています。

サマリー

企業はAIやサイバーセキュリティなど多様な技術を開発しています。今後の「防衛×スタートアップ」の可能性の拡大に向けては、民間主導のイノベーションと防衛産業構造の変革について議論を交わし、ネットワーキングによって大手企業や防衛装備庁との連携を深めていく必要があります。

お問い合わせ
EY新日本有限責任監査法人 企業成長サポートセンター

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