英国チャールズ皇太子殿下がEY ソーシャル・アントレプレナーシップ・アワード初代受賞者に
EYは同時に、英国のチャールズ皇太子殿下に今回初めての試みとなるEYソーシャル・アントレプレナーシップ・アワードを授与しました。 本賞は、チャールズ皇太子が主導するイニシアティブよってもたらされた大きな社会的価値を称えて贈られたものです。皇太子の取り組みには、「ザ・プリンスズ・トラスト」や「ビジネス・イン・ザ・コミュニティ」などの慈善団体、現在発展を遂げている世界的規模の大胆な取り組み「持続可能な市場のためのイニシアティブ(Sustainable Markets Initiative)」、さらに今年発表された「テラカルタ憲章」への協力などがあります。「テラカルタ憲章」は、今後10年の世界的な価値創造の中心に自然・人類・地球を据えるためのロードマップを提示しています。新しく設けられたEYソーシャル・アントレプレナーシップ・アワードは、社会において大きなパーパス(存在意義)を持つビジネスの創造に注力するリーダーを表彰するために設立され、今後も毎年実施されます。
EY グローバル会長兼CEOのカーマイン・ディ・シビオは次のように述べています。
「コロナ禍による多難な一年が過ぎた今、私は、徐氏とチャールズ皇太子という大変素晴らしいお二人による社会貢献を表彰することができ、胸を躍らせています。 殿下は生涯を通じて、より良い世界を築くことへの揺るぎないコミットメントを実証されてきました。私は、第1回EYソーシャル・アントレプレナーシップ・アワードにふさわしい受賞者を、殿下以外に思い描くことができませんでした」
「それと同様に、徐廷珍氏は、彼のキャリアを通じて、行動を起こし、目標に向かって邁進するアントレプレナーとしてあるべき姿をあらゆる面で体現してきました。世界最大の医療課題に立ち向かうことから、自社のために常に長期的な価値を創出することに至るまで、徐氏は、実に模範的なWEOY受賞者です。お二人の栄えある受賞に心よりお祝いを申し上げます」
WEOYの選考委員長で、大英帝国勲章者であり、Alexander Mann Solutionsの設立者兼会長であるRosaleen Blair氏は次のように述べています。
「選考委員会一同、この栄誉ある賞を徐氏に授与できること、そして、世界がこれまで経験した中でも最も困難と思われる1年の後で、彼を表彰できることを光栄に思います。 私たち選考委員は、彼がこれまでのキャリアにおいてたどった驚くべき道のりに感動しました。彼のパーパスに導かれたリーダーシップ、イノベーティブな思考、アントレプレナーシップ(起業家精神)は、まさに行動を起こし、目標に向かって邁進するアントレプレナーそのものです」
セルトリオングループ名誉会長の徐廷珍(ソ・ジョンジン)氏は、次のように述べています。
「私にとってアントレプレナーシップとはいつでも、多くの人々を共通のビジョンに向かって団結させ、難局を機会として歓迎し、社会全体の利益に貢献することを意味してきました。私がセルトリオン社を立ち上げた時のビジョンは、患者さんが安全、効果的、かつ手ごろな価格の医療品を入手できるようにすることによって、人々の生活の質を向上させることでした。セルトリオン社が成功したことで、私はアントレプレナーとしての闘志を燃え立たせる新しい方法を探りながら、このビジョンをより広げていくことができました。今回のWEOY受賞によって、栄誉ある歴代のWEOY受賞者グループに仲間入りすることができ、身の引き締まる思いとともに大変光栄に思っています。私はWEOYという素晴らしいプラットフォームを活用して、この世界を未来の世代の人々にとってより良い場所にしていくために、引き続き邁進していきたいと思います。」
EYグローバル・アントレプレナーシップ・リーダーのStasia Mitchellは、次のように述べています。
「徐氏のストーリーが物語っているのは、彼の信じられないほどの意思の強さと忍耐力です。徐氏は、仕事やプライベートの両面において、驚くべきリスクを取ってセルトリオン社を設立し、同社を世界トップクラスのバイオ医薬品企業に成長させました。命を救うヘルスケアを手頃な価格で提供したいという徐氏の情熱、またグローバル規模の課題に取り組む才能は、世界中で何百万人もの人々を支えている治療へと道を開いてきました。そして、その貢献は、新型コロナウイルス感染症の抗体治療薬を開発したことによって、去年から今年にかけて特に顕著なものとなりました。そして何より、徐氏のストーリーは、行動を起こし、目標に向かって邁進するアントレプレナーが世界を変えていく力を有することを示す輝かしい例となっています。」
徐廷珍(ソ・ジョンジン)セルトリオングループ名誉会長について
徐氏のアントレプレナーとしての道のりは、彼がまだ若い頃、韓国ソウルにある建国大学校の学費を稼ぐためにタクシー運転手として働いた時に始まりました。建国大学校で産業工学を学んだのち、大宇自動車で順調に企業幹部にまで上り詰めましたが、同社が1997年のアジア通貨危機のあおりを受けて経営破綻したことで、突然職を失うこととなりました。
徐氏はそれから数年の間、大宇時代の同僚とともにさまざまな業界で起業の機会を探っていましたが、その多くは当初は前途有望に見えても、成功が長く続かないようなものばかりでした。ある日、著名な学識者数名が主催していた討論会に出席した徐氏は、これからはバイオ医薬品セクターが大きな成長エンジンになる可能性があると考え、このセクターに注力することを決意しました。
徐氏は、このインスピレーションを心に留め、わずか4万5千米ドルの資本でセルトリオン社を創業しました。ささやかなスタートにも関わらず、同社は瞬く間に韓国製薬業界のリーダー的存在へと駆け上っていきました。「世界初」の抗体医薬品バイオ後続品(バイオシミラー)であるレムシマを発売したことによって、セルトリオン社は韓国の比較的未発達な製薬セクターの中で他社を抜いて大きく躍進することとなりました。この成功に続いて、セルトリオン社は乳がんおよびリンパ腫の治療薬を販売しましたが、これらの治療薬は現在世界中で使用されています。
「世界で初めて」であることに力を入れているセルトリオン社は、過去20年間で、誰も挑戦していない数々の領域に初めて挑み、華々しい成功を収めてきました。直近では、新型コロナウイルス感染症の抗体治療薬の開発を成功させることで、世界規模のパンデミックに対応しました。そしてセルトリオン社は現在、安全で効果的なこの抗体治療薬を、確実にタイムリーに供給できるように努めています。