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審査結果発表 - 第2回 学生ルール形成アイデアコンテスト

第2回 学⽣ルール形成アイデアコンテストの審査結果を発表します。


審査結果発表 - 第2回 学生ルールアイデアコンテスト

第2回 学生ルール形成アイデアコンテスト


第2回 学⽣ルール形成アイデアコンテストは、100近くの団体から応募いただきました。
数多くの優秀な作品の中から最終審査を通過し、授賞したチームとアイデアの概要、講評を掲載いたします。


優勝


「『夢教育のインフラ整備』~夢持ち⾏動する⼈⼝』を増やす~」

チーム名「LLP GTIE グループ」

早稲田大学 浅野充輝 氏/早稲田大学 三ツ谷寛羽 氏/東京科学大学 足立零生 氏

 

アイデア概要:

「夢コーチング」と呼ばれる教育プログラムを義務教育段階から導入することにより、日本の若者が夢を見つける機会を提供するとともに、それに向かって行動する能力を養う仕組みを提言。
本プログラムでは、学校教育法の改正や学習指導要領の見直しを通じて、小中学生の発達段階に応じた3段階の取り組み(Explore・Experience・Extend)を提案。具体的には①「答えを提供しない環境づくり」、②「学校側の積極的な機会提供」、③「夢のクラウドデータ化」の3つの柱からなるシステムを整備することで、教育効果を最大化する仕組みを提言している。

講評(評価ポイント):

「⽇本は夢を描く経験の歴史が浅いが故に夢を描く能⼒が育っていないのではないか︖」という斬新な課題仮説に基づき、夢を持つ若者が少ないという点を⽇本固有の社会課題として独⾃に定義した。「小学生の段階から自分で国や社会を変えられる自己肯定感を養わせる」という新たな規範を⽣み出すことに対して、具体的な解決策を⽰した点を評価。特に、「夢」という概念が⽐較的新しい概念であり、その定義も曖昧であることに問題意識を持ち、そこから「選択肢を広げるルール形成」にまで昇華させた点が評価できる。また、「夢」という普遍的なテーマを軸に、国内外で広がりのある教育モデルを構築する可能性も⾼く、⽇本社会全体のイノベーションと挑戦⽂化の発展を後押しするアイデアとなっている。社会的な共感を呼び起こし、⻑期的にはEYのパーパスである「Building a better working world」にも寄与することが期待される。

LLP GTIE グループ


準優勝


「立候補したい会社員が立候補できる社会の構築に向けた提言」

チーム名「早稲田大学雄弁会」

早稲田大学 小林駿斗 氏/早稲田大学 島倉奏太 氏/早稲田大学 枦木仁哉 氏

 

アイデア概要:

「立候補したい会社員が立候補できる社会」を実現するためのルール形成アイデアとして、「①選挙費用の不足、②選挙運動のための時間の不足、③当選後に仕事を辞める必要性」という会社員が立候補する際に直面する3つの障壁を解消する政策を提言。
①に対しては、公職選挙法を改正してネット選挙費⽤を公費負担する仕組みの導⼊。②に対しては、有価証券報告書への⽴候補休暇制度の利⽤状況記載を義務付けるCSR推進。そして、③については、「在籍型出向制度」を整備することで、議員任期後の復職を容易にするアイデア。これにより、労働者の全体に占める割合の⾼い「会社員」による政治参加のハードルを下げるとともに、「会社員」出⾝者が多数派を占める議会の増加を効果として期待 。

講評(評価ポイント):

「会社員による⽴候補」を当たり前にする新たな規範を構想した上で、それを実現するためのアイデアを詳細に具現化した点を評価。特に、既に存在する⽴候補休暇制度からさらに踏み込んだ点が評価できる。また、企業と政治の双⽅に利益をもたらす「政⺠リボルビングドア」構想が特徴的であり、社会的・経済的なインパクトも期待できる。さらに、ISO26000を活⽤して国際的な企業責任基準の⾒直しを求めるアイデアは、調達基準においてISOを重視する⼤企業をてこに中⼩企業を巻き込む可能性にまで踏み込んだ仕掛けとして評価ポイントとなった。

早稲田大学雄弁会


第3位


「失われた国際競争力を取り戻すためのNPO法改正」

チーム名「一般社団法人ルール形成戦略機構」

東京大学 岩渕士和 氏/東京大学 東真優 氏/東京大学 伊礼理貴 氏

 

アイデア概要:

特定非営利活動促進法(NPO法)の改正を通じて、学生団体がNPOを法人化できる選択肢を提供し、資金難で活動が制限されている学生団体が社会的信用力を得て企業からの寄付を受けやすくし、その潜在能力を最大限引き出すことを目的とした提言。
具体的には、手続きやノウハウ提供に関する優遇措置が講じられる「学生特別枠」をNPO法の中に新設し、役員変更手続きの簡略化、相談窓口の特別設置、そして教育・トレーニングプログラムの無償提供などによって、「高頻度でのメンバー入れ替え」や「ノウハウの欠如 」に対応することを狙ったアイデアとなっている。

講評(評価ポイント):

さまざまな社会貢献活動に取り組んでいる学⽣団体の資⾦難を解決し、法的に組織化された集団を存続させながら成果を発揮するための試⾏錯誤に専念できる環境をつくることで、若者が持つ能⼒に対する国際競争⼒の向上を狙おうとする着眼点を評価。制度改正の実現性を踏まえ既存の法律に「学⽣特別枠」を設けることで、学⽣団体特有のニーズに応えつつも、悪⽤防⽌のための条件や運⽤指針を詳細に⽰している点も優れている。さらに、NPO法⼈化に伴う副次的なメリット(助成⾦申請の拡⼤やツール利⽤のコスト削減)を提⽰しており、実現可能性と社会的インパクトの両⽅を備えた政策提⾔となっている。

一般社団法人ルール形成戦略機構

開催概要はこちらからご確認ください。



コンテスト総評

「⽇本が活性化しない理由は、若者が社会改⾰活動に参画する機会が少ないからではないか︖」という問いを出発点に、「ルール提⾔という“現代型の知的な学⽣運動の場”をEYが提供することで、若者の建設的な意⾒表明を通じて⽇本の活性化と適切な⽅向への政策改⾰を実現していけるのではないか︖」という考えを形にした本コンテストは、第1回コンテストをさらに上回る反響となりました。

今回、100近くの応募が寄せられましたが、応募件数のみならず、エントリー資料が添付された多くのメールに、社会に対して⾃分たちが感じている疑問について直接意⾒を表明できる場が提供されたことへの喜びの声が寄せられ、改めて、学⽣たちの声を届ける場を切望している現状を実感しました。同時に、表彰には⾄らなかった多くのアイデアを通じて、学⽣ならではの独⾃性あふれる社会課題を捉える視点や創造的な解決策の発想が数多く存在することに感銘を受けました。

⼊賞した提案だけでなく、全てのエントリーに共通して感じられたのは、「若者の社会課題に対する当事者意識」です。我々EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社は、そのような若者の声が社会に反映される⼀助となるべく、今後もこのコンテストを継続していきたいと考えています。

学⽣がこの経験を通じて、⾃らの考えを友⼈と議論し、将来に向けてルール形成を通じて社会を動かす⼀歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。そして、この取り組みが、学⽣時代の⼤切な思い出となることを願っています。

審査結果発表 - 第2回 学生ルールアイデアコンテスト


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