EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
会計情報トピックス 吉田剛
平成23年8月31日に内閣府令第44号「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」が公布されています。
当該改正は、平成23年6月21日に自見金融担当大臣談話「IFRS適用に関する検討について」が公表され、その中で、米国証券取引委員会(SEC)に登録している日本企業が金融商品取引法上の連結財務諸表の作成基準として米国会計基準を用いている場合に、当該基準の使用期限を撤廃する方針が示されたことを受けて行われたものです。具体的には、平成21年12月公布の内閣府令第73号において、国際財務報告基準(IFRS)の任意適用に係る規定が連結財務諸表本則に設けられたことに併せて、従来より一定の条件の下で認められていた金融商品取引法上の連結財務諸表の作成基準としての米国会計基準の使用に関して、平成28年3月31日までとの期限が示されましたが、上記の大臣談話を受け、当該期限を撤廃する改正がなされています。
今回の改正により、日本企業における金融商品取引法上の連結財務諸表の作成に係る米国会計基準の使用に関しては、国際財務報告基準(IFRS)の任意適用に係る規定が設けられた平成21年12月公布の内閣府令第73号の施行前の状態に戻ることになり、平成28年3月期までとの使用期限が示されていた米国会計基準が引き続き使用できることになります。
具体的な改正の内容については、以下のとおりとなっています。
米国証券取引委員会(SEC)に米国式連結財務諸表を登録している日本企業が、金融商品取引法上の連結財務諸表の作成基準として米国会計基準を使用できるものとする規定について、平成28年3月31日までとされていた使用期限が撤廃されました。
また、この米国会計基準を使用する場合の規定が、連結財規の第8章(第95条から第98条)に再び設けられますが、この規定は、平成21年内閣府令第73号による改正前の旧連結財規第93条から第96条に対応するものとなっています。
なお、平成21年内閣府令第73号の施行により、新規に金融商品取引法上の連結財務諸表の作成基準として米国会計基準を用いることはできないとされていましたが、本改正により、新規にSECに米国式連結財務諸表を登録する日本企業においても、この改正内閣府令の施行日(平成23年8月31日)以後、金融商品取引法上の連結財務諸表の作成基準として、米国会計基準を使用できることになります。
SECに米国式連結財務諸表を登録していない日本企業のうち、我が国における連結財務諸表制度の導入(昭和52年)前から米国会計基準を使用していた日本企業(いわゆる「旧特例会社」)が、金融商品取引法上の連結財務諸表の作成基準として、米国会計基準を使用できるとする規定が平成14年内閣府令第11号に設けられていました。当該規定についても、平成21年内閣府令第73号による改正により、その使用を平成28年3月31日までとする期限が設けられていましたが、今回の改正により当該使用期限を撤廃し、当分の間、米国会計基準が使用できるものとされました。
上記(1)、(2)の取扱いについて、四半期連結財務諸表及び中間連結財務諸表についても、同様の手当てが行われています。
本改正は、公布の日(平成23年8月31日)から施行されています。
なお、本稿は公開草案の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。