EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
2025年1月16日にルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領によって認可された2025年補完法第214号は、ブラジルにおける新たな消費税(物品・サービス税:IBS、物品・サービス負担金:CBS、選択税:IS)を制定・規制するものです。
この新法への移行は2026年1月1日から開始され、同国の税制改正実施に向けた重要な一歩となります。法律の最終的な条文は、基礎となる法案第68/24号(PLP)から大きな変更はありませんが、一部の条項は拒否されました(背景については、2024年12月30日付EY Global Tax Alert「Brazil approves supplementary law, taking a big step toward Brazilian tax reform」をご参照ください)。
本稿では新制度の主なポイントと拒否された内容を以下に取り上げます。
新しい税モデルの主な特徴は次のとおりです。
ブラジル大統領は、法案の一部に拒否権を発動しました。大統領が拒否権を行使した主な項目は以下のとおりです。
間接税改正の実施に向けた次のステップには、(1)議会が拒否権を検討し、これを支持または覆す可能性、(2)議会によるIBS管理委員会を創設し規制する法案2024年108号(PLP108/24)の分析の再開があります。この委員会は、新しい税制モデルが機能するために不可欠であり、ICMS(商品流通サービス税)財務給付補償基金の調査手続き、資格、利用、および累積控除の補償、振替、または払戻しに関する規則を提供します。
さらに、政府は、選択税の税率を定める法案に取り組む必要があります。この他に2025年で関連するもう1つのトピックとしては、2023年に承認された憲法修正第132号に規定された所得税改正があります。2024年に連邦行政府は所得税法案を提出せず、代わりに消費税改正に集中することを選択しましたが、今は所得税の議論を再開する必要があります。
これらの変更は、ブラジルにおいて、より効率的で公平な税制の追求が大きく前進することを示しています。企業の事業運営に大きな影響を与えると予想され、その影響を理解し、正しく測定することが不可欠となっています。
EY税理士法人
岡田 力 パートナー
古市 泰之 シニアマネージャー
※所属・役職は記事公開当時のものです
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