マレーシア、新たな外国人駐在員雇用ポリシーおよび改訂Employment Pass(EP)給与フレームワーク導入

1. 概要

マレーシア内務省(MOHA)は、2026年6月1日より新たな外国人駐在員雇用ポリシーと改訂されたEmployment Pass(EP)給与フレームワークを導入します。本ポリシーは、EPカテゴリーI・II・IIIの最低給与基準の改訂、駐在員雇用期間の上限設定、EPカテゴリーII・IIIを対象とした後継者(サクセッション)計画の義務化、雇用管理の強化などを含みます。これは「Malaysia MADANI」および第13次マレーシア計画(RMK-13)の方針に沿った高品質投資促進策として位置付けられています。


2. 影響

本ポリシーは製造業、サービス業、デジタル・IT関連企業(MDEC 管轄企業を含む)、石油・ガスなどあらゆる業種に影響し、2026年6月1日以降に提出される新規および更新のEP申請に適用されます。既存EP保持者には遡及して適用されることはありませんが、更新時には新基準を満たす必要があります。給与基準に満たない場合、カテゴリーIIまたはIIIへの再分類が行われる可能性があります。また、EPカテゴリーII・IIIでは、一定期間内にローカル人材に引き継ぐ計画の提出が必須となり、EPカテゴリー別の最大雇用期間はカテゴリーI・IIが最大10年(IIは後継者計画が条件)、カテゴリーIIIが最大5年に制限されます。準備不足の場合、更新遅延や追加書類要請、監査での指摘などのリスクが高まります。


3. 必要な対応

企業には、EP保有者の給与帯・EPカテゴリー・更新予定日を基にした人員構成レビュー(EP Population Review)が推奨されます。また、2026年6月1日以降の更新案件を重点的に特定し、改訂給与基準への適合状況を確認する必要があります。EPカテゴリーII・IIIを対象とする企業は、MOHAが求める水準に沿った後継者計画を作成し、早期に更新戦略を検討することが重要です。提出期限直前の申請は遅延や不備のリスクが高まるため、早期準備が不可欠です。


4. 今後の動向

マレーシア政府は外国人駐在員への依存度を低減し、国内人材育成を強化する方針を明確にしています。今後も関連ポリシーや運用基準が追加または修正される可能性があり、企業は継続的な情報収集とコンプライアンス体制の強化が求められます。EYは最新動向を注視し、企業の実務対応を引き続き支援していきます。


お問い合わせ先

EY 行政書士法人

木島 祥登 パートナー

※所属・役職は記事公開当時のものです