ベルギー、フランデレン地域において外国人労働者および雇用主向け移民規則の大幅改正

1. 概要

ベルギーはフランデレン地域において、2026年1月1日から外国人労働者および雇用主に関する移民規則を大きく改正しました。本改正は、2025年5月に承認された提案に基づき、高度技能人材の迅速な審査、新たな申請手数料、デジタル申請システム導入、不正防止強化を目的に策定されました。労働市場のニーズに即した高度選択的な労働移民制度を構築することを目的とし、外国学位の真偽確認や不足職種の再定義など、制度全体が見直されています。


2. 影響

高度技能労働者については、VKSレベル5以上の高等教育資格を保有し、高度技能に分類される職種に従事することが要件となり、給与基準は平均賃金の一定割合に基づいて設定されます(例:30歳未満・看護師・教師は80%、ICTや一般高度人材は100%)。過度に資格の高い応募者が低技能職へ応募した場合、申請が却下される点も明確化されました。
中技能労働者(VKS3–4)については、不足職種リストが2026年1月1日に更新され、化学業界のプロセスオペレーターやデータ通信技術者が追加される一方、トラック運転手やパン職人等が削除されました。削除された職種は9週間の国内・EEA内での求人活動証明が必須となります。
低技能職(VKS1–2)は原則ベルギー・EEA国民に限定され、第三国国民は農業・園芸・ホスピタリティの季節労働(年間最大5カ月)のみが認められます。不正対策として、外国人労働者比率が80%を超える企業による申請が拒否される可能性があり、違反時には最大3年間の申請禁止、そして全ての契約チェーンにおける未払い賃金責任や制裁の対象が拡大されます。


3. 必要な対応

企業は、フランデレン地域で外国人を雇用する際、職種分類、給与基準、VKSレベル、不足職種リストの最新内容を確認し、申請可否や必要な労働市場テストの有無を事前に把握する必要があります。また、高度技能カテゴリーでの採用予定がある場合には、学位の真偽確認や職務内容の整合性確保が求められます。不正対策強化に伴い、外国人労働者比率や契約チェーン内部のコンプライアンス状況も見直すことが推奨されます。


4. 今後の動向

2026年第2四半期までに、新デジタル申請プラットフォーム「Uniek Loket」が導入され、単一許可(single permit)を含む全申請に200〜250ユーロの手数料が適用されます。また、高度技能者の審査期間は14日間に短縮される予定で、他カテゴリーは原則30日となります。フランデレン政府は労働市場の透明性向上や不正防止を目的にさらなる制度改正を進める可能性があり、企業は今後の発表を注意深く監視する必要があります。


本件に関しては、下記のPDFもご参照ください(英文のみ)。

Global Immigration alert – Belgium - Significant changes to immigration rules for employers and foreign workers in Flanders(英語)をダウンロード


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木島 祥登 パートナー

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