マレーシア、雇用パス(EP)の最低給与要件および有効期間を引き上げ

1. 概要

2026年1月14日、マレーシア内務省は、雇用パス(Employment Pass:EP)の全カテゴリーにおいて最低給与要件と有効期間を引き上げると発表しました。これらの変更は、2026年6月1日以降に提出される新規および更新申請に適用されます。
変更内容は以下のとおりです。


EPカテゴリー I

  • 最低月額給与:20,000リンギット(現行:10,000リンギット)
  • 最長有効期間:最大10年(現行:1〜5年)


EPカテゴリー II

  • 最低月額給与:10,000〜19,999リンギット(現行:5,000〜9,999リンギット)
  • 最長有効期間:最大10年(現行:1〜2年)
  • 要件:マレーシア人を後任へ育成する「サクセッションプラン」の策定(詳細は未発表)


EPカテゴリー III

  • 最低月額給与:5,000〜9,999リンギット(現行:3,000〜4,999リンギット)
  • 最長有効期間:最大5年(現行:1〜3年)
  • サクセッションプランが必要
  • カテゴリーIII保持者は全て扶養家族向けビザ(Dependent’s Pass、Long-Term Social Visit Pass)の申請が可能に(従来はMDEC管轄企業のみ対象)

今後、変更内容の詳細について追加情報が公表される予定です。


2. 影響

今回の改定により、企業は外国人雇用にかかるコストの増加だけでなく、後任育成計画の策定など、採用・人事計画の見直しが必要となります。特にカテゴリーIIおよびIIIに義務付けられるサクセッションプランは、運用要件の詳細が未発表であることから、今後の追加ガイダンスが企業の実務に大きく影響する見込みです。

また、カテゴリーIIIについては、扶養家族ビザ申請の対象拡大により、従業員の家族帯同が容易になるため、人材確保におけるメリットも期待されます。


3. 必要な対応

企業は、改定された給与基準や有効期間を踏まえ、外国人雇用方針や報酬制度の見直しを検討する必要があります。特にサクセッションプランの要件については、詳細発表に備えて現行の組織体制や人材育成計画の整理を進めることが推奨されます。


4. 今後の動向

当局は今後、サクセッションプランの具体的要件や申請プロセスなど詳細情報を公表する見込みです。企業は最新動向を注視し、適切に対応していく必要があります。

EYは引き続き情報をモニタリングし、企業の対応をご支援します。


本件に関しては、下記のPDFもご参照ください(英文のみ)。

Global Immigration alert - Malaysia - Increased minimum salary requirements and validity periods for Employment Passes(英語)をダウンロード


お問い合わせ先

EY行政書士法人

木島 祥登 パートナー

※所属・役職は記事公開当時のものです