中東情勢に関するアップデート:サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタール

1. 概要

中東地域を巡る地域情勢の緊張や航空便の欠航、空域閉鎖といった影響により、外国人の出国・帰国や渡航計画に支障が生じています。こうした状況を受け、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタールの各国当局は、訪問ビザや居住許可の期限切れ、超過滞在の罰金、帰国手続きに関する一時的な救済措置や制度変更を発表しました。これらの対応は、不可抗力により移動が制限された外国人や居住者への不利益を緩和することを目的としています。


2. 影響

サウジアラビアでは、2026年2月25日時点で期限切れとなっている訪問ビザ(商用、観光、ウムラ、トランジット、最終出国ビザを含む)について、2026年4月18日までのビザ延長、または手数料や超過滞在の罰金なしで直接出国することが認められています。

UAEでは、航空便の欠航や運航停止により出国できなかった訪問者や居住者に対し、2026年2月28日以降に発生した超過滞在の罰金が免除されます。また、空域閉鎖等により国外滞在中に居住許可が失効した居住者は、2026年3月31日まで新たな入国許可を取得せずに帰国が可能な措置が取られていました。さらに、UAE国民およびゴールデンビザ保有者に対しては、国外での緊急時対応や帰国支援といった領事による支援サービスを拡充しています。

バーレーンでは、2026年2月28日以降に期限が到来した訪問ビザ保有者に対し、超過滞在の罰金が免除されるほか、同日時点で有効であった未使用の訪問ビザについては、例外的に有効期限を3カ月間延長します。

カタールでは、2026年3月31日付でパキスタン国籍者に対する到着時ビザ制度が停止され、渡航前に事前ビザを取得する必要が生じています。


3. 必要な対応

中東地域に従業員や出張者、短期滞在者を受け入れている企業は、各国の一時的措置や制度変更を踏まえ、影響を受ける対象者の在留資格や渡航状況を速やかに確認することが重要です。サウジアラビアおよびバーレーンでは、出国期限やビザ延長の適用条件を確認し、期限内の対応を支援する必要があります。

UAEでは、帰国後の居住者が有効な在留・就労関連書類を保持しているかを確認し、必要に応じて在留資格の正規化を行うことが求められます。

カタールに関しては、対象国籍者の渡航計画について、事前のビザ取得を前提とした調整が必要となります。


4. 今後の動向

これらの措置はいずれも期限付きまたは暫定的な対応であり、地域情勢や航空運航状況の変化により、追加措置や条件変更が行われる可能性があります。関係企業および対象者は、各国当局から発表される最新情報を継続的に確認し、迅速かつ適切に対応することが重要です。

 

本件に関しては、下記のEY Global Immigration Alertもご参照ください(英語のみ)。


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EY行政書士法人

木島 祥登 パートナー

※所属・役職は記事公開当時のものです