【コラム】入管手数料引上げを契機に見直す外国人材の労務管理

2026年8月25日、出入国在留管理庁は、在留許可手数料の額の改定等について発表し、2026年10月1日から新しい手数料が適用されることとなりました。

この発表に基づくと、2026年10月1日から、外国人の在留手続き等に関する在留許可手数料は、以下のとおり改定されます(改正入管法施行令25条1項)(オンライン申請時の支払い手数料は含みません)。

手続きの種類許可される期間申請方法改定前改定後

在留資格変更許可

在留期間更新許可

3月以下窓口6,000円10,000円
3月以下オンライン5,500円10,000円
3月超6月以下窓口6,000円18,000円
3月超6月以下オンライン5,500円15,000円
6月超1年未満窓口6,000円25,000円
6月超1年未満オンライン5,500円21,000円
1年窓口6,000円33,000円
1年オンライン5,500円27,000円
1年超3年未満窓口6,000円48,000円
1年超3年未満オンライン5,500円42,000円
3年以上5年未満窓口6,000円64,000円
3年以上5年未満オンライン5,500円56,000円
5年以上窓口6,000円75,000円
5年以上オンライン5,500円65,000円
永住許可–窓口10,000円200,000円

1. 在留許可手数料の減免対象者(改正入管法施行令25条2項)

在留許可手数料の大幅な引き上げと同時に、以下のとおり減免の対象者が定められました。減額措置の対象者に該当し得るケースとして想定される者は、「在留資格の変更又は在留期間の更新の許可に係る手数料の減額対象者のガイドライン」に記載されています。

(1)減額の対象となり得る者(例)

① 生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮していると認められる者で、難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けている者
② 生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に生活に困窮していると認められる者で、①以外に人道上の配慮をする必要があるもの

(2)免除の対象者

① 外交又は公用の在留資格への変更の許可を受ける者
② 公用の在留資格をもって在留する者で、在留期間の更新の許可を受けるもの
③ これらに準ずるものとして法務省令で定める者


2. 手数料の納付方法

申請方法手数料納付方法
窓口申請収入印紙による納付方法
オンライン申請コンビニ決済又は銀行決済

オンライン申請における在留許可手数料は、別途指定委託事業者への決済手数料が必要となり、各々の許可期間または許可の種類に応じて以下の表の支払額合計欄の金額をコンビニ決済又は銀行決済によって支払う必要があります。

許可期間改定後の手数料決済手数料*支払額合計
3月以下10,000円330円10,330円
3月超6月以下15,000円15,330円
6月超1年未満21,000円21,330円
1年27,000円27,330円
1年超3年未満42,000円42,330円
3年以上5年未満56,000円550円56,550円
5年以上65,000円65,550円


* 決済手数料については、コンビニ決済、銀行決済のいずれも同じ手数料額がかかります。
* コンビニ決済に関して、一部コンビニは対応していません。

* クレジットカード決済やQRコード決済には対応していません。

支払いの流れは以下のとおりです。

①在留申請オンラインシステムから審査完了メールが送付されます。
②後日「no-reply@service-dgft.com」より手数料額に応じた決済の案内メールが送られてきます。
③メールの案内に従って手数料を支払います。(詳細は追って出入国在留管理庁から発表がありますので、ご確認ください。)


3. 企業の対応

2026年10月1日から予定されている入管手数料の引上げは、単なる申請コストの増加にとどまりません。更新申請の前倒し、在留資格変更のタイミング見直し、グループ内異動計画の再確認、オンライン申請体制の整備など、外国人材の労務管理プロセス全体を見直すきっかけにもなります。特に外国人社員が増加している企業では、人事部門とグローバルモビリティ部門が連携し、今後6カ月の在留資格関連スケジュールを棚卸しすることが重要です。


4. 10月1日までに企業が確認すべき「入管手数料引上げ対応チェックリスト」

 チェック項目コメント
□(1)10月以降に予定している在留資格変更案件を確認した10月以降に想定される新卒採用、中途採用の予定について洗い出しを行い、要件を満たしているものについては、9月30日までに申請ください。
□(2)グループ内異動・転籍予定者を確認した在留資格「企業内転勤」「高度専門職」を持っている外国籍社員が今後、グループ間異動や、ローカライズする予定がある場合には、基本的に在留資格を変更する必要がありますので、9月30日までに在留資格「技術・人文知識・国際業務」などへの変更を検討ください。
□(3)外国人新卒採用者の在留資格変更時期を確認した新卒採用者(卒業予定者)の申請は例年12月~翌年1月頃に行いますが、特定活動(内定待機)への在留資格変更は9月30日までに行うことを検討ください。
□(4)永住申請を予定している幹部・中核人材がいないか確認した永住申請については、本人申請や手数料も本人負担が多いかと思いますが、前倒し申請等の可能性の検討を伝えると良いでしょう。
□(5)9月30日までに申請できる案件を優先順位付けした在留期間更新申請、在留資格変更、永住申請の順で費用に与える案件数や、影響がでる額を確認ください。
□(6)オンライン申請への切替を検討したオンライン申請は、窓口申請よりも手数料が低く設定されています。オンライン申請の利用を検討ください。
□(7)2027年度の外国人材の受入れにかかる予算への影響額を試算した更新件数、資格変更件数、永住件数から年間コスト増加額を把握すると良いでしょう(試算は企業側の実務対応としての提案です)。
□(8)人事・グローバルモビリティ部門への周知を完了した10月1日以降は申請コストが上昇すること、前倒し可能案件は早期着手すること、今後はオンライン申請を原則とすることを関係部署にご共有ください。

お問い合わせ先

EY行政書士法人

木島 祥登 パートナー

※所属・役職は記事公開当時のものです