EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EY新日本有限責任監査法人
企業成長サポートセンター
シニアマネージャー 税理士 左近司 涼子
2025年1月~6月の国内株式市場は、年明け日経平均株価終値39,307円でスタートし、半導体・自動車関連株の影響により下落し、4月のトランプ氏の高関税発言を受け暴落。その後、徐々に回復し6月最終日終値は年内最高値の40,487円となりました。そのような市場環境の中で、新規上場企業数は、28社(TOKYO Pro Marketを除く。以下同様。)となりました。前年同期(2024年1月~6月)と比較した場合10社減となっております。市場別に見ると、全体の64.3%にあたる18社がグロース市場に上場し、新興市場合計で全体の75.0%を占めています(表1)。
(注1)東証(1部、2部、マザーズ、JASDAQスタンダード)及び名証セントレックスについては2022年1月から4月3日の実績となっています。
(注2)対象期間に新規上場実績のある市場のみを上記に記載しています。
(注3)東証と同日に他の市場に上場している場合は、東証の実績に含めています。
業種別では、サービス業10社(昨年同期13社)、情報・通信業8社(昨年同期13社)、となっており、それぞれ新規上場企業全体の35.7%及び28.6%を占め、他の業種社数との開きが昨年同様に見られます。(表2)。
本社所在地別では、全体の71.4%にあたる20社の本店所在地が東京都であり、依然として東京都が中心です。東京都以外に本店所在地がある場合でも上場市場は東証に集中しています。(表3)。
赤字上場(直前期の当期純利益が赤字で上場した会社)数はグロース市場に上場した3社、新規上場企業においては、初値が公募価格を下回った会社は3社ありました。
直前期の売上高の分布を見ると、10億円未満の企業が3社(10.7%)、10億円以上50億円未満の企業が13社(46.4%)であり、全体の約2分の1超を売上高50億円未満の比較的小規模な企業が占めています(図1)。売上高が200億円を超える新規上場企業は、プライム市場に上場した1社とスタンダード市場に上場した2社にとどまっています。
初値時価総額の分布を見ると、50億円未満の企業が6社(21.4%)、50億円以上100億円未満の企業が9社(32.1%)であり、全体の2分の1超を占めています。500億円を超えた企業は2社(7.1%)あり、昨年同期(4社、10.5%)と比較して減少しています(図2)。なお、初値時価総額が最も高かったのは、株式会社JX金属(株)の7,826億円でした。グロース市場の平均初値時価総額は135億円と、前年同期の229億円と比較して大幅に減少しました。
監査法人別では、EY新日本有限責任監査法人2社(7.1%)、有限責任監査法人トーマツ2社(7.1%)、と低い割合の一方で、中小規模等のその他の監査法人の割合が増加しており、新規上場において担う役割が大きくなってきていることがうかがえます(表4)。