EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
要点
SSBJ基準の公表と開示府令の改正の導入により、サステナビリティ情報は、法定開示としての有価証券報告書において体系的に開示する流れが本格化してきました。
この変化が企業に求めるものは、有価証券報告書において「何を開示するか」だけではありません。どのようなプロセスと内部統制のもとで、情報が作成・承認されたのか、開示情報の質と信頼性の向上が、財務情報に求められているように、今後さらにサステナビリティ情報開示にもより問われることを意味しています。
そこで本稿では、サステナビリティ情報開示における内部統制整備に関するポイントは何か、実務の視点から解説します。
SSBJ基準は、サステナビリティ情報を「非財務情報」とは位置付けていません。短期・中期・長期にわたり、企業のキャッシュ・フロー、財務状態、資本コストに影響を与えるリスク・機会を説明する情報、すなわち財務情報と関連するサステナビリティ情報の開示を求めているのがSSBJ基準です。
また、有価証券報告書の主たる利用者である投資家がその投資行動(企業価値評価)において特に着目するのは、「グループ連結ベース企業戦略」に係る情報です。
そのため、グループ経営戦略と同様サステナビリティ情報についても、
を満たしたものであることが基礎的要件として求められます。
さらに、投資情報として、開示された情報に対する信頼性を具備することが求められます。そのため、企業はサステナビリティ情報開示プロセスに一定の内部統制の整備することに対応する必要があります。
実務上、サステナビリティ情報開示は、以下の流れで構成されます。
内部統制の設計において重要なのは、各段階で「誰が」「何を」「どこまで確認するのか」を明確にすることです。
改正開示府令においては、人的資本開示に関し、人材戦略・給与決定方針・給与水準の変化が一貫的に説明されることが求められていますが、この対応についても企業が整備すべき開示プロセスの基本構造は上記と共通している、と言えます。
開示対応のポイント
統制設計上の留意点
開示対応のポイント
統制設計上の留意点
開示対応のポイント
統制設計上の留意点
開示対応のポイント
統制設計上の留意点
開示対応のポイント
統制設計上の留意点
SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報には、一部情報(scope1・2、ガバナンス、リスク管理)について限定的保証が義務付けられます。
保証では、数値の正しさだけでなく、測定方法が基準に準拠し正しく設計されているか、プロセス・内部統制が重要な誤謬リスクを低減されるように有効に機能するよう整備されているか、の理解が行われます。
よくある誤謬の原因
これらは、過去の任意保証においても多く指摘された論点であり訂正リスクにもつながるためどのようにリスクを低減させるか、早期のプロセス整備が重要です。
有価証券報告書に開示されるサステナビリティ情報開示の内部統制整備の目的は、外部保証への対応だけではありません。
企業として基準に準拠した信頼性のある数字をどう測定したのか、開示を通じて説明責任を果たし、またその開示情報に対し重要な誤りを未然に防止する、またはそのリスクを低減させること、がその本質的な目的です。EY新日本監査法人では、SSBJ基準導入をはじめ、サステナビリティ制度開示の導入についての企業の取組みを支援しています。
有価証券報告書におけるサステナビリティ情報開示では、情報の信頼性確保に向けた内部統制の構築が不可欠です。事実に基づき適切に開示されていることを確保するとともに、重要な誤謬リスクを防止・低減するプロセスを、効果的かつ段階的に整備する視点が重要となります。