EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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未来を形作り、成長と価値を創出する革新的な道筋を作りながら、複雑な変革を進めるための、力強く新しい方法を見つけましょう。プライベートエクイティのNextWaveをご紹介します。
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1. インフラストラクチャ
PE企業は、2025年もセクターを問わずインフラストラクチャへの投資を継続し、特にエネルギーとデジタルインフラの分野で重点的に投資活動を行うことが予想されます。AIをはじめとする先端技術の急速な進歩と普及に伴い、それに応じたデータセンター投資が求められる中、PE投資はこうした分野の成長をけん引する中心的な役割を果たしています。過去3年間を見てみても、PE企業は、データセンター関連プロジェクトにすでに1,000億米ドル以上の投資を行っています。投資の機会は、データセンターそのものに限りません。関連するソフトウェアやハードウェアを提供するベンダーから、さらにはそれらを稼働させるために必要な膨大な電力に至る、バリューチェーン全体に存在しています。データセンターは現在、世界の電力使用量の2%超を占めていますが、10年後にはその割合が3~4%にまで拡大すると予測されています1。投資機会はまた、従来の電力源と再生可能電力源の双方でも見込まれます。
2. 人工知能(AI)
人工知能(AI)は、2024年のトップテーマでしたが、2025年には、2番目に位置付けられています。なぜ、このような変化が生じているのでしょうか。AIに関してPE企業の現在の状況を見てみると、より焦点を絞った利用へと進化しています。2024年は、AIの持つ潜在力を最大限に引き出すための方法を模索し議論する段階にありました。それに対し現在は、AIの実用化が進んでいます。例えば、オリジネーションとデューデリジェンスのフェーズでAIツールの利用が広がっています。AIを活用して取引関連の膨大な文書データの分類、インデックス付け、検証を行うことで、処理コストを最大70%削減することが期待されます。投資期間中では、生産性向上と成長促進を目指す投資ファンドとその運営チームによるAIの利用が進んでいます。特に、従業員のパフォーマンス強化という点で、AIの活用はタスクの優先順位付けや社内プロセスの合理化に役立っています。
3. 成長
2024年の3番目と4番目のテーマは、それぞれ価値創造と運転資本でした。2025年は、これら2つのテーマを「成長」という形でひとつに統合しています。これは、PE企業が自社のパフォーマンス向上に向けて収益成長に注力していることを考慮に入れたことによるものです。では、2025年にはどんな取り組みがPE企業の成長に寄与するのでしょうか。
- 高度な分析、人工知能(AI)、および自動化を活用する
これにより、膨大な量のデータの分析が可能になるため、ディールソーシング(投資先探し)、デューデリジェンス、ポートフォリオ管理が大幅に改善され、投資の機会やリスクの特定が促進されます。 - ノンコア業務を戦略的にオフショアリング、オンショアリング、アウトソーシングの対象とする
これにより、PE企業はコストを最適化できるだけでなく、高い価値をもたらす活動への集中を促進されます。 - 堅牢な報告体制を導入する
これにより、透明性向上を求めるステークホルダーの要望に寄り添い、パフォーマンス、リスク管理、価値創造などに関する戦略を明確に示すことができます。 - 税務、コンプライアンス、業務支援などを含む包括的な統合サービスを提供する
これにより、PE企業は他社との差別化が可能になるだけでなく、IPO(新規株式公開)市場が成熟期に達していない状況下でも投資家への価値提供が促進されます。