EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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忘れられない体験を創造する
世界各地のエンタメ企業が多様化する消費者のニーズを同時に満たすには、アジャイルな組織体制に加え、現地での即応性と全体の効率性を両立させる戦略的なアプローチが必要です。では、それを実現するにはどうすればいいのでしょうか。
1. 成長の原動力としてのイノベーション
今回の調査で明らかになった重要なポイントが1つあります。画一的なアプローチはもはや通用しないということです。消費者が今期待しているのは、テクノロジーを活用し、高度にパーソナライズされた体験です。企業はそれに応じて進化しなければなりません。
このような進化を遂げるには、まずトップから変わっていく必要があります。リーダーはイノベーションを推進し、それを組織の文化や業務、戦略に深く根付かせなければなりません。つまり、大胆でありながら実行可能な目標を設定し、実験的な試みをする権限をチームに与え、新たなアイデアが育つ環境をつくる必要があるということです。
そのためには、企業には次のような対応が求められます。
- イノベーションラボや部門横断的なチームを立ち上げて、ラピッドプロトタイピングや創造的な問題解決を推進する。
- 分析プラットフォームから顧客体験ツールまで、テクノロジーに投資を行って、顧客のニーズをより的確に把握・予測し、対応する。
- 組織体制を設計し直して、サイロ化を打破し、よりアジャイルで協調的な環境をつくり、意思決定と学びを加速させる。
2. 戦略的な手段としてのスマートな価格設定とバンドル施策
価格が消費者の主な決定要因であることに変わりはありません。しかし、今回の調査から、消費者は貴重だと思う体験には多くを支払ってもよいと考えていることが分かりました。これは、企業が価格設定とバンドル施策を収益拡大のためのツールに限定するのではなく、差別化要因としても利用し、顧客満足度を維持しながら収益を最大化させるチャンスです。
そのためには、次のような対応が求められます。
- データ分析を活用して、顧客の行動と嗜好、価格感度を詳細に把握する。
- プレミアムな製品やサービスの価値提案を明確に伝えることで、価格の妥当性を示して信頼を構築する。
- 顧客からのフィードバックを継続的に収集・活用して、価格戦略を見直し、製品・サービスを改良していく。
3. 一人一人のニーズに合わせた製品とメッセージの提供
消費者の嗜好や期待が多様化していることから、企業はそれに合わせて、次のようなマーケティングメッセージを作成しなければなりません。
- ターゲット層ごとの価値観に沿った表現と視覚効果、トーンを用いて、精緻にターゲティングされたメッセージ。
- 各製品・サービスの独自のメリットを、適切でパーソナライズされた形で訴求するメッセージ。
こうした対応が奏功すれば、顧客ロイヤルティの強化につながると同時に、収益の維持、最終的には成長を実現できるでしょう。