企業を取り巻く環境とコーポレート機能への要請

  • 近年、事業環境の複雑化や不確実性の高まりにより、グループ経営の高度化やポートフォリオマネジメントの重要性は増している。資本効率改善をはじめとするアクティビストや投資家からの要請、説明責任や情報開示への要求も一層活発化し、ESG基準や開示要件は厳格化が続く見込みであることなど、コーポレート部門にはさまざまな対応強化が求められている。
  • 一方で、コーポレート部門(間接部門等)は依然としてコストセンターとして扱われる側面が強く、コスト効率化も強く求められる。
  • このような状況下、コーポレート機能には経営管理機能としての高度化と、オペレーション部門としてのスリム化の両立が、今まさに問われている。グループにおける本社の役割をより一層明確化し、筋肉質な組織へ変革することが、グループの持続的成長、ひいては企業価値向上の鍵となる。

コーポレート機能の全体像

グループ企業のコーポレート機能は、主に6つに大別される。グループ内で本社に求める役割によって、保有すべき機能は異なる。

必須機能

  • 上場・法人維持 - 上場および法人維持のために必須である決算やIR等に関する機能
  • ガバナンス - 内部監査、リスク管理、予実管理等のグループ全体統制・管理機能
  • グループ戦略 - ポートフォリオマネジメント、M&A戦略、資本政策等、成長と持続可能性を担保する経営戦略策定機能

企業によって保有する機能

  • 事業支援 - 新規事業や技術開発の促進、調達・DX推進等のグループ横断等の、事業に係る支援機能
  • 間接業務 - 人事・給与計算や法務・総務等の間接業務のグループシェアード機能
  • 事業運営 - 特定事業の事業戦略立案および事業運営

コーポレート機能再設計のステップ

コーポレート機能の高度化とスリム化の両立、経営アジェンダとの強い連動、グループ全体の最適化等の多角的な論点検証を通じて、持続的成長と企業価値向上を実現する強い組織への変革を導く。

ステップ概要

  1. 現状業務の調査・課題の初期診断
  2. コーポレート機能が目指す姿の定義
  3. 目指す姿の実現に向けた機能具体化

Step 1:現状業務の調査・課題の初期診断

  • 調査票やインタビュー等を通じて現状を可視化し、各部門の業務内容・業務量(工数)・人員数を定量的に把握。
  • 他社ベンチマークとの比較により、人員数やコストの最適化余地を初期試算。
  • 調査結果と他社ベンチマーク分析を踏まえ、コーポレートの保有機能・業務内容・人員数に関する課題仮説を立案。後続の検討ステップにおける課題の精緻化および解決策の立案の足掛かりとする。

Step 2:コーポレート機能が目指す姿の定義

  • 企業グループのビジョンや中長期戦略、事業の特徴(多角化・専門化等)を整理し、他社ベンチマーク分析やコスト削減効果を踏まえ、最適なコーポレート機能の役割定義と人員数を策定。コーポレート機能には大きく3つの類型が存在し、企業グループの置かれた内外環境や戦略方針に応じて、本来的に目指すべきコーポレートの姿を定義する。
    • 戦略/投資家/上場機能本社 - 本社は上場・法人維持、グループ戦略、ガバナンス機能のみ保持
    • 事業支援本社 - 本社が事業支援機能(グループ横断の調達・開発・DX推進 等)まで保持
    • トータルバックオフィス本社 - 本社は事業支援機能に加え、事業会社向けの間接機能も保持

Step 3:目指す姿の実現に向けた機能具体化

  • 機能・業務・工数の整理
    • 自社の現状および他社事例を踏まえ、目指すべきコーポレートの姿における各機能の役割・体制を設計。
    • 各機能で持つべき業務・工数を整理。本社で保有しない業務の新たな配置先の検討(機能子会社や事業会社等)。
  • グループガバナンス設計
    • 事業会社における意思決定の本社としての関与レベルや意思決定プロセスの骨格となる機関設計。
    • 予算管理、業績モニタリングの統制強度・仕組み(KPI・レポートライン等)を設計。
    • 過度なグループ個別最適化を防ぎコーポレート求心力を保つための、グループ横串機能を設計。
  • 本社収支設計
    • 機能別の役割・業務内容・体制を踏まえたコスト試算および収入源(経営指導料、業務委託料、配当等)を再設計し、税務・会計論点を踏まえた上で、本社収支モデルを再構築。
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