EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
成長戦略の前提として、グローバルでの事業拡大を位置付ける国内企業は増加しています。M&Aによる海外企業の取得、新興国への生産・販売拠点の展開、デジタルを活用したグローバルサービスの拡大など、こうした戦略を確実に実行するためには、グループ全体のITが一貫した方針のもとで機能していることが不可欠です。
一方で、拠点・子会社ごとにITの整備水準や管理体制が異なるままでは、経営判断に必要な情報がグループ横断でそろわず、事業統合や業務標準化のスピードは上がりません。グローバルITガバナンスが最適化されていない状態は、成長戦略の実行そのものを制約します。
さらに近年では、国・地域ごとに異なるデータ保護・サイバーセキュリティ規制への対応、サプライチェーンを起点としたサイバーリスクの拡大、クラウドや生成AIの急速な普及など、外部環境の変化が加速しています。 こうした環境下では、グループ横断でITを統制・可視化し、継続的に見直していく「最適化」の視点が不可欠となっています。
# | 主な課題 | 概要 |
1 | 事業価値・競争力の分断 |
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2 | 経営判断を誤らせるリスク把握の不全 |
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3 | 統治責任・説明責任の脆弱(ぜいじゃく)化 |
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4 | 統制と成長スピードの不整合 |
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5 | 投資成果・資本効率の不透明化 |
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グローバルITガバナンスの設計において最初に問われるのは、「どこまでを本社が統制し、どこを現地に委ねるか」という方針の選択です。
中央集権志向が高くなればなるほど、本社による統制の一貫性が確保できる一方で、各拠点・子会社での対応の俊敏性を損ないます。
また、ローカル志向が高くなればなるほど、国や地域の特性に応じたシステムやサービスが展開しやすい一方で、コスト抑制が難しくなります。
自社にとって最適な方針は企業の持つ特性によって異なります。グループの規模、事業の多様性、自社の経営戦略、リスクプロファイル、本社・各拠点・子会社のITケイパビリティ――これらの特性を踏まえ、どこまでを本社が統制しどこを現地に委ねるか方針が導かれます。
重要なことは「自社の実態に即した方針を、意図を持って選択し、明確化すること」です。
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分類 | 各戦略の説明 |
グローバル戦略 |
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| トランスナショナル戦略 |
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| インターナショナル戦略 |
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マルチナショナル戦略 |
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図表:EY作成
実効性あるITガバナンスが「ポリシー」「組織・人材」「モニタリング」の3要素で構成されること自体は、国内でも変わりません。グローバルで問われるのは、この3要素をグループ全体で機能させることです。
ポリシーは、本社が「原則」を持ち、現地が「実装」する――中央統制と現地適応の役割を明確に分けることが起点となります。
解釈がぶれない原則レベルと、現地でローカライズする適用レベルを階層化することで、統一性と実効性を両立します。
組織・人材は、本社と現地の「パイプ役」となるガバナンス責任者を各拠点に配置し、権限・責任・評価を現地にひもづけることで、現地担当者が自分ごととして動ける体制をつくります。モニタリングのポイントは、現地からの自己申告に依存しない設計が不可欠です。
客観的な指標と自動収集の仕組みを確立し、何が起きているかを本社が迅速に把握できる可視化の基盤を整備することが重要です。
国内の組織変革と異なり、グローバルITガバナンスの整備では「構築」と「定着」の間に大きな断絶が生まれやすいという特性があります。
本社から数千キロ離れた拠点に対して直接フォローができない、言語の壁で意図が伝わりにくい、現地へのリソースの割当が十分に確保できない――このような実情を踏まえると、グローバルITガバナンスの構築、定着に向けては段階的な対応が求められます。
具体的には、グループ全体での対応優先度の決定、全社基準の明確化、現地担当者の自立自転を促す仕組みづくりを、スモールスタートで着実に実施していくことが、グローバルITガバナンスの定着の成否を分けるポイントとなります。
現状評価から設計・整備・構築・定着化まで一貫して支援し、グループ各社がグローバルITガバナンスを自律的に運用・改善を回し続けられる体制の実現を目指します。
ヒアリング、ドキュメントレビュー、ITリスクサーベイを通じて、グループ全体のITガバナンス成熟度を把握し、優先的に対応すべき領域を特定します。
事業戦略およびリスクプロファイルを踏まえ、CIO機能の役割を明確化するとともに、本社・地域統括拠点間のRACI1および意思決定フローを設計します。
グループ共通のITポリシーや基準類、関連する手続き文書を整理・整備した上で展開し、現地法規制への適合性確認と現地担当者のキャパシティビルディングを一体的に実施します。
モニタリングやレポーティングの仕組みを前提に、グローバルITガバナンス会議体の運営支援や経営層向け報告の高度化を通じて、ガバナンス運営の定着と継続的な改善を支援します。
EYは、グローバルITガバナンス領域における豊富な支援実績を背景に、グローバルで展開するリソースを生かし、コスト効率とスピードを両立した支援が可能です。
事業構造や運営形態の異なる企業・グループを支援してきた知見を踏まえ、ガバナンスを構想にとどめず、実行段階まで一貫して進められる点に強みがあります。
さらに、ITガバナンスを起点とする関連領域についても、領域ごとに分断することなく、ワンチームでの支援を提供します。
EYの関連サービス
EYのリスクコンサルティングは、さまざまなリスク・テーマへの取り組みに際し、リスクを不確実性として捉え、個々の企業の経営方針や価値創出モデルに沿って、戦略的な仕組みの構築・強化からリスクが顕在化した際の対応までサポートします。
続きを読む今や多数の組織がデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて舵を切る中、その多くが業務の効率化レベルにとどまり、ビジネス変革や新たな価値創出といった本当の意味でのDXを実現できているのは少数に限られているのが現状です。これはDXの本質がデジタル技術の導入ではなく、企業変革そのものにあることが理由ではないでしょうか。 EYではDXへの取り組みを「デジタルガバナンス」という全社的視点から支援し、DXを実現できる企業への変革を導きます。EYではDXへの取り組みを「デジタルガバナンス」という全社的視点から支援し、DXを実現できる企業への変革を導きます。
続きを読む昨今の急激な外部環境の変化を踏まえ、DXが企業活動において必須事項となる中、経営戦略に資する具体的かつ効率的・効果的なデジタル化の戦略、計画の立案・実行に対して、多くの企業が懸念を感じ始めています。 デジタル化の推進においては組織能力の整備、ビジネスに対するデジタル化の貢献状況を適切に管理するKPIの設定、定期的なモニタリングが重要になっています。
続きを読む昨今生成AIの急速な普及により、AIが身近に感じられ、業務において幅広く活用されるようになってきています。AIの利用により業務品質や生産性の向上が期待される一方、AIの利用には、正確性・公平性・知的財産権・セキュリティ・プライバシーなど、さまざまなリスクが存在します。 EYでは、組織においてAI活用を進めていくにあたり、そうした多様なリスクに対応したガバナンスの構築を支援します。
続きを読むプロジェクト評価とは、プロジェクトの計画・実行・完了に至る各段階で、成功要因や課題を客観的に分析・検証する取り組みです。技術の進化や環境変化、人材不足など複雑化する現代のプロジェクトにおいて、リスクを低減し、成果を最大化するために不可欠なプロセスです。
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