改正移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」等の公表に伴う財務諸表等規則等の一部を改正する内閣府令のポイント

EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 加藤 裕一

2025年8月22日に、内閣府令第75号「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等(以下「本改正」という。)が公布されています。

本改正は、企業会計基準委員会(ASBJ)において、改正移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品実務指針」という。)、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(以下「リース会計基準」という。)等の修正を公表したこと等を受け、財務諸表等規則等について所要の改正を行うものです。


Ⅰ. 改正された規則等

  • 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(財務諸表等規則)
  • 連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(連結財務諸表規則)
  • 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)

Ⅱ. 本改正の概要

1. 金融商品実務指針関連の改正(財務諸表等規則第8条の6の2第3項、第138条第6項、連結財務諸表規則第15条の5の2第3項)

組合等の構成資産に含まれるすべての市場価格のない株式(出資者である企業の子会社株式及び関連会社株式を除く。)について時価をもって評価し、組合等への出資者の会計処理の基礎とする取扱いを行っている場合には、以下の事項を注記することになります。

  •  当該取扱いを行っている旨
  • 当該取扱いを行う組合等の選択に関する方針
  • 当該取扱いを行っている組合等への出資の貸借対照表計上額の合計額
     

2. リース会計基準等関連の改正(財務諸表等規則第8条の6第1項第1号、第138条第1項、様式第5号)

リース会計基準等の「借手」及び「貸手」の定義が見直されたことにより、企業以外の者が含まれることが明確化されました。


Ⅲ. 適用時期

2025年8月22日に公布・施行されています。

本改正のうち、金融商品実務指針の改正に関する部分は2026年4月1日以後に開始する連結会計年度又は中間連結会計期間及び事業年度又は中間会計期間において適用することとされています。

また、本改正のうちリース会計基準等の改正に関する部分は、2027年4月1日以後に開始する連結会計年度又は中間連結会計期間及び事業年度又は中間会計期間において適用することとされています。

いずれの改正も2025年4月1日以後に開始する連結会計年度又は中間連結会計期間及び事業年度又は中間会計期間において適用することもできます。


Ⅳ. 公開草案からの変更点

公開草案における提案内容から変更はありません。



なお、本稿は本改正の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

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