「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する情報要請のポイント

1. はじめに

2026年4月1日に、公益財団法人財務会計基準機構(以下「FASF」という。)より「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する情報要請(以下「本文書」という。)が公表されました。

本文書では、企業会計基準諮問会議(以下「基準諮問会議」という。)にテーマとして提案された「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」について、これまで寄せられた情報の整理が示されるとともに、会計基準の改善の観点からこれに追加する情報がある場合には情報の提供を要請するとされています。

2. 本文書の公表の経緯

(1)経済同友会等からのテーマ提案

2025年5月30日に、経済同友会はスタートアップ有志及び企業経営者有志による連名で、「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関するテーマ受付表を提出しました。これを受けて、2025年7月11日に開催された基準諮問会議では、新規テーマとして提案された「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」について、会計基準として改善が見込まれるかどうか、主にスタートアップの関係者の意見聴取を行うこと及びリソースの許す範囲でより幅広い関係者に対象を広げることが企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という。)に対して依頼されました。なお、この依頼は、テーマ提言に関する判断や評価をASBJに依頼するものではなく、当該判断や評価は基準諮問会議において行うことが付言されていました(本文書第2項から第4項)。

(2)ASBJにおける公聴会

ASBJでは、基準諮問会議の依頼に基づき、当該テーマ提案により会計基準として改善が見込まれるかどうかについて、関係者からの意見聴取を実施しました。当該意見聴取は、ASBJにおける通常の審議と異なり、ASBJ及びASBJ委員が提案されたテーマに関して判断や評価を行うものではなく、関係者からの意見聴取の結果を基準諮問会議に報告することを目的とし、公聴会という形式により実施されました(本文書第5項、第6項)。

そして、2025年11月27日に開催された基準諮問会議では、ASBJから、第6回までの公聴会の実施状況に関する報告が行われ、意見聴取の状況や内容について基準諮問会議の委員の感触が述べられるとともに、今後の進め方についても意見交換されました。当該意見交換を受けて、財務諸表作成者や小規模監査法人等への追加的な意見聴取を実施可能な範囲で行うようにASBJに対して依頼がなされるとともに、のれんの非償却を導入した場合の会社法の取扱い、税務上の取扱い及び単体財務諸表への影響について情報収集を行うこととされました。以下は、開催された公聴会と意見聴取対象者の属性です(本文書第7項から第9項)。

 公聴会開催日意見聴取対象者の属性
第1回2025年8月12日学識経験者
第2回2025年9月3日財務諸表作成者、財務諸表利用者
第3回2025年9月18日監査人、学識経験者
第4回2025年10月7日監査人
第5回2025年10月20日財務諸表利用者
第6回2025年11月4日財務諸表利用者
第7回2026年1月20日財務諸表作成者
第8回2026年2月24日財務諸表作成者、監査人、財務諸表利用者

第1回から第6回公聴会の意見聴取における質問事項は以下のとおりでした。

<意見聴取の質問事項>

(のれん非償却の導入)

A. 非償却を導入する会計基準の改正を支持するか。また、その理由は何か。

(a)のれんの非償却を支持する場合、償却と非償却の選択を認めるべきか。またその理由は何か。
(b)のれんの非償却を支持しない場合、非償却とすることについて何が問題と考えられるか。

B. IFRS会計基準を適用することにより非償却とすることも可能となることをどのように考えるか。

(のれん償却費計上区分の変更)

C. のれん償却費の計上区分を変更する改正を支持するか。

D. 支持する場合、以下のいずれを支持するか。また、その理由は何か。

(a)のれん償却費を販売費及び一般管理費から営業外費用又は特別損失とする。
(b)(販売費及び一般管理費に計上したうえで)のれん償却前営業利益及びのれん償却費を表示する。
(c)IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」における「経営者が定義した業績指標」(management-defined performance measure : MPM)に相当する指標を開示する。

第7回及び第8回公聴会においては、第1回から第6回公聴会の意見聴取における質問事項に加えて、財務諸表作成者のIFRS任意適用企業担当者及び監査人に対してそれぞれ以下の質問事項が追加されました。

<財務諸表作成者への追加質問事項>

(のれんの非償却の導入)

E. IFRS任意適用企業から見たのれんの非償却を導入する場合の負担

(a)減損テストの取扱い(テストの頻度や方法)の変更に伴って見込まれる実務への影響や懸念、周辺領域への影響(例えば、変更された減損テストののれん以外の資産(有形固定資産等)への適用など)
(b)取得原価の配分(PPA)の精緻化に伴って見込まれる実務への影響や懸念(例えば、無形資産評価の専門家の確保など)
(c)連結子会社における単体財務諸表の作成実務への影響

<監査人への追加質問事項>

(のれんの非償却の導入)

F. 仮にのれんの非償却を導入する場合の監査実務への影響。具体的には次のとおり。

(a)減損テストの取扱い(テストの頻度や方法)の変更に伴う、内部統制の評価を含めた監査工数の増加の見込みや監査上の懸念
(b)取得原価の配分(PPA)の精緻化に伴う監査工数の増加の見込みや監査上の懸念(例えば、無形資産評価の専門家の確保など)
(c)その他、監査実務への影響

また、第8回公聴会における財務諸表利用者(一般社団法人全国銀行協会)への意見聴取においては、以下の確認事項が追加されました。

<財務諸表利用者への確認事項>

(のれんの会計処理と与信判断実務との関係)

G. のれんの会計処理の違いに起因する与信判断実務等への影響

(a)「償却+減損」の会計処理と「減損のみ」の会計処理の違いとそれに起因する債務者の財務諸表の各年度の営業利益や純損益、財政状態の違いによる、貴行の債務者区分の判断や内部格付の付与のあり方への影響
(b)「償却+減損」の会計処理と「減損のみ」の会計処理の違いやそれに起因する債務者の財務諸表の各年度の営業利益や純損益、財政状態の違いによる、貴行の与信の実行や継続への影響
(c)質問事項(a)及び(b)以外の事項として、「償却+減損」の会計処理と「減損のみ」の会計処理の違いやそれに起因する債務者の財務諸表の各年度の営業利益や純損益、財政状態の違いによる、貴行の活動や判断等への影響


3. 情報要請の概要

既にASBJによる公聴会が計8回実施され、基準諮問会議の事務局も公表情報から情報を収集していることから、テーマ提案に関する判断を行うために必要な情報は相当程度蓄積されてきていると考えられるとされています(本文書第13項)。

しかしながら、これまでの公聴会での意見聴取では聞かれなかった意見を有している利害関係者が存在する可能性もあり、また、「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」というテーマについては、幅広い利害関係者が関心を寄せていることを踏まえて、慎重を期してプロセスを進めることが考えられるとされました。このため、本文書が公表され、本文書において記載されていない追加的な理由や観点がないかの確認を行うことを目的として、広く利害関係者に対して情報要請が行われました(本文書第14項、第15項)。

なお、本文書による情報要請は、あくまでもテーマ提案に関する判断を行うための材料として上乗せすべき理由や観点がある場合に、当該理由等を追加してテーマ提案の検討を行うことを目的として実施するものであり、のれんの非償却の導入等の賛否そのものに関するコメントを要請するものではないとされています(本文書第16項)。

4. 公聴会において聞かれた意見

本文書では、開催された公聴会において聞かれた意見の概要が示されています。具体的には、「のれんの非償却の導入」と「のれん償却費計上区分の変更」に分けて、会計基準の改正を支持する理由と指示しない理由についてそれぞれ整理して記載されています。なお、仮にのれんの非償却を導入する場合には、固定資産の減損会計や企業結合における無形資産の識別についても国際的な会計基準と整合的な会計基準を導入することを前提として、公聴会において意見聴取が行われました(本文書第17項、第18項)。

(1)のれんの非償却の導入

公聴会では、のれんの非償却の導入を支持する意見が聞かれた一方、支持しない意見も聞かれたとされています。また、のれんの非償却と償却について中立であるとする意見も聞かれたとされています(本文書第19項)。

本文書において示されている「のれんの非償却の導入を支持する理由」の概要は以下のとおりです(本文書第20項)。

No.支持する理由(概要)
A-1M&Aの促進
A-2企業価値評価における情報の有用性
A-3国際的な比較可能性
A-4償却期間の設定の難しさ
A-5経営の規律への寄与
A-6相対的なコスト負担

本文書において示されている「のれんの非償却の導入を支持しない理由」の概要は以下のとおりです(本文書第21項)。

No.支持しない理由(概要)
B-1買入のれん価値の減価及び自己創設のれんとの入替え
B-2M&Aによる投資成果の適切な判定
B-3株主価値を犠牲にするM&Aの抑制効果
B-4減損損失の認識時期が遅すぎる又は金額が少なすぎる(too little, too late)
B-5貸借対照表の有用性に関する課題
B-6M&Aの促進に関する証拠の欠如
B-7コストの増加
B-8経営の規律への寄与
B-9個人投資家の保護
B-10政策目的による会計基準の改正に対する反対
B-11国際的な会計基準への対応のスタンス

公聴会では、のれんの償却と非償却の選択制の導入については、支持しない意見が多く聞かれたとされています。本文書において示されている「のれんの償却と非償却の選択制の導入を支持しない主な理由」の概要は以下のとおりです(本文書第22項)。

No.支持しない理由(概要)
C-1比較可能性の欠如
C-2複雑性の増加
C-3恣意性の介入
C-4IFRSの任意適用という選択肢の存在

一方で、一部の参加者からは、のれんの償却と非償却の選択制の導入を支持する意見が聞かれたとされています。本文書において示されている「のれんの償却と非償却の選択制の導入を支持する主な理由」の概要は以下のとおりです(本文書第23項)。

No.支持する理由(概要)
D-1M&Aの促進
D-2企業の実態に合わせた柔軟性の増加
D-3開示による比較可能性の担保
D-4経過措置としての取扱い

上記は本文書において示されている、のれんの非償却の導入を支持する理由及び支持しない理由、並びにのれんの償却と非償却の選択制の導入を支持しない理由及び支持する理由の概要を抜粋したものです。各理由の詳細については、本文書をご覧ください。

(2)のれん償却費計上区分の変更

公聴会では、のれん償却費を販売費及び一般管理費から営業外費用又は特別損失とする改正については多くの参加者は支持しなかったとされています。以下は本文書において示されている「のれん償却費を販売費及び一般管理費から営業外費用又は特別損失とする改正を支持しない理由」の概要です(本文書第25項)。

No.支持しない理由(概要)
E-1営業費用としての性質

一方、ごく少数の参加者からは支持する意見も聞かれたとされています。以下は本文書において示されている「のれん償却費を販売費及び一般管理費から営業外費用又は特別損失とする改正を支持する理由」の概要です(本文書第26項)。

No.支持しない理由(概要)
F-1営業利益の改善
F-2短期的な対応としての位置付け

また、のれん償却費を販売費及び一般管理費に計上したうえで、のれん償却前営業利益及びのれん償却費を表示する改正については、支持する意見と支持しない意見の両方が聞かれたとされています。以下は、本文書において示されている「のれん償却費を販売費及び一般管理費に計上したうえで、のれん償却前営業利益及びのれん償却費を表示する改正を支持する意見及び支持しない理由」それぞれの概要です(本文書第27項)。

No.支持する理由(概要)
G-1のれんの償却費の営業利益への影響に関する理解の促進
G-2実務上の課題の解消への貢献
No.支持しない理由(概要)
H-1投資家の判断への影響

上記は本文書において示されている、のれん償却費を販売費及び一般管理費から営業外費用又は特別損失とする改正を支持する理由及び支持しない理由、並びにのれん償却前営業利益及びのれん償却費を表示する改正を支持する理由及び支持しない理由の概要です。各理由の詳細については、本文書をご覧ください。

なお、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」における「経営者が定義した業績指標」(management-defined performance measure:MPM)に相当する指標を開示する改正については、現時点で積極的に支持する意見は聞かれなかったとされています(本文書第28項)。


5. 基準諮問会議事務局による情報収集

2025年11月27日に開催された基準諮問会議において、のれんの非償却を導入した場合の会社法の取扱い、税務上の取扱い及び単体財務諸表への影響について情報収集を行うこととされたため、2026年3月13日に開催された基準諮問会議において、当該情報収集の実施結果について報告が行われました。このうち、会社法及び税務上の取扱いについては、仮にのれんの非償却を導入した場合の影響について分析に一定の限界があるため、本文書においては、紹介するに留められました。一方で、単体財務諸表への影響、開発する会計基準の範囲及び会計基準の開発に要する期間については、分析した結果が示されています(本文書第29項、第30項)。

(1)単体財務諸表への影響

本文書において、単体財務諸表への影響は以下のとおりに分析されています。なお、連結財務諸表と単体財務諸表において同様の会計基準が適用されることを前提として、また、仮にのれんの非償却を導入する場合には、固定資産の減損会計や企業結合における無形資産の識別についても国際的な会計基準と整合的な会計基準を導入されることを前提としています(本文書第31項から第33項)。

No.項目単体財務諸表への影響
I-1広範な影響
  • 金融商品取引法に基づき財務諸表を作成する会社においては、連結財務諸表だけでなく、親会社及びその連結子会社の単体財務諸表に影響を与えることとなる。
  • IFRS任意適用企業は連結財務諸表について対応されているものの、単体財務諸表については日本基準で作成しているため、IFRS任意適用企業であっても、親会社及びその連結子会社の単体財務諸表の作成実務に影響を与えることとなる。
  • 連結財務諸表の作成義務のない会社、特に、会社法に基づき会計監査を受ける会社に影響する。
  • 会社法第431条の「株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする」に鑑みれば、会計監査を受けない中小会社に影響を与える可能性があると考えられる。
I-2連結財務諸表に比べ低い重要性の基準値
  • 単体財務諸表は連結財務諸表に比べて重要性の基準値が低く設定されるのが通例であるため、連結財務諸表では重要性が乏しく取り上げられていない事象でも、単体財務諸表では相対的に利益や純資産に影響があり、財務諸表全体として無視できない影響が生じる場合もある。このため、実務上の負荷が重くなる可能性がある。
I-3企業結合以外の領域における実務負担の増加
  • 非償却の導入に伴って固定資産の減損会計を見直した場合、企業結合を行っていない会社にも影響を与える。
  • 実務上の負荷の具体例の1つには、固定資産の減損会計における1ステップアプローチへの移行が挙げられる。加えて、減損損失の戻入れ要否の検討も継続的な負荷になると考えられる。
  • これらの負荷は人的資源の乏しい会社、特に単体財務諸表の作成のみを行う会社にとって深刻になる可能性があると考えられる。また、非上場会社では割引率の算定に必要な市場データの入手自体が困難なケースも多く、実務上の負荷が高まる可能性があると考えられる。

(2)会計基準の開発範囲及び開発期間

① 仮に非償却を導入する場合

ⅰ開発する会計基準の範囲

仮にのれんの非償却を導入する場合には、固定資産の減損会計や企業結合における無形資産の識別についても国際的な会計基準と整合的な会計基準を導入することを前提として、具体的には以下の会計基準をあわせて開発することが考えられるとされています(本文書第34項、第35項)。

  • 企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」(以下「企業結合に関する会計基準」という。)の改正

✓ 償却処理を定めた部分の改正

✓ 企業結合の取得原価の配分に係る取扱い(特に、無形資産の識別に関する部分)の改正

✓ 全部のれん方式の採用

✓ 開示の拡充

  • 無形資産に関する会計基準

✓ 耐用年数を確定できない無形資産の概念の導入

✓ 包括的な会計基準の開発

  • 「固定資産の減損に係る会計基準」の改正

✓ のれんを含む資産グループについての減損の見直し(これには、年次の減損テストの導入や2ステップアプローチから1ステップアプローチへの見直しなどを含む。)

✓ のれん以外の固定資産に関する減損テストの見直し

✓ 減損損失の表示区分の見直し(減損損失の営業利益区分への計上)

✓ 減損損失の戻入れの可否の見直し

ⅱ会計基準の開発に要する期間

上記の会計基準の開発は、これまでの重要な会計基準等の開発のプロジェクトと同様に大幅な見直しを伴うものであるため、相応の開発期間がかかると考えられるとされています(以下の<これまでの主要なプロジェクトの開発期間>参照。)。特に、無形資産に関する会計基準については、現時点では日本基準において包括的な会計基準が存在していないため、開発に相当の時間を要すると考えられ、また、IFRS会計基準を参考に開発するとした場合、現在、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)において見直しが進められている状況にあるため、仮にIASBにおいて基準改正が行われる場合には、将来的に再度見直すことが必要となる可能性が考えられるとされています(本文書第36項から第38項)。

これらを総合的に踏まえて、会計基準の公表までに少なくとも3年を要すると考えられ、さらに、会計基準を公表した後、周知や適用のための準備にも相応の期間を要すると考えられるとされています(本文書第39項)。

<これまでの主要なプロジェクトの開発期間>

 基準開発の検討着手公開草案基準公表適用開始
収益認識会計基準当初分(検討着手から)2015年3月2017年7月(2.3年)2018年3月(3.0年)2021年4月(6.0年)
開示を含む全体(検討着手から)2019年10月(4.5年)2020年3月(5.0年)
リース会計基準(検討着手から)2019年3月2023年5月(4.1年)2024年9月(5.5年)2027年4月(8.0年)
金融資産の減損(検討着手から)2019年10月2025年10月(6.0年)N/AN/A

本文書では、仮に非償却を導入する場合の開発する会計基準の範囲及び開発期間について以下のように示されています(本文書第40項)。

No.項目分析結果の概要
J-1開発する会計基準の範囲
  • 企業結合に関する会計基準の改正
  • 無形資産に関する会計基準
  • 固定資産の減損に係る会計基準の改正
J-2会計基準の開発に要する期間
  • 会計基準の公表までに少なくとも3年を要すると考えられる。
  • さらに、基準を公表した後、周知や適用のための準備にも相応の期間を要すると考えられる。

② 仮に償却を維持する場合

のれんの償却を維持するのであれば、原則として会計基準の改正は不要と考えられるとされつつも、のれんの償却については、償却期間や償却パターンの決定について一定の課題が指摘されていることを踏まえると、一定の対応を行うことが考えられるとされています。例えば、のれんについて20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する旨を定めている企業結合に関する会計基準第32項の適用について、償却期間や償却方法に関するガイダンスの開発や開示の見直しを行うことが考えられるとされています。

このような対応を行う場合には、現行の会計基準の延長線上の対応であるが、一定のデュープロセスを経る必要があることを踏まえて、会計基準公表までに概ね1年から2年程度の期間を要すると考えられるとされています(本文書第41項から第43項)。

本文書では、仮に償却を維持する場合の開発する会計基準の範囲及び開発期間について以下のように示されています(本文書第44項)。

No.項目分析結果の概要
K-1開発する会計基準の範囲
  • 企業結合に関する会計基準
K-2会計基準の開発に要する期間
  • 会計基準の公表までに概ね1年から2年程度の期間を要すると考えられる

6. 情報要請に対するコメント

本文書では、以下の質問が示され、本文書に記載されていない追加的な情報の募集がなされています(本文書第45項)。

(質問1)のれんの非償却の導入を支持する理由として、本文書第20項に挙げた理由(A-1からA-6)以外の理由や観点がある場合には、その理由等をお示し頂きたい。
(質問2)のれんの非償却の導入を支持しない理由として、本文書第21項に挙げた理由(B-1からB-11)以外の理由や観点がある場合には、その理由等をお示し頂きたい。
(質問3)のれんの償却と非償却の選択制の導入を支持する理由又は支持しない理由として、本文書第22項及び第23項に挙げた理由(C-1からC-4、D-1からD-4)以外の理由や観点がある場合には、その理由等をお示し頂きたい。
(質問4)のれん償却費計上区分の変更を支持する理由又は支持しない理由として、本文書第25項から第27項に挙げた理由(E-1、F-1からF-2、G-1からG-2、H-1)以外の理由や観点がある場合には、その理由等をお示し頂きたい。
(質問5)単体財務諸表への影響について、本文書第33項に挙げた影響(I-1からI-3)以外の影響や観点が考えられる場合には、その影響等をお示し頂きたい。
(質問6)会計基準の開発範囲及び開発期間について、本文書第40項及び第44項に挙げた影響(J-1からJ-2、K-1からK-2)以外に影響や観点がある場合には、その影響等をお示し頂きたい。

なお、本稿は本文書の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。

FASFウェブサイト
「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する情報要請


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