ベトナムJBS税務アップデート 関税および国際貿易2021年6月

ベトナムJBS税務アップデート 関税および国際貿易2021年6月

本タックスアップデートの内容は以下の通りです。

  • 英国ベトナム自由貿易協定(UKVFTA)における2021年から2022年の特恵輸出入関税率に関する政令 53/2021/ND-CP(政令53)
  • UKVFTAにおける原産地規則(rules of origin, “ROO”)を規定する通達0202/2021/TT-BCT(通達02)
  • 付加価値税(VAT)法の施行ガイドラインを規定する通達219/2013/TT-BTC(通達219)を修正する通達43/2021/TT-BTC(通達43)

    以下の事項に関する税関総局(GDC)および地方税関当局によるオフィシャルレター

    • 政令18/2021/ND-CP(政令18)の施行ガイドライン
    • COVID-19パンデミック影響下における通関手続
    • 輸出加工企業(EPE)にステータスを変更する企業に対する関税およびその他税金の取り扱い
    • 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)およびEU・ベトナム自由協定(EVFTA)における原産地の自己証明について
    • 関税の免除対象となる機械および設備のリスト
    • 遅延利息について遅延利息について
    • 輸入品の原産地申告について


英国ベトナム自由貿易協定(UKVFTA)における2021年から2022年の特恵輸出入関税率に関する政令53

2021年5月21日、ベトナム政府は、UKVFTAにおける2021年から2022年の特恵輸出入関税率に関する政令53を発行しました。
ベトナムから輸出される物品は、以下の条件をすべて満たす場合に、特恵輸出関税率を適用できます。

  • グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(以下、英国)に輸入される物品であること
  • 船荷証券/航空貨物運送状に記載される仕向地が英国であること
  • 英国に輸入される貨物の輸入申告書が発行されていること
    (輸入申告書が英語ではない場合は、英語またはベトナム語への翻訳が必要です)

ベトナムに輸入される物品は、以下の条件をすべて満たす場合に、特恵輸入関税率を適用できます。

  • 物品が特恵輸入関税率の適用対象品目リストに記載されていること
  • 英国またはベトナムの非関税地域からベトナム国内に物品が輸入されること
  • 原産地規則を満たし、UKVFTAに基づく原産地証明書が発行されていること

政令53は2021年5月21日から施行されました。

2021年1月1日から政令53の施行日までの期間に登録された通関申告については、(i) 政令53に規定される特恵輸出入関税率の適用に係るすべての条件を満たし、(ii) UKVFTAの特恵輸出入関税率より高い税率で関税およびその他の税金が支払われた場合には、関税およびその他の税金の過払い額は、租税管理法に基づき還付を受けることができます。

UKVFTAにおける原産地規則(rules of origin, “ROO”)を規定する通達02

商工省(MOIT)は、UKVFTAにおける原産地規則を規定する通達02を発行しました。
通達02は、5つの章、42の条文、8つの付録から構成されています。

UKVFTAにおける原産地証明の手順は以下の通りです:

  • ベトナムからの輸出貨物:
    • 商工省の指定発給機関が原産地証明書(C/O)を発行します。
    • 総額6,000ユーロ未満の貨物の場合は、輸出者による原産地の自己証明が認められます。
    • 商工省が定める要件を満たす場合には、輸出者による原産地の自己証明が認められます。原産地の自己証明は商工省が定めるガイダンスにしたがって実施され、ベトナム政府から英国への通知後に適用できるようになります。
  • ベトナムへの輸入貨物:
    • 輸出国の管轄当局が原産地証明書(C/O)を発行します。
    • 英国の管轄当局が定める必要条件を満たす場合には、総額にかかわらず輸出者による原産地の自己証明が認められます。
    • 総額6,000ユーロ以下の貨物の場合は、輸出者による原産地の自己証明が認められます。
    • 輸出者の情報が英国の電子データベースに登録されており、英国からベトナムへ通知済みである場合には、輸出者による原産地の自己証明が認められます。

アンドラ公国の原産品でHSコードの上2桁が25から97までの物品、およびサンマリノ共和国のすべての原産品は、UKVFTAにおいて、EU(欧州連合)を原産地としてみなします。
通達02は2021年7月26日より施行されました。

付加価値税(VAT)法の施行ガイドラインを規定する通達219を修正する通達43

財政省(MOF)は、付加価値税法施行ガイドラインを規定する通達219第10条11項を修正するため、また、付加価値税法の詳細および施行ガイドラインを規定する政令209/2013/ND-CP(通達26/2015/TT-BTCにより修正)を修正するため、通達43を発行しました。
通達43では、以下の複数の種類の医療機器について、VAT税率5%が適用される物品のリストに追加されました。

  • 以下の医療機器および医療器具:
    スキャナーおよびプロジェクター、健康診断および治療に使用されるスキャナー、手術・創傷治療・救急車に使用される専用機器および装置、血圧・心拍・脈拍を測定するための機器、輸血装置、針、避妊具、輸入許可証・自由販売証明書・医事法に規定される通知書類の受領証を伴う医療機器、通達14/2018/TT-BYT(およびその修正)において保健省の管轄として指定されたHSコードを有する医療機器のリストに記載される医療機器。

  • 綿、包帯、医療用ガーゼ、医療用タンポン、医薬品成分を含む予防薬および治療薬(薬の完成品および材料を含み、機能性食品を除く)、ワクチン、生物由来製品、注射薬および注入溶液の調製のための蒸留水、帽子、衣類、マスク、手術用手袋、手袋、足カバー、靴カバー、タオル、特殊な医療用手袋、胸部インプラントバッグ、皮膚注入剤(化粧品を除く)、医療用の化学試験材料、および滅菌材料。

通達43では、VAT税率5%の適用について「保健省の確認を得ることを条件とする」と規定する通達219の条文が削除されました。
通達43は、2021年8月1日より施行されました。

税関総局(GDC)および地方税関当局による各種オフィシャルレター

  • 政令18の施行ガイドライン
    2021年6月1日、税関総局は、政令18のいくつかの新しい規定にかかるガイドラインに関するオフィシャルレター2687/TCHQ-TXNK(OL 2687)を発行しました。OL2687では特に、加工取引およびみなし輸出入取引(on-the-spot importation and exportation)において輸入される原材料から加工・製造された製品にかかる関税、およびその他の税金の取扱い、通関手続に関するガイドラインについて、以下の通り示されています。

    • 加工取引について
      • 再加工のため、物品をベトナム国内企業に引き渡す場合
        輸出される製品の製造・加工のために輸入される原材料のうち、一部またはすべての加工工程を委託するために、原材料をベトナム国内企業に引き渡す場合には、輸入関税は免除されます。再加工の過程において、ベトナム国内企業が国内市場から調達した原材料を加工に使用する場合には、完成品を輸出する際に、ベトナム国内で調達した原材料の価額に基づき輸出関税およびその他の税金を計算します。
      • 再加工のために物品を外国企業に引き渡す場合
        • 再加工のために原材料を輸出する場合には、輸出関税は免除されます。
        • 再加工された製品を再び輸入する場合には、再加工のために輸出された分の原材料にかかる輸入関税は免除され、再加工後の製品の価額から輸出された原材料の金額を差し引いた残額にのみ輸入関税が課されます。
      • 再加工のために物品を輸出加工企業(EPE)に引き渡す場合には、再加工のために引き渡された原材料にかかる輸出関税は免除されます。再加工の過程において、EPEが海外から輸入されたその他の原材料を使用する場合には、再加工した製品がベトナム国内に輸入される際に、製品の関税率および課税標準(価格)に基づき、輸入関税を計算し、納付しなければなりません。

    • みなし輸出入取引について:
      • OL2687では、税関への通知に関する期限がより詳細に規定されています。輸出者は、みなし(on-the-spot)輸出申告の日付から15日以内に、税関に通知しなければなりません。輸出者が税関への通知を怠った場合には、新たに通関申告を行わなければならず、みなし取引の形式で輸出される製品の製造のために輸入される原材料にかかる関税およびその他税金を支払う必要があります。
      • みなし取引における輸入品については、輸出される製品の製造の加工のために輸入される物品として申告されている場合には、輸入関税およびその他税金は免除されます。その他の目的(再輸出のための加工以外の目的)で輸入申告が行われる場合には、輸入関税およびその他の税金の課税対象になります。

    • スクラップについて:
      • 加工・製造の過程で発生したスクラップについて、ベトナム国内での廃棄が認められており、ベトナムの法令に基づき、実際にベトナム国内で廃棄された場合には、輸入関税は免除されます。
      • 加工・輸出製造の過程で発生したスクラップについて、ベトナム国内市場に販売する場合には、輸入関税は免除されます。納税者はスクラップをベトナム国内市場に販売する際に通関申告を行う必要はありませんが、VAT、特別消費税、および環境保護税(課税対象となる場合)を申告・納税する必要があります。

また、OL 2687では、外国企業がベトナム国内企業向けに物品の納入を依頼する場合の確認書類、およびEPEに適用される税関検査・管理の条件など、その他の論点についても詳細なガイドラインが示されています。詳細については、OL 2687をご確認ください。

  • COVID-19パンデミック影響下における通関手続
    COVID-19の世界的大流行の影響により、通関手続に遅れが生じています。通関業務に関する課題を解消し、製造用素材の調達を確実なものとし、サプライチェーンの混乱を防ぐため、税関総局は2021年5月27日付オフィシャルレター2547/TCHQ-GSQLを発行し、地方税関当局に対し以下の対策を実施するように指示しました。

    • 通関申告者に対し、通関手続にかかる書類を電子通関システムを通じて提出するように要請すること。また、申告者との対面での業務を減らすため、その他の手続についてもオンライン公務システムを通じて実施すること。
    • 通関業務を迅速化するために、企業にとって適切な手順・条件を適用すること。
    • COVID-19パンデミックによる通関への影響を監視し、通関手続中に発生した問題を速やかに報告・解消すること。地方税関当局の管轄範囲を超える問題が発生した場合には、税関総局に報告し、さらなる指示を求めること。
  • EPEにステータスを変更する企業に対する関税およびその他税金の取り扱い
    2021年5月27日、税関総局は、EPEにステータスを変更する企業に対する関税およびその他税金の取扱いに関するオフィシャルレター2551/TCHQ-TXNKを発行しました。
    税関申告タイプA12(製品の製造のための輸入)に基づき輸入申告を実施した原材料について、関税およびその他の税金がすべて支払われており、EPEへのステータスの変更後、原材料が輸出される製品の製造のために使用され、完成品が実際に輸出された場合には、輸入時に支払われた関税およびその他の税金は還付されます。
    関税およびその他税金の還付手続は、財政省発行の2021年1月22日付通達06/2021/TT-BTC第12条にしたがって実施されます。
  • 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)およびEU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)における原産地の自己証明について
    税関総局は、2021年5月31日付CPTPPおよびEVFTAにおける原産地の自己証明のガイドラインに関するオフィシャルレター2669/TCHQ-GSQLを発行しました。その内容は以下の通りです。
    • EVFTAに基づきREX(登録輸出事業者システム)コードを有し、かつ総額6,000ユーロを超える輸入貨物、および、CPTPPに基づくすべての輸入貨物について、グループ会社間の内部システム、または、その他の電子的方法により輸入者に対して発行・送付される電子申告による原産地の自己証明(e-CO)を認める。
    • e-COは、電子通関システムによる輸入申告書に添付して税関当局に提出することができる。
    • 税関当局は、電子通関システムを通じてe-COが既に提出されている場合には、CPTPPおよびEVFTAにおける原産地の自己証明フォームの提出を要求しない。
  • 関税の免除対象となる機械および設備のリスト
    投資優遇の対象となる投資プロジェクトにおいて固定資産として輸入された機械および設備について、関税の免除対象となる機械および設備のリストを電子通関システムを通じて税関に登録している場合には、輸入関税は免除されます。
    2020年11月19日付オフィシャルレター7373/TCHQ-TXNKにおいて、税関総局は、2020年11月23日より導入された、関税およびその他税金の免除、減額、不徴収の手続にかかる新システム(MGHシステム)について通知しました。
    MGHシステムの適用までの移行期間に発生する問題を解消するため、税関総局は、2021年5月25日付で、電子通関システムを通じてMGHシステムに登録された関税の免除対象となる機械および設備のリストと管理シートに関する情報の移行手順の詳細に関するオフィシャルレター2494/TCHQ-TXNKを発行しました。
    税関当局がMGHシステムを通じて関税の免除対象となる機械および設備のリストを受領した後、申告者は、引き続き関税およびその他税金の免除を適用するために電子通関システムより追加の通関申告を行う必要があります。
    詳細は、オフィシャルレター2494をご確認ください。
  • 遅延利息について
    税関総局は、2021年5月26日付オフィシャルレター2514/TCHQ-TXNKにおいて、関税、およびその他税金の遅延利息について、以下の通り明示しました。
    • 2016年7月1日以降に発生した関税およびその他税金の遅延利息の利率は0.03%/日。
    • 2016年7月1日より前に発生したが、2016年7月1日以降まで支払われていない関税およびその他税金の遅延分は、以下のように計算する。
      • 2015年1月1日より前に発生した遅延分は、0.05%/日の利率で計算。(租税管理法78/2006/QH11および租税管理法のいくつかの条文を修正する法律21/2012/QH13)
      • 2015年1月1日以降に発生した遅延分は、0.05%/日の利率で計算。(租税管理法のいくつかの条文を修正する法律71/2014/QH13)
      • 2016年7月1日以降の遅延利息は、0.03%/日の利率で計算。

租税管理法では、関税およびその他の税金の繰延、免除、減額、および租税債務の免除についてのみ規定されており、支払遅延分の減額については規定されていません。

  • 輸入品の原産地申告について
    2021年5月21日付オフィシャルレター2437/TCHQ-GSQLにおいて、税関総局は輸入品の原産地の申告に関して以下のガイドラインを示しました。
    • みなし輸出入取引(on-the-spot取引)における輸入品について、on-the-spot輸出申告書で原産地コードを“#&KXĐ”として申告している場合、on-the-spot輸入申告書における原産地コードは“ZZ”として申告する。
    • 再輸入品について、輸出申告書で原産地コードを“#&KXĐ”として申告している場合で、荷降ろしや物品の品質を維持するために必要な作業以外の加工作業が実施されていないことを証明できる場合には、再輸入時の輸入申告書における原産地コードは“ZZ”として申告する。

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