EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
インドの財務大臣は、2026年2月1日に本法案を発表しました。インドの税制改正案の主な内容は以下のとおりです。
本税務ニュースは、予算案の主要な点をまとめたものです。
昨年末にインド政府により承認された2025年新所得税法は、2026-27課税年度より適用されます。新所得税法の目的は、法律の簡素化と紛争の抑制にあります。課税の基本原則に変更はありません。
法人税率に変更はありません。
MAT税率は、国内企業・外国企業ともに現行の15%から14%に引き下げられますが、国際金融サービスセンター(IFSC)ユニットに適用されるMAT税率(9%)に変更はありません。軽減税率制度を選択しない国内企業については、MAT税率を最終的な税率とすることが提案されており、MAT控除は認められなくなります。
本改正案では、2026-27課税年度以降に軽減税率制度を利用する国内企業は、通常の納税額の25%に相当するMAT控除を受ける権利を有することになります。MAT控除は2026年3月31日までに累積した額とされ、当該控除が初めて利用可能となった課税年度から15年間繰り越すことができます。
推定課税制度を選択する外国企業は、一律にMATの適用対象から除外されます。
株主が自社株買いにより受け取る対価を配当所得として課税する現行の制度は、廃止が提案されています。
自社株買いにより受け取る対価は、今後「キャピタルゲイン」として課税対象となり、優遇税率の適用が受けられます。ただし、「プロモーター」株主に対しては、以下のとおり追加課税が提案されています。
利益の区分 | プロモーターが国内企業である場合 | プロモーターが国内企業以外である場合 |
短期キャピタルゲイン | 2%(実効税率22%) | 10%(実効税率30%) |
長期キャピタルゲイン | 9.5%(実効税率22%) | 17.5%(実効税率30%) |
配当所得または投資信託の受益権から生じる所得に係る支払利息の損金算入は、現在総所得の20%まで認められていますが、今回、廃止が提案されています。
本改正案では、情報技術サービスについて、(1)ソフトウェア開発サービス、(2)情報技術対応サービス、(3)ナレッジプロセスのアウトソーシング、および(4)ソフトウェア開発に関連する受託研究開発(R&D)サービスを統合した単一のカテゴリーを設け、共通のセーフハーバー・マージンとして15.5%を適用するとしています。
セーフハーバー適用対象となる基準額が、30億インドルピーから200億インドルピーへと大幅に引き上げられます。
インドのキャプティブ・データセンター・サービスプロバイダーについては、コストの15%を上限とするセーフハーバーが提案されています。
保税倉庫内で部品の保管業務に従事する非居住者については、インボイス価額の2%をセーフハーバー・マージンとすることが提案されています。
情報技術サービスに関連するユニラテラルAPAについては、2年以内での締結を目標とする明確なタイムラインを設け、迅速化することが提案されています(納税者の申請により6カ月の延長が認められます)。
非居住者である関連企業によるAPAの結果を反映した修正申告を認める規定を導入することで、現在の申告規定における不整合が是正されます。
OBUおよびIFSCユニットに適用されている現行のタックスホリデー期間については、OBUは連続10年間を連続20年間へ、またIFSCユニットは15年間のうち連続10年間を25年間のうち連続20年間へと延長することが提案されています。
タックスホリデー期間の終了後、OBUおよびIFSCユニットが得る特定の所得については、15%の軽減税率を適用することが提案されています。
外国企業が、電子機器を製造するインドの受託製造業者に対して資本財、設備または工具類を提供することにより生じる所得については、2030-31課税年度まで免税とすることが提案されています。この免税措置は、当該受託製造業者が、外国企業向けの電子機器を保税区域内で製造するインド居住企業である場合に適用されます。
インド企業が所有・運営し、承認されたスキームの下で設置された特定のデータセンターから、データセンターサービスを調達することにより外国企業に生じる所得は、2047年3月31日まで免税とすることが提案されています。この免税措置は、外国企業がインドに所在するユーザーに対して行う全ての販売が再販業者であるインド企業を通じて行われる場合に適用されます。
更正およびペナルティ手続きは、重複を削減し、事業運営の円滑化を図るため、共通の命令を通じて統合されることになります。
最初の不服申立機関での審理期間中は、結果にかかわらず、ペナルティ金額に対する利息は課されません。
統合物品サービス税(GST)法における仲介サービスに関する供給地の規定は、現在、供給者の所在地に基づいていますが、これを削除することが提案されています。削除後は、これらのサービスの供給地は、一般原則であるサービス受領者の所在地に基づいて決定されることになります。
販売後の値引きについては、値引きを契約および原本の請求書と関連付けることを求める条件を削除することが提案されています。このような値引きは、クレジットノートが発行され、かつ受領者側で対応する仕入税額控除が取り消されることを条件に、販売価額から控除可能となります。
税率の逆転(仕入税率が売上税率を上回る場合)による還付申請については、申請額の90%に相当する仮還付を受けることが可能となります。
事前裁定国家控訴機関(National Appellate Authority for Advance Rulings:NAAR)が設置されると、複数の州または連邦直轄領の不服申立機関による事前裁定の矛盾から生じる不服申立を審理するために、政府が既存の機関(審判所を含む)を指定することができるようになります。
関税法に基づき取得した事前裁定の有効期間は、法令または事実関係に変更がない限り、3年から5年に延長されます。
全ての通関手続を対象とする単一かつ統合された拡張可能なプラットフォームとして、通関統合システムを2年以内に導入する案が提案されています。
特定の旅客を対象として、(1)免税枠の拡大および(2)宝飾品免税枠の金額上限の撤廃を目的とした、新たな手荷物規則が関税制度の下で導入されます。
本予算案は、競争力の強化および世界的な不確実性に対するレジリエンス(回復力)の構築を通じて、経済成長の加速と持続を目指しています。
主要セクターにおける製造業の拡大に重点的に取り組むことで、インド国内のサプライチェーンが強化され、グローバル・バリューチェーンとの統合が深まることが期待されます。全体として、本予算案は、インドが引き続き世界市場と深く結びつき、競争力を高め、安定的な長期投資を誘致するための道筋を示すものとなっています。
EY税理士法人
山口 哲男 アソシエートパートナー
※所属・役職は記事公開当時のものです
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