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| 急速に変化する税務環境へ的確に対応いただけるよう、EY税理士法人では、最新の税務上の課題・論点を解説するコラム「最近の税務トピックス」を新たに開始いたしました。第3回は、「事業承継関連の改正」をテーマに、今後の税制改正を見据え、事業承継税制の見直し動向と留意点を解説します。 |
自由民主党および日本維新の会が公表した令和8年度税制改正大綱では、貸付用不動産に係る評価方法の見直しについて記載されています。本稿校了段階では、この改正の射程について、個人が保有する不動産に限定され、法人が保有する不動産には適用されないのではないかとする見解と、法人が保有する不動産にも適用されるように改正されるのではないかとする見解があります。この点については、令和8年度財産評価基本通達の改正により明らかになると思われます。
そのほか、前述の税制改正大綱では、令和9年12月31日に特例事業承継税制の適用期限が到来することに伴い、令和9年度税制改正において、事業承継税制の見直しがなされることが記載されています。
さらに、令和8年度税制改正では見送られましたが、令和6年11月6日に会計検査院から公表された令和5年度決算検査報告では、取引相場のない株式の評価についての見直しが提言されており、近い将来に改正される可能性があるといわれています。改正時期および改正内容については、本稿校了段階では不明であるものの、仮に令和9年度税制改正で改正されることとなった場合には、上記の事業承継税制の改正と併せて、事業承継に対して大きな影響を与えることが予想されます。
令和7年12月12日に中小企業庁が設置した「中小企業の親族内承継に関する検討会」から「中間とりまとめ」が公表されました。本中間報告では、改正の方向性として、以下のものを提言しています。
このうち、最も注目されているのは、免除の見直しであり、具体的には、以下のような記述があります。
「……観点から、過去議論が行われたように、評価減制度の可能性を追求することや、例えば、10年間事業を継続すれば免除となる等の工夫ができないか検討してはどうか。ただし、これらの方向性を検討する場合においては、実効性のある課税逃れ防止措置や上限の設定等の制度運営に係る適切な措置も併せて検討することが必要と考えられることに加え、本税制が地域経済の活力維持や雇用確保を目的に、贈与・相続後の事業継続等を要件として納税猶予方式を採用している趣旨にも留意が必要である」
本稿校了段階で、事業承継税制の適用が進んでいない理由の1つとして、後継者が引き継いだ非上場株式を次の後継者に引き継がないと、猶予税額の納税が確定してしまうという点にあります。上記の改正の提言は、そのようなリスクを軽減する効果を期待するものであるといえます。
もちろん、10年という期間が短すぎるという意見も想定され、その場合には、農地の納税猶予の特例を参考にすることで、20年という期間になる可能性もあり得ます。いずれであっても、一定の期間が区切られるのであれば、事業承継税制の適用が進んでいく可能性が高く、令和9年度税制改正がどのようになるのかについて注目が集まっています。
※本稿の記述は、令和8年2月21日現在の法令等に依ります。
EY税理士法人
佐藤 信祐 アソシエートパートナー
※所属・役職は記事公開当時のものです
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