EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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1.日本企業の“改善”の限界と「全社最適」への転換
経営効率を高めるための全社的なリソースプランニング、組織設計、KPIモニタリングの重要性について、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの高塚 裕輝が解説しました。
日本経済の停滞は外部環境だけでなく、企業の内在的課題にも起因しています。その象徴が、日本企業が強みとしてきた“改善”文化です。各現場が「より正確に、より素早く」を追求する部分最適の積み上げによって成長してきましたが、不確実性の増す環境下では、部門単位の効率化だけでは全社的な競争力を維持できません。欧米企業が全社レベルの経営最適化を進める中、多くの日本企業は今も部分最適にとどまっています。
真の経営効率向上とは、全社目標を達成するために、ヒト・モノ・カネといった限られたリソースをいかに有効活用するかという意思決定そのものです。例えば、数年後の売上・利益の拡大を見据えたとき、直前になって工場を建設しても手遅れです。将来の成長から逆算し、適切なタイミングで設備投資や採用を行うなど、全社視点のリソースプランニングが不可欠です。
このような「全社最適」を実現するためには、「KPI責任の明確化」と「責任者の実効性を高めるモニタリング」の仕組み化が重要です。KPI責任の明確化とは、中計・年計の到達に向けて責任者がコミットする対象を明らかにすることです。「責任者の実効性を高めるモニタリング」とは、目標に対してどう責任を果たすのか、定点観測しながら必要に応じてテコ入れを行うことです。こうした仕組みを通じて、経営層と各事業責任者の間でP/Lに関する役割と責任(ロール・アンド・レスポンシビリティ)を明確に定義することが求められます。
責任者の実効性を高める具体的な手法として推奨されるのが、四半期ごとの「事業計画レビュー会議」です。これは単なる報告ではなく、各責任者が全社視点で戦略を述べ、必要なリソースを経営層にリクエストする場です。複数の部門の戦略を全社最適の視点で取りまとめることで、組織全体の相乗効果や因果関係、優先順位が明確になります。こうした取り組みの推進において、ERP(エンタープライズリソースプランニング=全社最適でリソース活用すること)は不可欠です。近年のERPは、蓄積された最小粒度のデータをAIが分析し、経営判断を支援する「AIプラットフォーム」としての役割も担っています。