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2025年11月19日、経済協力開発機構(OECD)は、OECDモデル租税条約(OECD MTC)の2025年改訂を記載した文書を公表しました。これには、以下の内容が含まれます。
2025年改訂の変更点は、2025年10月13日にOECD租税委員会、2025年11月18日にOECD理事会で承認されました。この改訂は、2026年に公表されるOECDモデル租税条約改正版(要約版および完全版)に組み込まれる予定です。コメンタリーの変更が既存条約に適用されるか(動的アプローチ)、新規条約のみに適用されるか(静的アプローチ)は、関係する国・地域によって異なります。
OECDは、モデル租税条約およびそのコメンタリーを定期的に改訂しています。前回のOECDモデル租税条約への改訂は2017年に実施され、OECD/G20の税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクトによる多数の変更が反映されました。
OECDが公表した文書によると、2025年改訂におけるOECDモデル租税条約およびそのコメンタリーには以下の主な変更が含まれます。
既存のコメンタリーによれば、雇用主の事業を遂行するためにホームオフィスが継続的に使用され、かつ事実関係から従業員が在宅勤務をする必要があったことが明らかな場合、そのホームオフィスは雇用主が業務のために利用できる場所とみなされ、恒久的施設が成立します。
改訂後のコメンタリーでは、従業員のホームオフィスだけでなく、別宅やバケーションレンタル、その他従業員が使用する場所も対象としています。第一に検討すべき点は、自宅またはその他の場所が継続的に使用されているか、偶発的または断続的に使用されているかどうかです。継続的に使用されている場合のみ、事業を行う一定の場所とみなされます。第二に検討すべき点は、自宅またはその他の場所が12カ月間のうち少なくとも50%の期間使用されているかどうかです。使用期間が50%未満の場合、原則として恒久的施設は成立しません。12カ月間のうち50%以上の期間使用されている場合、ホームオフィスまたはその他の場所が所在する国における個人の活動に商業上の理由(現地での顧客、サプライヤー、関連企業との直接取引など)があるか否かが判断されます。
OECDモデル租税条約の2025年改訂には、国境を越えたリモートワークの恒久的施設への影響、天然資源の採取に関連する活動から生じる所得の課税方法に関する重要な追加事項に加えて、OECDモデル租税条約とそのコメンタリーに対するその他の変更が含まれます。国境を越えたリモートワークに関する第5条のコメンタリーへの変更についての詳細は、EY Global Tax alertで近日中に公開される予定です。
さらに、2025年改訂には、OECDモデル租税条約およびそのコメンタリーの規定に関するOECD加盟国の所見や留保、ならびに非加盟国の立場に関する変更も反映されています。
企業は、これらの変更による影響を評価するとともに、自社の事業に関連する国・地域における所見や留保、立場の変更についても確認する必要があります。
2025年改訂に含まれるコメンタリーの変更が、新規条約と既存条約の両方に適用されるか、または新規条約のみに適用されるかは、関係する国・地域によって異なります。
EY税理士法人
戸崎 隆太 パートナー
※所属・役職は記事公開当時のものです
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