EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
2026年2月20日に連邦最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税を巡る訴訟において、IEEPAは大統領に関税を賦課する権限を付与していないと判断したことを受け、トランプ政権は迅速に代替となる法的手段の活用に乗り出しました。具体的には、2月20日深夜に「国際収支の根本的問題に対処するための暫定輸入割増金の賦課(Imposing a Temporary Import Surcharge to Address Fundamental International Payments Problems)」と題する布告を発令し、1974年通商法第122条に基づき、全世界からの輸入品に対して10%の従価税を一時的に課す措置を導入しました。同条は、「重大かつ深刻な」国際収支赤字が生じている場合に、最大15%・最長150日間の一時的関税賦課を認めるものです。
連邦最高裁判決の詳細は、2026年2月20日付EY Global Tax Alert「US Supreme Court rules IEEPA does not authorize presidents to impose tariffs」および2026年3月3日付 EY Japan税務ニュース「米国最高裁判所、IEEPAに基づく関税を違憲とする判決」をご覧ください。
また、オンデマンド配信中のEY主催のウェブキャスト「IEEPA後の関税問題|米国最高裁判決が貴社ビジネスに与える影響」(英語のみ)にご登録の上、ぜひご視聴ください。
本布告により、米国への全輸入品に対し10%の従価税が課されます。適用期間は2026年2月24日午前12時1分から2026年7月24日午前12時1分(いずれもEST)までであり、議会により明示的に停止・修正・早期終了されない限り適用されます(議会により延長される可能性あり)。
HTSUSは、Annex Iに基づき修正されます。また、米国通商代表部(USTR)は、連邦官報(Federal Register)を通じて、追加の技術的修正を発表する可能性があります。
本関税は、Annex IおよびAnnex IIに記載されている以下の品目には適用されません。
2026年2月24日午前12時1分以前に米国入国前の最終輸送手段に積載され、輸送中であった貨物で、かつ2026年2月28日午前12時1分(いずれもEST)までに消費目的で輸入申告(または保税倉庫から消費目的で引き出し)された場合、本関税の例外措置が適用されます。
本関税は、他の関税、税金、手数料等に追加して適用されます。ただし、第232条に基づく関税には追加適用されません。輸入品の一部に第232条が適用される場合、本関税は第232条対象外の部分にのみ適用されます。
本関税の対象となる貨物が、本関税の発効日以降にFTZに搬入される場合、(「国内貨物ステータス」に該当する物品を除く)、「特恵外国貨物(privileged foreign status)」として搬入され、消費目的での輸入申告時に、HTSUS分類に基づき課税されます。
USTRは、国際収支問題および本関税の影響を監視し、本関税の停止、変更または終了の可能性について助言を行います。USTR、国際貿易委員会および米国税関国境警備局(CBP)は、官報の告示を通じて、HTSUSの追加的な改訂や技術的修正を公表する場合があります。また、CBPは本関税を施行するための措置を講じることができます。
原則として、リスト化された例外品目やUSMCAおよびCAFTA-DRの無関税措置の適用対象に該当しない限り、ほとんどの輸入品が10%の関税の対象となります。
例外規定では、供給可能性、原材料ニーズ、深刻な供給混乱の回避、既存の輸入規制、および輸送中の貨物といった要素が考慮されています。企業はAnnex IおよびAnnex IIに照らし、慎重に該当性を評価する必要があります。
企業は、HTSUSの変更に対応できるよう準備する必要があり、米国のFTZ事業者は、本関税の対象物品を「特恵外国貨物(privileged foreign status)」として扱わなくてはなりません。
企業は自社の状況に応じて、下記を含む対応策を検討する必要があります。
EY税理士法人
大平 洋一 パートナー
原岡 由美 パートナー
福井 剛次郎 シニアマネージャー
※所属・役職は記事公開当時のものです
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