税情報の開示例~仮想企業による「税に関する取り組み」(EY作成)

グローバル・ミニマム課税の導入、EU及びオーストラリアにおける国別報告書(CbCR:Country-by-Country Reporting)の開示義務化(PCbCR:Public Country-by-Country Reporting)、米国財務会計基準審議会(FASB)による法人所得税の開示規則を修正する会計基準更新書第2023-09号(ASU2023-09)1等により、企業の税情報の開示に関する関心が高まっています。従来から、税務方針等の定性的な税情報を自主的に開示する日本企業はありましたが、オーストラリアにおけるPCbCRにおいては、企業グループの「税に関する取り組み(Approach to tax)」についても開示義務の対象となることから、より多くの日本企業が、定量面、定性面の双方から税情報の開示及びその充実を図られると考えられます。

EYでは、仮想の日本企業である「日本透明グループ」による「税に関する取り組み」に関する定性的な税情報の開示例2を作成しましたので、ご紹介させていただきます。

仮想日本企業グループ「日本透明グループ」の開示例 全文(PDF)をダウンロード

開示例の構成

「税に関する取り組み」の開示例は次の構成となっています。

  • 税務に対する基本的な考え方
  • 税務基本方針
    • 税務コンプライアンス
    • 税務ガバナンス
    • 税務リスク管理
    • 適切なタックス・プランニング
    • 税務当局との関係
  • グローバル税制の枠組みに関する取り組み
    • BEPSへの対応
    • 優遇税制の利用
    • タックス・ヘイブンへの対応
    • 移転価格への対応
  • その他、税に関する取り組み(各論)
    • 税に関する取り組みの推進
    • 税務リスクの許容度
    • 事業活動の一環
    • 持続的成長と税務
    • 税制に関する提言活動
    • コンプライアンス・ホットライン
    • 有価証券報告書における開示
    • 税務ガバナンスの統制評価
    • ステークホルダーとの税の透明性の確保

企業が検討すべき対応、実務上の留意事項

企業にとっての税務の役割として、税務リスク軽減のための税務コンプライアンス、税金コスト削減のためのタックス・プランニングに加え、税務ガバナンスと税の透明性が問われる時代が到来しています。

税とは、企業の財務価値、環境価値、社会価値、ガバナンス価値を結ぶ指標であり、税に関する取り組みを推進し、そして開示することは、企業の価値向上につながります。

企業にとっては、ESG格付機関対応やPCbCRの義務化であったかもしれませんが、目的を定め、影響を測りながら、税に関する取り組みを推進し、税情報の開示を図ることが重要となります。

企業の税務部門には、税務リスク軽減と税金コスト削減に加えて、企業の持続的な成長に貢献する新たな役割が求められています。


巻末注

  1. 2024年2月6日付EY Japan税務ニュース「米国基準における税務ディスクロージャー制度の公表とその影響
  2. オーストラリアのPCbCRに際しての要件充足、ESG格付機関のスコア、ステークホルダーからの評価等を保証するものではないことにご留意ください。

お問い合わせ先

EY税理士法人

大堀 秀樹 アソシエートパートナー

※所属・役職は記事公開当時のものです


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